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来やがれ!ダンジョン学園!!  作者: 志摩鯵
第2話「くたばれ!ゾンビドラゴン!!」
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登校




「………どいてー。」


十太郎じゅうたろうが朝起きると義理の妹の足が顔の上に来ていた。


井嶋いしまあおい

継母が再婚した継父の連れ子だ。

つまり十太郎とまったく血は、繋がっていない。


義妹は、十太郎にべったりで、ある日、何と無くキスされてしまった。

その次は、何と無くキス以上のことまでするようになった。

そしてズルズルと関係が続いている。


「おはよう、十太郎兄さん。」


もぞもぞと起き出した義妹が180度回転して十太郎の方に顔を向けた。


「ったく、なんて寝相だよ。

 ……葵、自分の部屋に行って着替えな。」


「きゃっ。」


そう言って十太郎は、義妹の尻を押してドアの方に追いやった。

自分も制服に着替え、義妹を急かし、一緒に下の階に向かう。


「十太郎、おはよう。」


台所では、義姉がのんびりしていた。

大学生というのは、本当に暇な身分らしい。

本人曰く、それなりに忙しいらしいのだが。


彼女は、宮澤みやざわメイ。

継母の連れ子でやっぱり十太郎と血縁関係はない。

実母の死後に実父が再婚したので義妹より付き合いが長い。


やはりというか義姉とも肉体関係がある。

子供の頃からいたずらされ、いい玩具である。


「ねえ。

 学校、サボっちゃいなよ。

 どっか遊びに行きたいな。」


といって義姉が十太郎に肌を寄せる。

十太郎は、無視して朝食のパンをやっつけていた。


(おう、良いな。

 サボっちまおうぜッ!)


面白がって夜桜よるさくらが追従した。

十太郎は、溜め息をついて拒絶する。


(そんなのダメだって。)


(はあ?

 どうせおさらいだろ。)


夜桜が言いたいのは、授業内容が前回の繰り返しということだ。

新しく教わることがなく復習や補強をする。


(お前と義姉ねえさんを一緒に遊ばせたら何するか。

 分かったもんじゃない。)


「行ってきまーす。」


十太郎は、義姉から逃げるように家を出た。

義妹は、自転車で中学校に向かう。


十太郎の血の繋がった両親は、既に他界。

今の両親は、二人とも継親だ。


十太郎の実父は、継母と再婚してすぐに死んだ。

自殺だった。

理由は、分からない。


今の両親は、悪い人じゃない。

義姉、義妹ともに仲良くやっている。


しかし寂しいからか。

それとも恐ろしいからか。

義理の姉妹と関係を持ってしまったのは、自分だけが赤の他人という孤独からだ。


実際、考えると捕えようのない恐怖が頭から離れない。

自分だけが全く血縁のない子供で両親は、何と思っているのだろう。

十太郎は、自分がどことも接していない宙に浮いた存在だと感じていた。




「おはよう!」


駅で葉月に挨拶される。


瓶から噴き出す炭酸飲料みたいな溌溂はつらつとした元気だ。

その愛らしさも合わさって誰もが彼女に目を奪われる。


「お、おはよう。」


十太郎は、吸い寄せられるように彼女の身体を見た。


バスト120cm、ヒップ120cm。

4つの暴力的な膨らみが男子高校生の好奇心をくすぐる。


特にバイクショーツ(スパッツ)肉肥ししぶとりした腿を印象的に飾る。

駅まで自転車で来ているらしい。

高まった彼女の体温を隣で感じる。


「夏は、平気?」


明らかに頬を赤くしながら十太郎が誤魔化す。

葉月の顔も赤い。


「平気、平気っ。

 慣れてるからね。」


二人は、そろって電車に乗り込む。


電車内で葉月は、べったりと十太郎に身体を寄せてくる。

正直言って十太郎は、男の物が辛い。


(うう…。

 葉月、こんなの…。)


あの純真な幼馴染がすっかり年頃の女の子になって。

すっかり雌豹みたいに自分を狙ってくる。


「それでさー。」


「うん、うん。」


十太郎は、葉月の話に適当に相槌を返す。


頭の中にあるのは、あの異世界のこと。

彼女は、あの金属の封筒を見つけたのだろうか?

もしそうなら危険な目に会っていないだろうか心配だ。


(でも、いきなり話しても信じて貰えないだろうな。)


金属の封筒を開き、あの異世界

───《スケロスのいど》に飛ばされて現地で10日間過ごした。


それが気が付くと元の教室に戻されていた。

時計を確認していないがきっとこっちは、1分も経っていないだろう。


まさに白昼夢のような不思議な体験だった。


しかし金貨や宝石は、確かに手許にあった。

あの体験は、確かにあったのだ。

どこか時間の流れも隔絶した別の異空間のような場所で。


(訊いてみたらどうだ?)


夜桜がかなりいい加減そうな口調で提案する。


(やだよ。

 急にあんな話しても信じて貰える訳ない。)


葉月のアピールを無視して十太郎は、鬱々とそんなことで悩んでいた。

豊満の上にも豊満なむねは、ずっと十太郎に押し付けられている。


「ねえ?

 ちゃんと聞いてる?」


葉月が底光りする目で十太郎を睨んだ。

流石に上の空だと怒らせたらしい。


「ごご、ごめん。

 ちょっと考えることがあって。」


それは、葉月に関係ない。

というよりむしろ葉月に関係ある話だ。

だが、打ち明ける気にならなかった。


「心の整理が着いたら話すよ。」


十太郎がそう答えると葉月は、途端に目を輝かせた。


「ええ、本当!?」


いったい何が彼女を喜ばせたのだろう。

少し十太郎も夜桜も怪訝に眉をひそめた。


「やっぱり覚えててくれた?

 もし再会できたら結婚するってっ!」


うわあ、怖い。

子供の頃の約束!


十太郎も流石の夜桜も凍り付いた。


「引っ越しする前に約束したよね。

 うん、もう覚えてくれてないなら私から話すね!

 これって運命の再会ってことで良いよねっ!?」


そう目を輝かせて葉月は、語るのだった。

だが十太郎にとって寝耳に水だ。


「マジ?」


思わず夜桜が苦笑いして訊ねる。


「じゃあ、付き合うだけで良いから!」


葉月は、そう言って十太郎の膝を叩いた。


「デートしよう!

 ね、ちょっとなんか言ってよっ!?」


目くるめく葉月のペースに十太郎は、頭がこんがらがって来た。


葉月は、美人だし男なら誰でも恋人に欲しい。

でもこっちが準備してない段階で告白を受けるのは、こんなに困るものなのか。


「じゃあ、土曜に遊ぼうか。」


ここで断り切れないのが十太郎だ。


「いいねっ!」


葉月が親指を立てて、ニカッと笑う。

軽そうなオレンジの短い髪と巨乳むねが揺れる。




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