夢の中で
そのあと、わたしは力なくその場に倒れこみ気を失った。うすれゆく意識の中で、御者がロジエールに近づき、必死に声をかけながら治療している姿が写った。
「ロジエール……。」
そこからの記憶はなく、気がつくとわたしは夢の中で女の人と話していた。以前も話したことがある人で相変わらず顔はもやがかかってよく見えなかった。
「それでね、ロジエールの姿を見て胸が苦しくなって……。」と今までのいきさつを話すと女性は「そう。」とポツリと呟いた。その声は、泣くの我慢しているかのように少し震えていた。
「それから?」
「それから、悲しみや怒りといった気持ちの高まりとともに、エネルギーのようなものが混み上がってきて、わたしはその熱のようなエネルギーの塊をを外に放出するように叫んだのやめて!って。それから……気がついたらここにいて……。」
「そう……。それはおそらく魔力の暴走で盾の魔法が暴発したのかもしれないわね。」と女の人は考えこむようにいった。
「盾の魔法ってあの盾の魔法?」
「あなたの言っている盾がどれかは知らないけどたぶんそう。」
「え、じゃあわたしは呪文を唱えすに魔法をつかったの……私って以外と天才?」
「自画自賛しているとこ悪いけどあれは魔法じゃなくて魔力の塊よ。あなたの気持ちと連動していたから見方に当たらなかったものの、あたってたら怪我だけじゃすまなかったかもしれないのよ。」
「うそ!あれってそれほどのものなの?」
「ええ、あなたの魔力が豊富だからできたけど、あれほどの魔力を放出したら、魔力の少ない平民は簡単に意識を失うレベルよもしかしたら一生目が覚めないかも……上級貴族でも2、3日寝込むことなる代物よ。」
(私の魔力って……。)
「だからといって、そんなにポンポン打てるものじゃないし今のまま魔力の暴発をさせていたらいずれ周りの人間に危害がおよぶわよ。」
「そんなに……。」
(自分の力がそんなにもあったなんて……。)
「まぁ、訓練することで制御できたり、大切な人を守ることもできる力だから……要はあなたの使い方次第ってことね!」と女の人は励ますように私の頭を軽く撫でた。




