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来やがれ!ダンジョン学園!!  作者: 志摩鯵
第5話『祈れ!苦しめ!朽ちて滅びろ!忘れられた月の秘密!!』
79/213

再編成




放課後。

十太郎は、《いど》に移動する。


冒険は、前回の終わりシャディザールで再開された。


「ねえ。

 CC(クラスチェンジ)した感じはどう?」


ルンルが朝田に訊いた。

朝田は、自分の身体を見渡す。


「ええ?

 う~ん……。

 特に今は、何も感じませんけど?」


「やっぱり?

 私は、《ゾンビ》から《コープスキング》になって、こう……。

 体の芯が熱くなる感じがあったんだけど?」


ルンルは、そう言って両手を握り締めた。

やはり彼女の場合は、他の職業クラスと事情が違うんだろう。


「須山さんたちの話だとCC(クラスチェンジ)するためにガレオン船でこっちに来てるって。」


十太郎がスマホを見ながら言った。

《窖》では、SNSや電話は通じないがこちらに来る前のメッセージは、確認できる。


「とりあえず4人では、厳しいからあと2人追加しよう。」


「そうだね。」


シャディザールだけでも転職神殿は、135ヶ所ある。

何万人もの冒険者が押し寄せるのだからそうもなるだろう。


普段は、現地民が他の神を崇める場となっている。

そのためここでは、行儀の悪い行いは、許されない。

即時、神官の配下である警護兵の御用となる。


十太郎が指定された場所に向かうと女子たちが待っていた。

皆、大きく手を振って十太郎を呼ぶ。


「十太郎ー!!」

「じゅーたるー!!」

「リーダー!!」



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

《!》Topics

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─────────────────────────────────────

戦士・騎士系

─────────────────────────────────────

牧野まきのルンル

クラス:『キングコープス』 Lv24


高坂こうさか天村あまむら

クラス:『ソードマスター』 Lv21


田尻たしり千奈ちな

クラス:『ビーストマスター』 Lv12


秋上あきがみ聖羅せいら

クラス:『ヴァルキリー』 Lv14


海田かいだ円香まどか

クラス:『フェニックスマスター』 Lv12


朝田あさだ美里ミリ

クラス:『ニンジャマスター』 Lv12

─────────────────────────────────────

重装系

─────────────────────────────────────

岸川きしかわ瀬奈せな

クラス:『カタフラクト』 Lv12


中村なかむらセシル

クラス:『アーマーガンナー』 Lv12

─────────────────────────────────────

海兵系

─────────────────────────────────────

須山すやま瑠偉るい

クラス:『パイレーツ』 Lv12


渡辺わたなべメエル

クラス:『パイレーツ』 Lv12


浜田はまだ莉理りり

クラス:『パイレーツ』 Lv12


井上いのうえ結乃ゆの

クラス:『ヴァイキング』 Lv12


清水しみず豊後守ぶんご

クラス:『セーラー』 Lv11


宇多田うただ夏鈴かりん

クラス:『セーラー』 Lv10

─────────────────────────────────────

銃兵・弓兵系

─────────────────────────────────────

(15)

クラス:『ホースアーチャー』 Lv12

─────────────────────────────────────

魔法・僧侶系

─────────────────────────────────────

西岡にしおか十太郎じゅうたろう

クラス:『ハイプリースト』 Lv17


小川おがわ恵梨香えりか

クラス:『ハイマージ』 Lv11


清武きよたけ愛瑠あいる

クラス:『ダークプリースト』 Lv11

─────────────────────────────────────

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



「これだけレベルが上がったってことは、大変だったね。

 襲撃がずっと続いたって聞いたけど。」


十太郎は、皆をねぎらった。

この場にいない者には、まだ後で声をかけることになるだろう。


「なーに。

 こっちは、任せて!!」


と瑠偉は、にっこり笑って拳を作った。


カトラスと銃が彼女の腰に吊るされている。

剣と銃を扱い、操船スキルを持つ戦士。

これが《パイレーツ》だ。


「で?

 ゲルガ宮殿の攻略に?

 まだまだ戦力が要るって?」


瑠偉は、そう言って十太郎に話を切り出す。

それを見ていた莉理が表情を曇らせた。


「不味いな……。」


瑠偉は、上の命令には、絶対に服従する。

かなり無茶があっても口答えしない。

彼女は、それで良いが周囲には、重い仕事が回ってくる。


もちろんそれに対して彼女も責任を果たす。

その場だけ良い顔をする訳ではない。

自分にも他人にも厳しい。


だが、それでもキツイものはキツイ。


「愛瑠さんと聖羅さん?

 ちょっとこっちに入って貰えるかな。」


十太郎がそう言うと二人が顔を出した。


「それに前回で死んで経験値に差がついた…。

 宇多田さんと清水さん。」


こちらも呼ばれた二人が気まずそうに前に出る。

この二人は、まだ《セーラー》のままだ。


「えうえう!?

 ちょっとじゅーたるーストップ、ストップ!!」


莉理が両手で×(バツ)を作った。


「こんなに引き抜かれたらこっちの戦力が落ちると思うんだけど!?」


「十太郎が要るって言うんだから。

 十太郎のいう通りに!」


瑠偉がそう言って莉理の尻っぺたを軽くはたいた。

でも十太郎は、困ったように苦笑いする。


「いや、そこも考えたよ。

 ルンルと天村は、そちらに合流して。」


十太郎がそう言って二人を瑠偉のグループに合流させる。


これで2つのグループの戦力のバランスを取る訳だ。

瑠偉のグループは、胸をなでおろした。


「須山さん。

 じゃあ、ジョーと協力して拠点を守ってね。」


「うん。」


「新しい《ディガー》と《ベアラー》に着いても考えるけど。

 ……ちょっと俺、今は、考え付かないかな。」


十太郎が本音の不安を吐露した。


入りたいという五月蠅さばえは、ウンザリするほど出てくる。

だがこれといった決め手もない。

あの中から有望で信頼できる人間を選ぶのは、難しそうだった。


「別に十太郎のやりたいように。」


瑠偉は、そう言って十太郎にキスした。

他の女子も一斉に群がってくる。


「あー!」

「ちょっとー!」

「こっちも!!」




意見とメンバーを交換するだけだったのに。

キスから始まって集団セクハラ、17Pの超大乱交になった。


「愛瑠さんッ!

 もも、もう回復しなくて良いからッ!!」


十太郎は、逃げるように女の子たちから離れる。

───天村は、こういう場に混ざらない。


「はあ、はあ、はあ…。

 須山さん、もう終わり!!

 終わりだから全員、出発!!」


十太郎が裸の女子たちに言った。

皆、まだ名残惜しそうにしている。


「良いじゃん。

 朝まで付き合ってよ。」


瑠偉は、そう言って十太郎に胸を押し付けて腕を絡める。

十太郎は、その腕を振り払って指で廊下の先を差した。


「んんん!!

 リーダー命令!!」


「じゃ、出発します。」


瑠偉は、残念そうに皆を連れてガレオン船に戻る。




船は、誰かにイタズラされないよう上空に隠れている。

雲の上は、空気も薄く人が乗っている状態で飛行できない。

あくまで船を敵から隠す時だけだ。


スマホの操作でガレオン船の高度を下げる。

瑠偉を先頭に皆、乗船してシャディザールを離れた。


「あーっ。

 馬鹿みたい。

 ダンジョンに行く前に疲れてどうするんだよ。」


十太郎は、そう言って頭を抱えた。


結局、探索に残ったメンバーは、そのまま干し肉食べて就寝する。

酷い1日目だった。






━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

《!》Topics

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

─────────────────────────────────────

西岡にしおか十太郎じゅうたろう

クラス:『ハイプリースト』 Lv17


秋上あきがみ聖羅せいら

クラス:『ヴァルキリー』 Lv14


朝田あさだ美里ミリ

クラス:『ニンジャマスター』 Lv12


清武きよたけ愛瑠あいる

クラス:『ダークプリースト』 Lv11


清水しみず豊後守ぶんご

クラス:『セーラー』 Lv11


宇多田うただ夏鈴かりん

クラス:『セーラー』 Lv10

─────────────────────────────────────

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



戦力調整もあったが新入りと慣れるためにメンバーを入れ替えた。

十太郎は、顔と名前を一致させる。


(えーっと………。

 あっちの背が高い子が秋上聖羅。

 確か……バレー部かバスケ部。


 背の低いピンク髪の子が愛瑠さん。


 《パイレーツ》の二人…。

 清水さんは、黒い髪でポニーテール。

 宇多田さんが金髪のツインテールっと。)


エッチまでしてるのに顔と名前を確認するほどまだ親しくない。


「じゃあ、出発しようか。」


「あッ。

 リーダー、お客さんです!」


朝田がそう言って宿屋のロビーに十太郎を引っ張って行く。

今回は、綾瀬だ。


「よお。」


「綾瀬君。」


綾瀬は、肩を揺らして苦笑いした。


「はっはっはっは…。

 まるでゾウの大群だぞ?」


「ゾウの?」


十太郎は、目を丸くした。

綾瀬は、咳払いする。


「補給に戻ったんだが、すぐにお前の居場所が分かったぞ。

 騒がしいからゾウの大群みたいにどこにいるかが分かる。」


「ええ?

 ああ、大人数で移動してるからかな。」


「まあ、人数もあるが…。

 あれだけ女の子。

 それも派手な巨乳ギャルばっかりゾロゾロしてたら、そら目立つぜ。」


綾瀬は、そう言って笑った。

十太郎も頭を掻いて苦笑いするしかない。


「ははは…。

 目立つつもりはなかったんだけどな。」


「なんであんなに女に手を出す?

 俺が………だから分からないのか?」


綾瀬が真面目に訊いた。

言葉に出さなかった部分は、”同性愛ホモ”だったのだろう。


「いくら普通の男が女好きでも限度があるだろう。」


「………俺は、異常だ。」


短く十太郎は、ゾッとする顔でそう言った。


それは、夜桜の顔ではなかった。

十太郎自身のもの。


十太郎の内にしみみついた孤独や悲しみ、捻じ曲がった愛情への渇望。

強烈な飢えが彼の内側から噴き上がった。


孤独。


飢餓状態の人間が止め処なく食べて、吐き、悶え、苦しむ。

そういった状態に似ていた。

本人にも欲望が抑制できないのだ。


その感情は、感受性に豊かな綾瀬にも伝わった。


「心配だよ。」


綾瀬は、それ以上、何も言う事が出来なかった。

彼の十太郎への感情は、納まる先がない。


「ありがとう。

 ………綾瀬君は、俺の親友だ。」


「止めろ、ボーイ。

 親友に親友なんていうもんじゃないぜ。」


そう言って綾瀬は、低く笑う。

それでも十太郎は、前言を取り下げなかった。


「いいや。

 口にして軽々しくなるのは、分かる。


 でも俺には、どれだけ他人に感情を吐き出しても足らないんだ。

 ずっと………ここに抑え込んで来た分が。」


思った以上に闇が深い。

そう綾瀬も十太郎自身も驚いた。


闇は、どれだけ凝視しても見えることはない。

どんな光を照らしても闇は、決して計ることができない。

ただそこにある。


「じゃあな。

 ところで、今ここで何してる?」


綾瀬が立ち去り際に訊ねた。


「ゲルガ宮殿って知ってる?

 あそこを探索してるんだ。」


「………ああ。」


話を聞いて綾瀬も思い出した。

岩戸がモンスターが出るので近寄らなかった街の中心にある旧市街だ。


「とにかく敵だけ多くて成果の無さそうな場所だったぞ。

 まあ、それは、西岡ボーイも知ってるだろうけど。」


当然だ。

同じ、岩戸クランだったのだから。


「うん。

 でも誰も完全に探索してないからね。

 何か、成果があるかも知れない。」


「そうか。

 お前は、仲間に別行動させてるからか。

 その間に他の活動も多面的に展開できるって訳だな。」


綾瀬は、そう言って感心したように頷いた。


「協力することは?」


「そっちの情報が欲しい。」


十太郎は、そう言って金貨の袋を出した。

何枚か金貨を出す。


もちろん二つのクランにとってこれは、形だけのモノだ。

だが何もやり取りしないのは、信が置けない。


「西岡ボーイたちが南を探索する間、俺は、北を目指した。

 やはり120kmぐらい北進するとノルドヘイムという土地に出た。」


丁度、東京から日光辺りの距離だ。


北方の丘(ノルドヘイム)…。

 割と分かり易い名前だね。」


「そうだな。

 いかにも雪ステージって感じのエリアだ。」


「砂漠地帯からたった120kmで雪か。

 ははは、ちょっと滅茶苦茶だね。」


十太郎が笑うと綾瀬も困った顔をする。


「オイオイ。

 嘘じゃないんだぜ。」


「いや、信じるけど。

 それでもこの世界は、現実とやっぱり違うんだなって。」


十太郎もそう言って立ち上がった。


「そろそろ俺もゲルガ宮殿に行く。

 まだ何も見つかってないけど。」


「じゃあ、お互いに上手くやろう。」


そう言って二人は、別れた。




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