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下町ーナティーの店ー

ナティーの店は大勢の人が行き交う大通りにある。私は、タルカの手を引きながら下町を駆け抜ける。



(城でもこんなに自由なら…)と思いながら、人混みをかき分けナティーの営む商店についた。

「ここか?」

「うん、大きいでしょ!」



ナティーの店は、大通りに面しているだけあって、大きなガラス窓が特徴的なきれいな建物だ。まるで、前世の旅番組で見たフランスのブティックを彷彿とさせるたたずまいである。



「ナティーさんこんにちは。」

「やぁ、リディーじゃないですか。また、会いに来てくれたんだね?」

「また…?」と後ろにいたタルカは静かにそういった。私はできるだけタルカの目を見ないようにして振り向き身ぶり手振りを交えながら言いわ…誤解を解くため訂正を始めた。



「うっ…。たまたま、偶然ちょっと用事があって…。」

「リディー、帰ったらに少しお話をしよう。」

(うっ…か…顔は笑顔なのに目が笑ってない…。)

私は、帰ったあとのタルカにお説教をされる光景を想像して頭が痛くなってきた。



「どうしたのですかリディー。顔色が悪いですよ。」

「大丈夫です。多分…。」



私達がそんな話をしていたら、ドアベルがなりお客さんが入ってきた。

「リディー、後で話しましょう。」とナティーさんはお客さんの対応を始めた。

私たちは、ナティーさんが接客をしている間、店の商品を見て回った。

「これは?」

「これは香油。」

「これは?」

「ミックススパイス!」

タルカは初めて見る品物が多いのか目をキラキラさせながら私に質問をしてくる。



(まるで、小さな子供みたい。)と私はクスっと笑う。



普段タルカは、年が上のこともありわたしを怒るとき以外は基本的にクールな性格だ。いつもと違うタルカの様子にほほえましい気持ちになっていると、商談を終えたナティーさんが話しかけてきた。



「リディー、今日はどのような用事で?」

「今日は、ナティーさんに借りた本を返しに来たんだ。」

「本?…リディー…いつの間に本なんか読めるようになった?」

「ナラクじいさんが教えてくれたんだ。ナティーさんは色々な本を持っているから時々借りてるの。」

「リディーは、とても勉強熱心なので応援したくなるのですよ。」

「ふふん。」



私は自慢げにタルカの顔を見た。タルカは、ビックリした表情で私を見ている。

「俺だって王都の学校に通うまで基本の文字しか知らなかったのに…」とタルカは少ししょげたような顔をする。

「タルカ君は王都の学校に通っているんですか?」

「ええ、タルカは文官科と従者科に在籍していて優秀なんですよ!」と私は自慢げに語った。



「そうなんですか、しかし、王都の学校に通っているならなぜ今ここに?講義はないのですか?」

「講義は4月から再開されます。今のような時期はどの科も講義はお休みです。」

「そうなのですか。私の時とはずいぶんと日程が変わっていますね。」

「えっ、ナティーさんもあそこの卒業生?何科ですか?」

「商業科です。もっとも私の時は、平民はごく一部で、貴族中心でしたが…」

「そうなんですね。え、ナティーさんの時はマカルハ先生いました?」

「マカルハ…あ、あの独特なしゃべり方をする男性ですね?」

「はい、必ず語尾が上がるんです。皆さん、よく聞いてくださいねぇ⤴️って俺抗議で何回も笑いそうになって…。」

「確かに彼のしゃべり方は独特ですね。」

二人は楽しげに話して、私はかやのそとだ。



(たのしそー)


「そんな顔をするなリディー、お前も7歳になれば入学できる。」

(そう…そして、そこで出会うの攻略対象に…いきたくない!)





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