帰還後
今日は、タルカの視点です。楽しんでくれたら嬉しいです。
帰還から1日後、俺はベットの中にいた。
(まさか、骨が折れているとは……。)
魔方陣での帰還後すぐに城の医務室へと連れていかれ、医師から1週間の絶対安静を告げられた。
「タルカ様ここに薬をおいておきますね。」
「ありがとうフーディ。」
フーディは俺の家に使えている使用人だ。
(この薬……骨の再生を促すって言ってたけど……苦いんだよな。)と俺は薬の入った小瓶を手にしながら中に入った赤い液体をながめていた。
(それより……今回の襲撃……他領の助けがあったからなんとかなったが……。)
やつらが俺たちの位置をなぜ把握できたかだ。
(やはり……宿からずっと見張られていたとか?あの規模なら夜通し見張りをたてることもできそうだが……)
「失礼します。タルカ様着替えを持ってまいりました。」
「ああ、そこにおいといてくれ……ってイレーヌ様何しているんですか?」
そこには使用人の服に身を包んだイレーヌがいた。
「お披露目の練習をしていたんだけど……少しあき…じゃなくてタルカのことが気になって……オルバーンにも許可をとったし。」
(今飽きたっていいかけたような……。)
「それで、ここにきた本当の理由は?」
「え?」
「あなたとは長い付き合いなのでわかります。わざわざロジエールを伴って来るのならそれなりの理由があるのでは?」
「なぜロジエールのことを?」
「廊下のかけで誰か人がいるのは分かりますし、襲撃があったことからもオルバーン様がロジエールに領内での護衛を任せたことぐらい想像できますから。」
「うっ……。それは………私のせいで色々あったし、お見舞いというか……。」
(素直じゃないな。)
「ありがとうございますイレーヌ。」とイレーヌの手を握り見舞いに来てくれたお礼を述べた。
「私こそ……タルカに守ってもらって……。」とイレーヌは目のはしに涙をためていたので、涙をぬぐいそっと頭を撫でた。