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下町ーハマカの店、ラニーとの出会いー

ナラクじいさんとひとしきり話をして、私たちはナラクじいさんの家をあとにした。



「これで、あとは城に帰るだけだろう?」

「うんうん、薬師のハマカさんに薬を届けたこと報告にいかなきゃ!」

「後日でも、いいだろう?」

「ダメよ!きちんと報告しておかなきゃ!」と私たちは、ハマカさんが営む薬剤店に向かった。



ハマカさんの薬剤店は通りから一歩外れた奥にある小さなお店だ。薬師のハマカさんは、空色の髪がよく似合う素敵な女性だ。



「ハマカさん、こんにちは!あれ?」

「どうした?」

「ハマカさんがお店にいないの。奥にいるのかな?」

ハマカさんのお店は手前に店があり、奥に住居スペースがある。いわゆる自宅兼お店のような作りになっている。私たちは、店の外に出て、裏に周り自宅用のベルを鳴らした。



「はーい。どなた?」という声が奥から聞こえ、ガチャリと扉が開いた。

「ハマカさん、こんにちは!」

「こんにちは。お久しぶりです。」

「こんにちは、リディーちゃん。久しぶりね、タルカ君。今日はどうしたの?」

「ナラクじいさんのことで…」

「ナラクさんのこと?」

「薬の…」

「あ、そういえば薬を届けるようにお願いしていたはね。まあ、立ち話もなんだし中に入って。」

「いいんですか?」

「ええ、叔母が来てるけど…そういうの気にしない人だし。」

「じゃあ、お邪魔します。」といって私たちは中に入った。



ハマカさんの自宅は、前世で言うとこの独身者用の賃貸マンションににている。部屋の中央には机と4脚の椅子があり、そのうちの一つにすごく恰幅のいい女性が座っていた。



「ラニー叔母さん、こちら私の知り合いのリディーちゃんとお兄さんのタルカ君。」

「こんにちは。」

「こんにちは。」

「はい、こんにちは。私は、ハマカの叔母のラニー、よろしく。」



(すごく恰幅のいい人。前世の人気アニメの給食の叔母さんを思いだすな~お残しは許しませんでぇ~て言う人。)



「リディーちゃん。タルカ君もお茶を出すから座って!」といいハマカは来客用のカップを出しながらお茶の準備を始めた。

「あの、お気遣いなく。」とタルカが遠慮穿ちに言ったが、ハマカさんは「いいの。いいの。」と言ったので、私たちは席についた。



(うっ…気まずい…)

私が、椅子の近くいたのでラニーさんと向かい合って座ることになった。


(それにしても、ラニーさん女性のわりには手がごつごつしていて、私やハマカさんの手とぜんぜん違う。なにをしている人なんだろう?)

薬を扱うハマカの手は白く綺麗だが、ラニーの手はごつごつしていて爪のところが茶色く汚れていた。

(茶色ってことは、多分染め物じゃないし…茶色…土?)



以前、ナラクじいさんから手は人の職業を写し出すと聞いたことがあった。

(ラニーさんは、土をいじる仕事…だとすると限られてくる…女性は建築なんかやらないし…土といったら農家?)



「はい、リディーちゃん。タルカ君。薬草茶とお菓子をどうぞ。」

「ありがとうございます。」

「あっ、ありがとうございます。」(危ない…危ない考え事すると周りが見えなくなるのが私の悪い癖…)



「それで、今日はどうしたの?ナラクさんの件よね?」

「ええ、ナラクさんの腰はだいぶよくなってきていて…少し起き上がれるくらいにはなってきました。」

「そう、それじゃあもう少し湿布薬を減らしましょうか。」

「そうですね。経済的にも負担だと思うし…。」

「そうね、そうしましょう。」



「……ずいぶんしっかりしているお嬢さんだね!うちのとこの息子と大違い。」 

「ええ、リディーちゃんはナラクさんのところやナティーさんのところで色々と教えてもらっているから…そうだ、叔母さんあの事相談してみたら?」

「あの事?」

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