練習場所
「えっ、ここでやるの?」
「いえ、この部屋ではさすがに………護衛する人達が使える訓練場があるのでそこで訓練しましょう。」
私はタルカに案内されるまま訓練場まで向かった。
部屋から玄関まで続く長い廊下を抜けて、階段をおり正面玄関まで向かった。そして、正面玄関をでて同じような建物が広がる道を抜け、領主の館から5~10分ぐらい歩いたところでタルカの足が止まった。
「こちらです。」
「うわー」(すごい。)
「ここは、どのような状況でも対応できるように、屋内の訓練施設と屋外の訓練施設に分けられています。」
訓練場は大きな石づくりの建物と外のスペースに別れており、外側のスペースは大がかりなさくでおおわれて、まるで小さな競技のような外見だ。一方、屋内は大きな石づくりの建物で、まるで機械で正確に図ったかのようにピッチリと同じ大きさの石が並んでいた。また、中央には、磨きあげられた大きな石でできた扉があり、とても壮麗だった。
(すごい!!)
「普段護衛をする達は、ここで練習を行っています。」
「こんなところで練習できるなんて……。」
「ここはドア以外は魔力を通さない石でつくられています。そのため、魔力が強い人間でも安心して訓練できます。それぞれ各領地にこのような施設があるそうです。」
(へぇ~、こんな大きい建物を各領地に……維持費大変そう!)
「ねぇ、一個疑問なんだけど………中央にも騎士団があるのに、なぜ地方の領主達は騎士を養成するのかしら?」
「それは、不足の事態に対応するためです。それに中央騎士団の警護対象はあくまでも王族なので………。」
タルカと私は喋りながら、屋内につながるドアの前につれっていった。
石のような素材で作られた大きな扉は入るものを寄せ付けない雰囲気である。
「どうやって開けるの?」
「当然魔法です。」とタルカは中央にある大きなドアのノブに手をかけた。
すると、ドアの方から「汝主を守護するものよ。」と男性の声が聞こえた。
「!?これは………?」
「これは解除用の魔法です。」というと、タルカはドアの声に答えるかのように、「そのことわりをしめさん。」と答えた。すると目がくらむようなまぶしい光がおこり、私はその眩しさに一瞬目をつむった。
「な、なにが起こったの?」
「もう目をあけていいですよ。」とタルカに言われれ私は恐る恐る目をあけた。
「えっ、えー!扉が……開いてる。」
そこには大きな石の扉を片手で軽々と動かすタルカの姿のがあったのだ。