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疲労と魔力

それからどれぐらい時間がたったのだろうか………。

魔法の練習と休憩を幾度となく繰り返す。

疲労も蓄積し呼吸も荒くなる。


(………魔法の操作はなんとかできるようになった……。でも……。)



やはりどうしても盾の一部に穴ができてしまう。

(タルカはうまくできていたのに……。)



「ねぇ………コツってあるの?」

「薄く魔力を広げるイメージです。」

「魔力を……広げる?」

「僕は、ハマカさんからこの魔法を教えてもらいました。僕自身も同じようにうまくできなくて……その時にこのアドバイスをもらいました。」



(魔力を広げる……。)



「盾の魔法は防御という観点から厚くした方がいいだろうと考える人もいますが、魔力の層が厚いほど所々に穴ができやすくなってしまうのです。そのため対象物を守るシールドのイメージではなく、薄い幕のように魔力を身に纏うようなイメージを持つことが大切だと……。」

「……なるほど。」





私は厚ければ厚いほど盾の強度が保たれ、より強固になると思っていた。そのため、自身の周りに作る水の魔法をどのようにしたら厚くできるかばかりに集中していた。だけど、それだとタルカの言うように所々穴ができやすくなってしまい、最終的には魔力のバランスが崩れ、どうしても盾の魔法を保つことが困難になってくる。




(身に纏うか………やってみよう。)





先ほどから、ひどい肩凝りと耳鳴りがしている。

体の状態からして、かなり疲労を蓄積しているに違いないし、試すことができても数回が限度だろう。





私は魔力を水に変換し、薄く広げるイメージをした。薄く広がった魔力は、均一に広がり私の周りを取り囲む。

(このイメージだと、魔力操作もしやすいし均一に広げているから魔力消費量も先ほどより少ない……。)





だが、そんな簡単にはいかない先ほどより穴の数は明らかにへったが、まだイメージがはっきりしていていないのか数分で崩れてしまう。





(あと少しなのに……。)

そう思っているときに体がこけたように前方へと傾き、どすんとまるで棒でも倒したかのように倒れた。

「イレーヌ!!」タルカがあわてて駆け寄ってきた。

「タルカ……。」

(手が……足が……体に力が入らない。)

「限界です………今日は終わりましょう。」

「でも……。」と私は悔しくて眉間にシワを寄せたが、タルカはふるふると顔を横にふった。そして、自身の杖をだし、私に向かって「スリープ」と唱えた。

タルカが呪文を唱えたのと同時に、ひどい眠気に襲われ私は気を失うように眠りについた



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