父との会話
「イレーヌ…元気か?大丈夫か?」とお父様はまるで一年ぶりの再開みたいなテンション話しかけてきた。
「はい、ロジエールのおかけでなんとか……。」
「そうか……よかった。」と目をウルウルさせて今にも泣きそうな勢いだ。
「アメロ様やこちらの領主のダラディエ様にもお世話になって……。」
「ああ、そうだった。緊急時の際に素早く行動できるように、事前にダラディエには連絡をしておいたのだが…うまくいったようだな。」
「ええ、アメロが機転を利かせて検問所にいた、衛兵たちをあらかじめ装備を持たせた状況で待機させていたので助かりました。」とロジエールは改めてアメロに謝意をのべた。
「そうか……色々と動いてくれてみたいで……ありがとう。本当にありがとう。」と父は深々とお辞儀をした。
「いえ、私も学園時代はロジエール様やフリーネ様にもお世話になりましたし……これぐらいは…。」とアメロは笑顔でそう言った。
「そうか、お姉さまとも君は学友だったのか。」
「ええ。」と懐かしむ二人の横でロジエールは少し寂しそうな顔をした。
(フリーネって誰だろう?)
「お父様フリーネ様とは?」
「フリーネ様はお母様のお姉さまで、私の義理の姉あたる人だ。」
「お母様が姉妹だなんて知らなかった。」
「お前が生まれる前になくなったからね。」と父は遠くを見るように目を細めてそう呟いた。
(この話はしてはいけなかったかな?)
寂しそうな顔を見せるロジエールやお父様の様子を見て私は話題を変えようと咳払いした。そして、「お父様……実は私ダラディエ様にお礼をまだ言えてなくて……できればお礼を言える機会をもうけてほしいのですが……。」とお父様の顔をまじまじとみた。
「そうだな……今回のことも正式にお礼を言うべきと思うし、ダラディエ様にお願いしよう。」というとアメロが「では、私からダラディエの方に謝意を述べたいむねを伝えましょうか?」
「いや、こちらから正式に部下を派遣し日程の調整などをしようかと考えています。」
「そうですか、ですぎた真似をいたしました。」
「いや、こちらこそきをつかわせてしまい申し訳ありません。」とお父様は真剣な顔でそういうと、私の方を向き、「もうすぐ検問所だが、気をつけて帰って来てほしい。ロジエールも頼んだぞ。」といって通信をきった。
「はい。」とロジエールは父に向けて胸に手を当てて忠誠を誓うポーズをした。