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婚約と婿養子

久しぶりの投稿です……お待たせしました。楽しく読んでくださればと思っています。

(リュークリナって……確か……)

「陸路の交易が盛んな土地ではなかったかしら?」

「ええ、我が領地は他国との国境付近にあるのでキャラバンなど商人の出入りは多いと思います。」


(リュークリナの領主はもともと商人の一族が王に気に入られて領地をもらったのがはじまりと本に書いてあった。)



歴代の王の中には身分や年齢、職種を問わず様々な人間を臣下にして自国の国土を発展させたものがいるとの記述があった。リュークリナ領もその時にできたのもだと。




(だから、リュークリナ領では年貢を穀物ではなくお金で納めているとか……。それに、リュクリーナ領主は財務管理が得意で、なんでも歴代の領主に伝わる商業10箇条があるとかないとか……。)と私だと考えをめぐらせているとタルカは少し戸惑ったようなかおうをした。



(なんの顔?どうすればいいのかな?)と私が首を横にかしげると、タルカは少し苦笑いしながら「お嬢様から色々と質問があるかと少し緊張していたので……。」


(えっ!聞いていいの?)


「聞いていいの?」とくいぎみに聞くとタルカは軽く咳払いをしながら恥ずかしそうに話しだした。



「もともと、父上が設定した縁談が始まりだったのですが、学友のルーヘンシュタインも相手が決まったといっていたのでちょうどいいかと思いまして…。」




(なるほど……。見合いが出会いの場かぁ……。うん、ありきたり。)



この世界では基本的に男性があとを継ぐことになるので、男性の方がお相手が見つかりやすい。一方跡取りになりにくい女性は相手が見つかりにくい、貴族身分が低ければ低いほど相手探しが困難になってくるとお母様がいっていた。




(私の領地はそこそこだし……タルカの父上は領主の弟ということもあり、引く手あまたかと思ったのだけど…。)




「でも……なんでお見合い?学内での恋愛かとばかり……。」


「私は父のようにこの地に残り次期領主を支えていきたいと思っています。」とタルカは私の目をまっすぐ見ていった。



(なるほど……だからか。)



跡取りが女性しかいない領地の貴族は学園に入学したあと、婿養子として嫁いでくれる男性を探す。そのため、男性でも自分の故郷に残るという男性はあまり人気がない。だから、そのような男性は、はじめから条件が提示されているお見合いという手段を選ぶ、令嬢たちも次女や三女などの跡取り候補になれない人ばかりだと聞く。





(この世界では、学園のうちにほとんどの人が婚約をすると言うから……令嬢たちも婿養子にならないタルカは候補の中に入れない……というか入れられないんだ。短い学生期間に婚約者を探すなら、時間もかけてられないしね。)

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