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来やがれ!ダンジョン学園!!  作者: 志摩鯵
第4話『集まれ!紳士同盟!!』
48/213

合流




2日後。

岩戸たちが細川第19砦に現れた。

紳士同盟への返答として岩戸は、細川に面会する。


先に戻った綺羅羅は、十太郎たちに合流していた。

今、綾瀬たちと共に南方の探索に向かっている。


天龍寺、久我もそれぞれシャディザール周辺の探索に出た。


ジョーも綾瀬も、こんな会議ごっこに興味はない。

だから徳川や細川、十太郎に押し付けることにした。


「西岡君は、どうします?」


徳川が十太郎に訊いた。

もちろん岩戸と顔を合わせるのは、気まずいだろという話だ。


「いいや。

 これから一緒に戦う訳だし。」


十太郎は、そう答えた。

こうして彼は、細川、徳川と並んでテーブルに着く。


スマホで時間を確認していると岩戸が会議場に現れた。


「………僕の頭脳を借りたいと。」


岩戸は、平然とそう切り出した。

思わず徳川は、顔がにやける。


細川が丁寧な言葉遣いで応じる。


「はい。

 PKヘヴンを壊滅させるには、彼らの拠点を潰さなければなりません。

 蓄えた装備や資金を奪えば再配置リスポーンされても無力化できるはずです。」


「……既に目星が着いているんだ。」


岩戸は、そう言って地図情報を送って来る。


これまでPKヘヴンの襲撃があった場所から彼らの行動を分析。

拠点やその配置のおおまかな予想図を既に岩戸は、準備していた。


「あら。

 仕事が早いですこと。」


徳川は、目をしばたかせた。

しかし岩戸は、得意げになることもなく苛立っていた。


「オイオイ…。

 これまで誰も連中の襲撃を記録してないのか?

 これで良くも全面戦争なんて大騒ぎできたもんだな。」


実際、岩戸頼みなのは、細川をはじめ誰も否定しなかった。

彼が率いる岩戸クランは、まさに頭脳なのだ。


「じゃあ、地図情報は、譲った。

 俺たちは、戦闘には直接関与しないから。

 そのつもりで。」


そう言って岩戸は、退散しようとする。

すぐに細川クランのメンバーが引き留めた。


「待ってください。

 敵は、千人を超えるという情報です。

 岩戸クランの戦力を同盟に加えて下さい。」


「放してくれ!」


岩戸は、そう言って制止を振り解こうとする。

そこに十太郎が口を出した。


「欲しいのは何だ?」


岩戸がここまで来て帰ろうとするのは、引き留めて欲しいからだ。

その上でこちらが何かを差し出すことを期待している。

要するに強請ゆすりだ。


徳川は、呆れたように溜め息を吐く。

黙ったままの細川は、何か考えているようだ。


「………そうだな。」


岩戸は、テーブルの方に戻ってくる。

しかし席には、座ることなく一方的に捲し立てていた。


「まず俺は、こんな茶番には反対だった。

 だがお前たちの同盟が侮れないモノとなった今。

 反対の立場を取る事が危険だと判断した。


 俺がここに来た理由は、それだけだ。

 まったくお前たちの企てに共感する点は一つもない。


 次に───」


「よほど自分の能力を高く評価していますのね。」


徳川は、小さな声で呟いた。

まだ岩戸は、演説をぶっている。


「何しろ情報がまだまだ足りない。

 PKヘヴンの脅威を取り除くという目的を鑑みて、作戦は完璧でなければならない。

 お前たちは、俺の手足となってまず敵の情報収集に移れ。


 奴らの全てを水槽の魚でも覗くように掴んだ時だ。

 あらゆる場所でいつでも奴らの襲撃を事前に察知し、撃退する。

 そして奴らが逆に追われ、こちらが自由に攻撃できる立場になった時に。


 奴らも他の冒険者の妨害など、もう出来ないと思い知るだろう。

 それほど徹底的にこの戦いをやり抜く覚悟が。

 お前たちにはあるのか?」


どうやら彼の頭脳が必要だと呼び掛けられた事は、予想以上の効果を及ぼした。

岩戸の自尊心を思った以上に肥大化させたものらしい。


十太郎たちは、ほとほとウンザリした。


「まだ話し足りないのかしら。」


小声でそう言った徳川は、苦笑した。

十太郎も追従笑いする。


「ははは。

 よっぽど気分が良いんだろうね……。」


「具体的に何が要求なのですか?」


そう細川が切り出した。

心底、演説に付き合い切れなくなったらしい。


「敵のデータだよ。

 分かった?」


この男を引き込んだのは、失敗かも知れない。

3人は、自分たちの認識の甘さに直面した。




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