表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

61/105

リヒトvsネッケル

「これで、杖の契約は完了です。」とタルカが私に声をかけた。

「わかったわ、でももう一軒よるところがあるって……。」

「はい……そのことなんですが……。」と話をしているとリヒトが申し訳なさそうに声をかけてきた。




「あの……一緒にこちらはどうでしょうか?」とピンクの細長い袋をだした。細長い袋には腰からぶら下げられるようにだろうか、ベルトのような金具がついている。

「あの…これは?」

「杖ホルダーです。杖をずっと手にもって移動するわけにはいかないので、杖をしまえるようこのような袋に入れておくのです。」

(つまり……PC用のバックみたいなものかな?)





リヒトは仏のような顔をしていて、以外と商人の側面があるんだなと私は感心した。

「これはおいくらですか?」

「これぐらいです。」とリヒトは値段の書かれた紙をだした。




(200シリング……2000円ぐらいかぁ……そこそこの値段だな……。)と私が買うかどうかを確かめるため財務管理をしている担当者のネッケルを見た。彼は少し考えたあと、リヒトさんに話しかけて交渉を始めた。




「このタイプの商品で200シリングは少し高すぎませんか?せめて、100シリングくらいかと思いますが。」

「ふふふ、ご冗談を。」とリヒトは軽く笑ったが顔はまったく笑っていなかった、




(リヒトさんのしゃべり方が丁寧なのがまたこわい……。)




「いえいえ、そんな冗談を言うわけないじゃないですか………100シリングでしか買わないですよ。」とネッケルも笑顔で応戦した。もうすでに二人の間には、値段交渉という名の戦いが始まっているのだ。



「こちらは、領民の納めた税を使うのです。できるだけ費用を押さえなければなりません。」

「何をおっしゃいます。オルバーン様のような広大な領地をお持ちの方が……。」

「領主にもできるだけ費用を押さえるようにともうしつかっておりますゆえ。」

「こちらも不景気で大変なのです。」と二人はどちらも譲らなかった。





「杖ホルダーって本当に必要なの?」と私はタルカに質問した。

「ええ、ですがリヒトさんは適正価格の範囲内ですよ。」

「そうなの?」

「はい、しかし元商人のネッケルさんも商人の血が騒ぐのでしょうか………ここまで長引くことはあまりないかたなのに……。」

そんな話をしていた頃、二人の勝負に決着がついた。

「どっちが交渉で勝ったの?」

「向こうです。」とネッケルはショボくれながらボソッと呟いた。





ネッケルとリヒトの勝負は経験豊富なリヒトの方に軍配が上がったようだ。ネッケルはぶつぶつと文句をいいながら契約書にサインと魔導印を押した。

ついに、商人どうしのバトルがスタートですね。今回はリヒトに軍配が上がったようです。次回はどうなるのか注目ですね。

感想、レビュー、評価をお願いします。他の作品もあるのでよかったらのぞいてください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ