多数決
前回の続きです。感想、レビュー、評価お待ちしてます。
しばらく話し合ったが、決着はつかなかった。
「あのお体でしっかりと魔力コントロールができると本当に思いますか?」
「だが、襲撃がありイレーヌ様にもしものことがあったら……。」
「道ならば新たに護衛計画を立てればいいではないですか!」
「ことはそんな簡単じゃない。」
「……あなたが考えたくないだけでは?」
ロジエール、アルセーラ双方がゆずらず声がだんだんと大きくなっていく。
(二人とも冷静さをかいている………どうすれば……。)
「あの………側近たち全員で決をとったらどうでしょう。」とロジエールの横に座っていた御者が口を開いた。
「決だと……?」
「はい、お二人とも熱くなっているご様子………冷静な判断をしなければうまくいくことも失敗してしまいます。」
「確かに、俺もこの人の意見に賛成だ。」
「タルカ、あなた……私に反対するのですか?」
「そうではありません母上………結論を出すためにも多数決は必要かと考えただけです。」というとアルセーラは静かに目を閉じて席に座った。
「では、よろしいですね。」と御者はポケットからなにかを取り出した。
「それは?」
「魔力紙です。これを6当分にして………この紙に魔力で結果を書いており、この箱にいれてください。」
「待って………何か細工されていないか確認していいかしら。」
「どうぞアルセーラ様。」と御者はアルセーラに魔力紙と箱を手渡した。
「魔力紙に書くのはいいが魔力の扱い方を習っていないシャレアンテには無理じゃないか?」
「では、5人にしましょう。その方が結果もつきやすいでしょうし………。お互いそれでよろしいですね?」
「ええ。」
「ああ。」と二人の同意がえられたあと、紙が全員に配られた。最初は、アルセーラとロジエール以外の全員が相手の答えを探りあうように顔をキョロキョロと動かしていた。
(おれは、体調のこともあるし……。)とアルセーラの意見に賛成する内容を紙に書いて紙をおった。
その後、御者が箱を持ちながらテーブルの周りを周り、紙を回収していく。
「では開票しましょう。」