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夢と現実

(ここは……?)



誰かが私に呼び掛けている。

「裏切りに気をつけて……。」

「あなたは?」

呼び掛けている人の顔は霧のようなものが立ち込めていて、見ることができない。



「裏切りって……誰が?」

「それは………言えない。」

「いつ………いつ裏切りがあるの?」

「………。」

「えっ?なんて?」

相手は必死にこちらに呼び掛けているが、耳鳴りのような音がして全く聞こえない。

「だから…。」

「えっ?」とこちらも必死に呼び掛けるがやはり聞こえない。相手の腕をつかもうと手を伸ばすと遠くからタルカの声が聞こえた。




「イレーヌ、イレーヌ………」

(タルカ……。)

「イレーヌ…大丈夫ですか?」

はっと気づき目を開けると私はベッドの上に寝ていた。

「ここは?」

「ここは王都にある領主用の屋敷です。」

(領主用の屋敷?………そういえば買い物に来ていたわね。)

「それにしてもすごいうなされていて……額に汗もかいていたので思わず起こしてしまったのですが………。」

「ちょっと嫌な夢を見て………。」

「嫌な夢?」




(でも夢の中の話だし、この話をしてみんなを不快にしたくない………。)



「夢は魔力によって引き起こされると聞いたことがあります。」

「魔力……?」

「ええ、魔力が強いほど夢の中では色々なことが起こり、その夢の情報が実際に具現化されたり、出来事として引き起こされたりした事例もあると聞いたことがあります。」



(襲撃の予言といっても過言ではない内容だった………だけど変なことを言って皆を動揺させてもいけないし……。それに具現化は一部の例なだけで………。)と私は自身を落ち着かせるために深呼吸した。

「それで………どのような夢だったのですか?」

「ごめん………忘れてしまったわ。」



(裏切り……もしタルカやロジエールがなんて……考えたくない。)

裏切りが現実に起こるなら、周りの側近を敵と認識しなければならない、それだけはどうしてもできない。

(忘れよう……あれはあくまで夢なのだから。)






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