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襲撃前の話し合い

「どういうこと?」

「あと半日いけば領地の間にある検問所に差し掛かる。」

「それがどうしたの?」

「お嬢様、領地間の検問所は特に警備が厳しく厳重なことでも有名です。それに、検問所には各領地の兵士たちがいます。」

「俺はここの領地の騎士団長や領主とは顔馴染みだし、オルバーン様の許可をもらって緊急の際には騎士の出動を要請できるよう手紙を送った。」

「それで、相手の領主の許可はとれたのですか?」

「ああ、何かあれば緊急信号を送ってくれとのことだ。」






(ロジエールがそんなに動いていたなんて……すごい。)





「それもあってピトーネにこのルートを通ってもらうよう頼んだんだ。」

「ですが……もし今ここで前で戦闘となれば……相手が襲って来ないとも限りませんし……。」

「ああ、その可能性もある。相手がどれぐらいの規模かわからないしな。」

「その場合はどうするのですか?」

「その場合は、お嬢様を魔方陣で強制転移させる。膨大な魔力消費があるが致し方ない。だから、今はできるだけ相手に気取られず、距離を稼ぐことが重要だ。」

「わかりました。」



(できるだけ戦闘になったら素早く障壁が出せるようにしておかなきゃ。)と私は自分の手にぎゅっと力を込めた。その時、ロジエールが声をかけた。



「お嬢様、これを……。」

「これは?」

「私が使っている転移魔方陣が描かれているペンダントです。これに魔力を込めていきたいところを想像すればその魔方陣がいきたい場所へと飛ばしてくれます。」

「これを今使う訳にはいかないの?」



(今ここで使えば皆を移動できるのに……。)



「これは一人しか使えないですし、それに動かすだけで相当な魔力を使用するので……もしもの時の緊急用でお願いします。」

「わかったわ。」




その後私達は無事に検問所の近くまでやって来た。

「あと少しで検問所……。」とホッと安堵した瞬間、馬車の動きがピタリと止まった。





(まさか……。)




「ロジエール。」

「ええ、お嬢様は私のそばを決して離れぬように。それと緊急時は……。」とペンダントを指差した。





(わかったわ。)と私は無言のままこくりとうなずいた。



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