表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

89/105

他領の領主との会話

(えっ、水なんてだしてどうするの?)



そして、フェイスは「ラターナフォンテーヌ」ととなると、水が板状の鏡のようになり一人の男性を写し出した。



「だ、だれ?」

「あれが我が領主のダラディエ様です。」

ダラディエと呼ばれた領主は立派なひげを蓄えた屈強そうな男性で、私の父と違いどこか体育会系な臭いがした。




「どうしたアメロ?ロジエールに何かあったのか?」と向こうはかじりつくようにこちらを見ている。

こちらはこちらで、ダラディエの大きな声が水鏡の向こう側から聞こえ、私は思わず心のなかで(うるさい。)と思ってしまった。

「いえ、ダラディエ様。こちらは問題なく任務は遂行できました。ロジエール達も無事です。」

「では、どうした?」

「はい、実は……。」とアメロは今までの経緯をはなした。

「そうか、こちらは魔方陣を使うことはいいが……検問所の魔方陣を動かすほどの魔力はどうするのだ?」

「それは、こちらの兵士とロジエールの魔力でなんとか足りると考えています。」とアメロが説明するとダラディエは少し考え「そうか、あいつにはあの剣があるからな。」と納得したように頷いた。





「ダラディエ様、すみません。今回のこともきちんとお礼を言うべきとこをこのようなお願いまで。」とロジエールが水鏡に向かって話しかけた。

「おお、ロジエール。久しぶりだな!そんな敬語はいい、俺たちのなかだろ。それより今度一緒に……どうだ?」とダラディエは酒を飲むような仕草をした。

「すみません。あれ以来酒をたっているんです。今は任務中ですし。」とロジエールは申し訳なさそうに笑いながら頭を下げた。その時、アメロは空気を読めといわんばかりに咳払いをした。

「ああ……そうか、でもまた顔を見せてくれ。アメロ後のことはお前に任せるよろしく頼むな。」

「はい、お任せを。」と言ってアメロはフェイスに合図をして、水鏡の魔法を解除した。





「あの私もお礼と挨拶をした方がよかったのではないですか?」と私がアメロに尋ねるとアメロはにっこりと笑いながら「後日で大丈夫です。」と言った。

「ですが……。」(迷惑かけたのに……。)とそばにいたロジエールをみた。

「アメロは頭が切れるし、気配りもできるから今はアメロに任せよう。」とロジエールはアメロの方を向いた。

アメロは笑顔を崩さずに、「我が領主は、熱いというか情熱的というか……なので正式なお礼の挨拶のときにでも……。」と言った。



(うん。なんとなく言いたいことはわかったよ。)

あつを感じた私はロジエールとアメロに従うことにした。




(長いものにはまかれろだしね!)




「承知しました。では、また後日と致します。」

「ありがとうございます。では、我が領主にもそのように伝えます。」

「アメロすまないな。頼む!」

「ロジエールには学生のときお世話になりましたから、これぐらいは。」とアメロはロジエールに向かって頭を軽く下げた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ