事後処理
「俺たちを捕まえて終わりと思ったら大間違いだぞ、まだまだ終わらねぇ!」とリーダーかくの男はニタニタと笑いながら私たちのことをみていた。
「どう言うことだ?まだ、なにかあるのか?」
「おっと、それはいえねぇ。ああ、いえねぇな……あの方との約束なんだ。」と先ほど私の腕をつかんだ男はニヤニヤしながら言ったとき、リーダーかくの男は「ゴズ、余計なことを言うな。」と怒鳴った。
「すんません。」それ以後、男達は口を閉ざした。
(襲撃計画はまだ続いている?)
「あの、何かあるの?」
「わかりませんが、とりあえず検問所までは我々がついているのでご安心を!」とアメロはにっこりと微笑んだ。
(まさに、助けに来た白馬の王子様ってこんな感じ?)
「こいつらはどうする?」
「こいつらは、俺の領主に頼み処分することもできるが……。」
「うちの領地に持ち帰る。情報を聞き出すのにもそっちの方がいいだろ。」
(確かに……でもこの人数を運ぶってどうやって?)
ざっと見ただけでも、20人ほどいそうな感じだ。とても馬車で運べる人数ではない。
「検問所の魔方陣だけ使わしてくれ。オルバーン様には俺が報告するから。」
「それはいいが……あちらも準備が必要だろ?」
「ああ、だからこれさ。」とロジエールは以前も使ったコンパクトミラーを取り出した。
「それって、以前私がお父様との連絡に使った……。」
「ああ、緊急事態ですから、軽傷ですがあちらで治療を受けている御者やアルセーラのことも報告したいし。」とロジエールはちらっと近衛隊の人に治療してもらっているアルセーラたちをみた。
「わかった。では、我々も領主に報告と魔方陣使用の許可をとろう。おい、フェイス。」とアメロは近くにいた少年に声をかけた。
「はい、なんでしょうか?」
「領主様と連絡を取りたい、すまないが水鏡の魔法を使えないか?」
「わかりました。」といいながら杖を取り出し、フェイスは「ラークア」と唱えた。すると、大人の拳大くらいの大きさの水がでできた。