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ツインズ

「それでは、これですべての用事が終わりましたね。」

「そうね。」といって渡は席を立った。

「次は魔導印のお店であるワイルズ商会へと向かいます。」





私はタルカの後に続いて店を出た。どうやらワイルズ商会へは徒歩で行くらしい。杖の店の前に止められていた馬車はどこかに移動していた。






「魔導印のお店はここからどれくらいかかるの?」

「………そこにある反対側のお店です。」とタルカはその店を指差した。その店は道を隔てた反対側にあり、店はドアの色以外は杖の店と同じような外見をしていた。




「そっくりなお店ね……何で?」




他にもガラス張りのお店はたくさんあるが、窓の大きさや店の屋根、扉の作りなどここまで同じようなものはどこにもなかった。





「中に入ればわかります。」とタルカがそっと耳打ちしてくれたので、私はドキドキしながら店へと入った。




「いらっしゃいませ。」

「えっと……リヒトさん?」

そこには、リヒトと瓜二つの男性が立っていた。

「もうすでに兄に会われたのですか?」

「ええ、サミュエルさん………こちらの警備の都合などで順番が逆になり申し訳ありません。」とタルカが謝罪すると、その男性は「いえ、こちらはかまいません。」とにこりと笑った。






「え………もしかして。」

「はい、リヒトの双子の弟のサミュエルと申します。以後お見知りおきください。」とサミュエルはゆっくりと頭を下げた。

「やっぱり!……はっ失礼しました。イレーヌと申します。」

私は、挨拶をしたあとサミュエルに促されて接客用の椅子に座った。





「今日は、どのようなご用件で?」

「イレーヌ様の魔導印を探しに………。」

「左様でございますか。魔力測定はお済みですか?」

「ええ、先ほどリヒトさんのお店で済ませました。」

「こちらが数値です。」



先ほどの数値をタルカがメモをしてくれていたみたいで、数値が書かれた紙をサミュエルに渡した。

「なるほど……これぐらいの魔力量なら……。」とサミュエルは後ろの棚からピンクの四角い鉱石を取り出した。




(なんか見たことある……そうだ……岩塩だ。)

その石はピンクを基調として、中に所々白色が入っているまるで前世のピンクソルトのような見た目だった。




「この石は、ポトシ鉱山から取れる鉱石で魔力量に関係なく誰でも扱えるという特徴があります。」

「杖だけじゃなくて、魔導印にも魔力量が関係してるの?」

「ええ、もろい魔性石は強い魔力を流すと割れてしまうので強い魔力にも耐えられるものを選ぶ必要があります。」



(そういえば……。)

「お父様は朱肉を使ってなかったような………。」

「朱肉とは?」

「インクのことです。」

「魔導印にインクはいりません。魔導印は人間の血で契約を行います。」

「えっ……血?」

「はい、少量の血で魔性石を染めて、魔力を流すことで魔性石に吸わせた血を増加させて契約を行います。」




(えっと………つまり石に少量の血を吸わせて、吸わせた血を魔力で増やして書類などを契約するときに印鑑のインクとして使うのね………なるほど………。)

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