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「君は一体誰?きこえてる?」
「•••••••••••••••••••」
「どうしよう、反応が無い。もしかして死んでいるのかな?目を覚ましてよ。起きてくださーい」
「•••••••••••••••••••」
「起きてくださーーい!!」
大きな声を掛けられて目を覚ます
全身がだるい
横になって眠っていたようだ
ゆっくりと身体を起こす
周りには機械音の多い雑音が響いていた
見たことあるような、知っているようなはずなのに
なぜか見慣れない景色
油ぎった匂いとサビが混じった変な匂い
そして、目の前には知らない人が心配そうに立っていた
「良かった、死んでなかった
こんなところで寝てると風邪ひくよ?」
何故、自分がここにいるのか分からない
頭がぼーっとする
知らない事だらけで頭が混乱する
思考回路が追いつかない
「あれ?聞こえてないのかな?
こんな場所に誰か居るなんて珍しい
怪我はない?誰かと待ち合わせ?
君はこんなところで何をしてたの?」
胡散臭い顔で笑いかける
「••••••••••••••••••」
私に声をかけているんだよね?
「何故、自分がここに居るのか思い出せません」
「そうなの?」
「えっと•••」
「そっかそっか、記憶が曖昧なんだね。うーん、バクを起こしてるのかな?」
「バグ?」
「とにかく、こんなところに1人でいたら危ないよ
早くお家に帰ったほうがいい」
「君はどこから来たの?自分の家は覚えているかな?」
「私は••••」
あれ?私はどこから来たんだっけ?覚えているはずなのに、こんな簡単なこと忘れるはずないに
どうしよう、何も思い出せない
「大丈夫だよ、そんなに不安そうな顔しないで
僕が君をお家まで帰してあげるよ」
信用できない胡散臭さがぷんぷんしている
「あ、ありがとうございます」
「最後に覚えていることは?」
「最後に覚えてることですか?」
「きっと記憶の回路がショートしてるかバグを起こしているんじゃないかな?
バックアップでなんとか復旧できると思うよ」
「バックアップ?」
「あぁー、困ったな。もしかして面倒くさがって毎日バックアップしてない感じ?
だめだよー?毎日バックアップとるのは僕らの義務じゃないか!僕が管理官だったら罰金とられてるよ?
バックアップの義務が搭載されてないプログラムなんて君はだいぶ旧式なんだね」
「今時アップテードもされてない昔ながらを好むなんて珍しいよ」
「•••••••••••」
「ああー!君まさか!!危ない凶悪犯罪者とか?」
今まで管理官の検査を逃げてきたなんて信じられないなー」
胡散臭いやつは訳の分からない事をペラペラと喋っていく
「それか、もしかして君って•••」
人間なの?