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第3話 ござ一派の江陵占拠

 第1体育館「江陵」。

 現在蜀が保有している施設で、三学一の体育館だ。


 元々「呉」の施設だったが新学期が始まってすぐ、劉璋の指揮下で奇襲をしかけ、占領に成功した。

 今年の蜀の唯一無二の大きな成果だと言っても過言ではない。劉璋は、すぐにこの体育館にかなりの防御兵力を配置した。すべての使用権が蜀に優先的に与えられ、他の勢力の生徒が使うにはそれだけの対価を支払わねばならない。

 呉は当初与えられた予算を生徒の体育・芸術分野の支援に充てようとしていた。彼らにとって蜀の第1体育館襲撃は、全く予想だにしていなかったので防御する間もなかった。彼らは激しく憤慨しながらも、攻撃兵力を集めるための予算は残っていなかった。

 第1体育館はまだ蜀の支配下に置かれている。しかし、ほとんどの生徒は、すぐにまた呉が第1体育館を奪還するだろうと考えていた。

 今その施設の前は大勢の生徒で賑わっている。制服の腕章も魏呉蜀と色々だ。


「どうしたの一体?」

「さあ。中で在野のやつらが陣取っているらしい」

「在野が? ここって在野は利用不可じゃなかったか?」


 体育館の中。

 江陵の施設は三学一の体育館らしく、かなりのレベルを誇っている。施設内部で利用可能なコートも4つ。多用途施設なので、室内スポーツに必要なほとんど全てのものが揃っている。そんな体育館の中に数十人以上の在野の生徒が陣取っていたのだ。


「ねえ、そこのお酒取って! ……あれ?これただの水じゃん」


 派手な髪色の少女が酒瓶を見てがっかりした。そんな少女を見ながら眼鏡の少年が皮肉を言った。


「未成年者のくせに何が酒だ。酒瓶に水入れてきたから気分だけ出しな」

「うう……せっかくのお祭りなのに」


 在野の生徒たちが大きな体育館に集まり、あちこちでござを敷いて遊んでいる。後片付けのことなど全く考えていないのか、体育館にはお菓子の袋や色んなゴミが散らかっている。


「くそ。やけにいい施設だな」

「在野にあるものといえば建物の後ろに設置されたバスケットコートくらいだぜ。それも雨が降りだしたら使えないし。床はでこぼこだし」

「草むしりも俺らがやらないといけないし」


 生徒たちは体育館を見回しながら文句を言った。何人かの生徒は、気分を害したように「ペッ!」と体育館の床に唾を吐いた。


「俺、1年の時は呉だったんだ。その時来たことあるけど、マジ最高だぜ」

「くそ、蜀の野郎ども! 俺たちはグラウンドだってまともに使えないってのに」


 在野にとってこの体育館は絵に描いた餅だ。いくら豪華でも不愉快な場所としか思えない。


「ふふ。まさか俺たちがこんなところに入るなんて。ござ一派万歳だな」

「イェリエル万歳だろ?」


 この騒動の中心には、イェリエル・乃愛がいる。彼女は体育館の中央でござ一派のメンバーとともに弁当を食べていた。


「うわ~かぁ何だや? ほんまに人が作った食いもんか? いや、それ以前に、食いもんって言えるんかいな。こげなものほんに食べれるんな?」


 テカチュウはイェリエルが持ってきたお弁当を見ながらワナワナと震えた。


「み、見た目は大丈夫じゃない? す、少なくともごちゃ混ぜになったテカチュウの方言よりは……ね? そ、そうでしょう? 月夜?」


 イェリエルはいつも自分の肩を持ってくれる少女のほうを見た。


「……」


 視線を避けている。イェリエルの愛らしい声でも到底フォローできない程度というものがある。


「ワレ、なに人の方言にケチつけとんのや? わしはガキん頃から全国を転々としてきたからこんな話し方になっただけやど。それに、おらの話し方が問題なんやないど! ほれほれ、お前らも食うてみい」


 テカチュウがイェリエルの弁当からたまご焼きを摘んで差し出した。すると他の生徒たちは一斉に首を横に振った。


「ほれみい。だれも食おうとせえへんやんけ? 月夜のヤツもやで? 見た目が平気やからって問題やないで。中がクソみたいにまずいねんから。一体何を混ぜたら、しょっぱくて、辛くて、苦くて、塩辛いたまご焼きができるんや? あん?」

「そのまま食べたらたまご焼きなんて美味しくないじゃない? だ、だからそれにオリジナリティーを加味したまでよ。すこ〜し甘い味があったらどうかな~って……。ハチミツを少々」

「ハチミツ……?」


 たまご焼きにハチミツ。テカチュウは言葉を失った。


「そしたら甘すぎるから塩を加えて、その次は醤油を少し入れて、体にいいから紅人参も入れて、キノコも」

「紅人参……。キノコ……」


 今度は月夜が度肝を抜かれた。


「あ、そうだ。レモン汁も合いそうだったから入れてみた。それから、あれと、これと……」


 自慢気に話すイェリエルの様子がとても美しい。ござ一派は黙ってたまご焼きを眺めた。


「……いいか。俺らは今なあ、普通の材料が一つになっちまうとどうなるのかを目撃しとるんやで」

「普段見かける材料って点で、リアリティーが増すなあ」


 ござ一派は謎のたまご焼きを見ながら戦慄した。イェリエルの帽子についた猫耳が、力なく垂れている。


「……もしかして失敗かな?」

「「「大失敗だ!」」」


 周りの酷評に猫耳がさらに垂れ下がる。イェリエルは何気なくたまご焼きを口に入れた。


「辛いくて苦くてしょっぱくて甘い……」


 しぶしぶ弁当を食べながら、イェリエルは周囲を見渡した。蜀の生徒数人が体育館に入ってきた。しかし、これといった行動はとらず、悔しそうに見つめているだけだ。動こうにも、在野の数が多すぎる。


「こいつらどうやって体育館に入ってきたんだ?」

「確か在野のやつらは入り口で止められるはずだよな」


 彼らは在野が体育館を占領した事態に当惑していた。イェリエルは蜀の生徒たちを見ながら、ポケットの名牌カードを手のひらで弄んでいた。その画面にはあるアプリが実行されている。


【New所属変更】


 謎のハッカーDRAGONが開発した脱獄用ハッキングアプリだ。今、このアプリに備えた策を有しているのは『魏』だけである。イェリエルはこのアプリを他の在野の生徒にばらまいた。所属さえ騙せば、三学のどんな施設だって簡単に通過することができる。その後はこっちの思い通りだ。


「……甘い。辛い。苦い。しょっぱい」


 イェリエルはたまご焼きを一つ食べてからブルブル震えた。


(そろそろのはずなんだけど)


 第1体育館「江陵」は蜀のプライドのような存在だ。ここでこんな騒ぎを起こしているのだから「中枢」が現れないはずがない。


「そこ、何してるの!」


 体育館に3人の少女が現れた。少女らを見た瞬間、ござを敷いて遊んでいた生徒たちの顔に緊張の色が現れた。


「簡孫糜トリオだ」

「蜀の中枢幹部よ」


 簡雍憲和の玉璽代理人である暖蜜、孫乾公祐の玉璽代理人である玲火、糜竺子仲の玉璽代理人である萌乃。あわせて簡孫糜トリオ、現在の蜀の幹部たちだ。そのうち不良少女の玲火が周囲に向かって凄んだ。


「ここをどこだと思ってる! あんたら在野ごときがうろついていい場所じゃないんだよ! さっさと失せな!」


 萌乃がその小さな口を開いた。


「うう……なんか在野のニオイが漂ってるみたい。気持ち悪~い」


 最後に、暖蜜がめまいでもするかのようにふらついた。


「あららら、なんだか汚い細菌で溢れてるみたい。伝染性なの? このままだと私も在野に~?」


 ―――!

 明らかに在野を侮る発言だ。ただでさえ不満が積もりに積もっていた在野の生徒たちを激怒させるには十分だった。在野の生徒が一人ずつその場から立ち上がった。


「お前ら今なんて言った?」

「何? 在野ごとき? 在野のニオイ? 細菌?」

「好き勝手言いやがって」


 体育館は瞬時に険悪な空気に包まれた。在野の生徒たちは今にも食ってかかりそうな勢いで、簡孫糜トリオを睨みつける。数十人に及ぶ人間の鋭い視線が一斉に注がれ、凄まじい雰囲気が漂っていた。


「アホンダラ! 空気よまれへんのか? 今 わいらがブチ切れとるのが見えてへんのか?」

「馬鹿だからね」


 テカチュウと月夜は簡孫糜トリオを嘲笑した。確かに彼女らの行動は軽率だった。火事で燃える家に油を注いだようなものだ。


「在野を蔑むやつらの中で一二を争うのが簡孫糜トリオだからね。……仕方ないわ」


 イェリエルはその場で立ち上がった。簡孫糜トリオは確かに蜀の最高幹部だが、イェリエルの本当の狙いではない。イェリエルは大きな音を立てて拍手をした。


「みんなストップ。そんな雑魚ども相手に怒ったところで損するだけよ。せっかくのパーティーなんだから、そんな馬鹿は無視して」


 在野の生徒たちはお互い顔を見合わせた。今すぐにでも怒りを爆発させたいところだが、イェリエルの言葉を無視することはできない。

 これ以上不満が募る前に、イェリエルは素早く簡孫糜トリオの前に歩み寄った。彼女らの前に立ったイェリエルは猫耳帽をそっと押さえた。


「噂に名高い簡孫糜トリオじゃない? パーティーに参加しに来たの? じゃあ座れば? 私たち在野はどっかの誰かさんとは違って、絹のような心の持ち主だから、お望みなら座る場所くらい作って差し上げるわよ」

「イェリエル・乃愛……!」


 玲火はこの騒動の主犯が誰なのかを知りギリギリと歯を噛んだ。


「一体どういうつもり?」

「いつものことよ。私たちを誰だと思っているの? ござを敷いて遊ぶ一派、略してござ一派。ござを敷けそうな場所さえあれば、そこは私たちの舞台、私たちの遊び場よ。ちょうど広い場所があったからござを敷いただけ。何か問題でも?」


 平然な顔で言うイェリエルの態度に玲火は怒りを隠せないでいる。前に乗り出そうとした彼女の袖を、萌乃が掴んだ。


「だめ」

「……ちっ」


 玲火は落ち着きを取り戻すため、深呼吸をした。やがて落ち着いたのか彼女は満面の嘲笑を浮かべた。


「問題でもですって? 本気で言ってるわけ? ここは私たち蜀の領域よ。魏や呉も使用料を払わないと入れない。あんたたち在野は立ち入り自体が禁止されてるのよ。た・ち・い・り・き・ん・し! 意味わかってる? ふん。まあそれが理解できる知能があったらこんなこともしでかさなかっただろうけど」

「そうね。本当に残念だけど、全く意味がわからないわ」


 イェリエルがそう簡単に認めるとは思わなかったのか、玲火は当惑した。そしてイェリエルはぱあっと華やかな笑みを見せた。正面からその笑みを見た玲火は、思わず顔を赤らめた。


「私が理解できるのは人間の言語だけよ。あなたの言葉なんてぜ〜んぜん、これ〜っぽっちも、理解できないわ」

「何!」


 挑発するつもりが、逆にやられてしまった。玲火の顔がたちまち怒りで歪んでいく。そんな玲火に向かってイェリエルは再び口を開いた。


「会話がしたいなら、少なくとも人間としての基本教養くらいは身につけて来なさい。いい? 人間の言葉っていう教養をね」


 口喧嘩では敵わない。イェリエルはいとも簡単に玲火を怒らせた。これ以上我慢ならないのか玲火は名牌カードを取り出した。そんな玲火を萌乃と暖蜜が引き止めた。


「興奮しちゃだめ」

「チンケな挑発よ~。名牌カードを使った瞬間、後ろのやつらがここぞとばかりにかかってくるわ」

「くうっ……!」


 イェリエルの後ろには在野の生徒が大勢いる。彼らは無言で静かに簡孫糜トリオを睨んでいる。静かだ。しかし心の中は怒りでグツグツと煮えたぎっている。まるで噴火寸前の火山のようだ。


「どうしたの? 前回みたいに私の動きを封じるつもりじゃなかったの? お好きにどうぞ。言葉が通じない人の最終手段はいつも暴力って決まってるのよね」

「このクソ……!」


 玲火はにっちもさっちもいかず、ワナワナと震えた。

 これ以上の会話は要らない。イェリエルは在野の生徒たちを見回しながら大げさに言った。


「さあ、みんな。パーティー続行よ。今日は蜀の江陵で開くパーティーよ。遠慮なく思いっきり遊びましょう」


 在野の生徒たちは、皆再び座り込んでパーティーを続けた。

 ガヤガヤと騒がしい。体育館が滅茶苦茶になった。その様子を簡孫糜トリオは悔しそうに睨んでいる。イェリエルは簡孫糜トリオを気にも留めず自分の場所へと戻っていった。


「やっぱりすげえな」

「イェリエルさん……」


 簡孫糜トリオを圧倒してしまった。そんなイェリエルを見てテカチュウは口笛を鳴らした。月夜はまるで恋に落ちた少女のように両手をあわせ目を輝かせた。


「どういたしまして」


 イェリエルは大したことないと言わんばかりに、手をひらひらして見せた。


「大魚を釣るために、雑魚は捨てないと」


 イェリエルが狙うはただ一人。

 簡孫糜トリオは悔しそうに在野の生徒たちを睨みつける。


「萌乃、あなたの名牌技を使いなさい!」

「……それはだめっ。在野だけじゃなく、蜀の生徒たちもいるもん」

「くっ……!」


 簡孫糜トリオがどうすることもできず地団駄を踏んでいる間、10分が過ぎた。


 ―――ざわざわ。


 外ではこれまでとは違った騒動が起きていた。

 遠くから始まったざわめきは徐々に体育館に近づいて来た。

 イェリエルは「目的」が近づいていることを感じた。体育館のドアの前に立っていた大勢の生徒が左右に別れて道を空けた。蜀の腕章をつけた大勢の女子生徒がその中を歩いてきた。彼女たちを見た他の所属の生徒らはかなり驚いているようだった。


「おい、あいつら」

「全員玉璽代理人じゃないか?」

「蜀の玉璽代理人がみんな集まってるわ」


 玉璽代理人。全員蜀の幹部である。そしてその先頭を率いるのは年頃の子たちに比べて背が一回り小さい少女だった。

 体育館の扉が開き、小さな少女が中に入ってきた。今までガヤガヤと騒いでいた在野の生徒たちが口を閉ざした。


(――――来た)


 小さな少女は威風堂々としていた。

 高校生なのに子どものような体型をしていたら普通は恥ずかしがるだろう。しかし、彼女には恥ずかしさなどない。むしろその体型を強調するかのような服装をしていた。大きなリボンで結んだツインテール、そしてフリルがたくさんついた改良制服は彼女のような小さな体型でなければ着こなせないファッションだ。

 彼女こそ、現在の蜀の頭領だ。

 三国の歴史で後世に蜀漢の領土となる益州地域を治めていた益州牧。

 劉璋季玉の玉璽代理人、その名は―――


「磨稟」


 在野の生徒たちが口を揃えて、「悪魔のようなチビ」と呼んでいる少女だった。


「簡孫糜」


 体育館に入ってきた磨稟は中を一瞥すると簡孫糜トリオを呼びつけた。簡孫糜トリオは急いで彼女のもとに駆けつける。


「ええと、あのさ。もしかして私の目がおかしいのかな? どうして蜀の体育館にあの在野のあほうどもがいるの?」

「そ、それは」


 玲火は答えることができなかった。


「な、なにか妙な手口でシステムを突破したんじゃないかと……」


 萌乃が玲火の代わりに急いで答えた。


「そ、そうなの〜。在野のやつらは、と、と~っても悪いやつらだから〜」


 暖蜜が慌てながらも、いつもながらに間延びした調子で付け加えた。

 答えを聞いた磨稟は子どものように天真爛漫な微笑みを見せた。


「そうか。そうなのね」


 磨稟の反応に玲火は安堵した。しかし磨稟の質問はまだ終らない。


「簡孫糜。あんたたち何分前からここにいたの?」

「え? た、多分10分くらい経ってるかな?」


 玲火がそう言うと萌乃と暖蜜が頷いた。


「そう。なるほど。10分ね」


 磨稟は玲火の手をさり気なく掴んだ。そして―――


「で、その10分間一体何をしてたらあんなクズどもがまだここで遊んでるわけ?」


 掴んだ手をそのまま引っ張りながら名牌技を発動させた。


【名牌技:地形=益州の壁】


「あっ!?」


 その瞬間、玲火は突然悲鳴を上げた。

 その場にいた生徒たちは一体何が起こったのかわからなかった。玲火が当然頭を仰け反らせてその場に崩れた。鼻の骨が折れたのかたらりと血が流れた。玲火は片手で鼻を押さえたまま、その場に座り込んだ。


「な、何、今の? 一体何が起きたわけ?」

「め、名牌技? 玲火がいきなり血を流して倒れた?」


 磨稟が名牌技を駆使したのは確かだ。しかしどんな能力なのか全く把握できなかった。

しかし磨稟は、玲火が倒れこむのを容赦しなかった。手で立ち上がらせると、何かに押されたように玲火が再び立ち上がった。


「で? 何してたの? 遊んでた? 10分も経ったのにあんなクズどもの一つも追い出せないわけ? うん? うん?」

「そ、それが」

「まだ喋っていいって言ってないわよ」


 磨稟は玲火の腕を引っ張った。すると、玲火は宙で一瞬止まり、大きな衝撃を受けたかのように激しく傾いた。


「まったく、本当に、気に、いらない」

「うっ! くっ、ああ!」


 磨稟は再び玲火をあっちこっちへと引っ張った。その度に玲火は悲鳴を上げ、床には血がポタポタと落ちる。その様子を見ながら体育館の生徒たちは恐怖に駆られた。

 正体不明の名牌技。しかも慈悲など微塵もない劉璋の玉璽代理人である磨稟の残酷さ。


 ―――恐ろしい。


 もう数回引っ張り回すと満足したのか、磨稟は玲火の手を離した。手を離した途端、玲火はその場で崩れ落ちた。ダメージが大きかったのか、立ち上がる気配もない。友だちが倒れたにもかかわらず、萌乃と暖蜜は不用意に動けず、磨稟の顔色を伺っていた。


「簡孫糜、後で執務室に来なさい。馬鹿は罰を受けなきゃね。今すぐにでも、死にそうな声で、劉璋様どうか一度だけ許して下さい~って哀願させてあげるわ。もちろん、私の足をあますところなく、キレイになめ尽くしながらね」


 萌乃と暖蜜は顔を赤らめて体を震わせた。

 磨稟の行動に在野の生徒たちは思わず唾を呑んだ。


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