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イレーヌの弱点

「お嬢様、領地に帰還する日程が決まりました。」と朝食の最中にタルカ突然言われた。



「領地に帰還……いつですか?」

「ロジエールの話だと5日ほどあとになると。」

「えー、まだショッピングしてないし町をあまり見てない。」と私がほっぺを膨らませるとシャレアンテが「お嬢様は領地に帰ることに反対ですか?」と上目遣いで言ってきた。



(うっ、シャレアンテに言われると。)



「そう言う訳ではないんだけど………ほら少し町を見たいなぁって………。」と横目でタルカに助けてと合図をしたがタルカは知らぬ存ぜぬといった様子だ。

「僕自身もオルバーン様にイレーヌ様のことを頼まれている以上これから外に出られて何かあれば。」とシャレアンテはうつむいた。



(や、や、やりにくい。)




「わかったわ。」とため息まじりに言うと、シャレアンテの表情はパッと明るくなり、「ほんとですか?」と言った。

「ええ、本当よ。もうわがまま言わないわ。」

「やりましたね、タルカ兄さま。」

「ああ、やっぱりイレーヌの弱点はシャレアンテだな。」とタルカはニヤリと悪い笑みを浮かべた。



(まさか……。)



「あなた達、図ったわね。」

「タルカ兄さまこれはよくないことだったのですか?」

「いや、お前は素晴らしい働きをしてくれたよシャレアンテ。……お嬢様に文句を言わせず領地に帰還することを了承してもらえる人物はそうそういないからな。」とタルカはくしゃりとシャレアンテの頭を撫でた。




「しかし、良いことをしたとは思えません。」とシャレアンテの表情はまた曇っていく。

「なぜ?」

「だって………お嬢様が怒っています。」






(別にシャレアンテを攻めたい訳じゃないのに……。)

「シャレアンテ、私怒っていないわよ。ただ少しタルカの考え通りになるのが……ほんの少しだけ悔しくて。」

「そうなんですか?」

「ええ。」と微笑みながらシャレアンテの頭を撫でる。

「本当ですか?僕まだまだ仕事は完璧にできないけど………今後も頑張ります。」といいながら笑顔を見せた。






「ええ、頑張ってください。応援していますよ。」

「はい、ありがとございます。」とシャレアンテはニッコリと笑い食事用の部屋を出ていった。


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