ランドリールーム
それから私はリディーにつられランドリールームへと移動した。
「えっと……どうやって使うのかしら?」
「洗剤はここにあるよ。それから、水はここのを使えって書いてある。」
「あなた文字が読めるの?」
「ええ、基礎文字程度なら……学園にいくために勉強をってはやく仕事をしないとシビアさんに怒られちゃう。」
「そうね…始めましょうか。」
私達はランドリールームにおかれていた大量の洗濯かごをふたりがかりで移動させ、そばにあったたらいに水をはった。
「こんな時に洗濯機があれば……。」
「うん?リディーなんかいった?」
「いいえ、ちゃっちゃと終わらせたいなって。」
「そうね…私もはやく終わらせたい。」
私は汚れを落とせるように服どうしを軽く擦りあわせて水気を切った。そこからひたすら水気を絞る作業だ。
(地元では、石や木のいたに叩きつけて水気を絞ってだけど……ここじゃできないわね。)
私はひたすら水気を絞り、リディーがその服を干しての繰り返しだ。
(こんなに洗ったことなかったから……大変……でも何でだろうふたりだからかしら…なんだか少し楽しい。)
私はいつも一人だった、両親が仕事で家にいないため小さな弟の世話は私がしていた。家事だって私がいつもやっていたのだ。
(いつも一人だったけど………ここでは違う。)
同い年のリディーがいるのだ。
「仕事は大変なのになんだか楽しそう。」とリディーがクスクスと笑った。
「楽しいよ……だって、友達と一緒にできるからね。」
「私も楽しい。」と私達は二人で笑いあった。
「ねぇ…………リディーは何でここに来たの?」
「えっ?」
「ほら、私は学園に入れなかったからって………リディーも同じような理由?」と聞くとリディーは一瞬下に目をふせて悲しそうな表情をした。
「……私は、気がついたらここだったとか言うか……まだやりたいこともあったし…………。」
「リディー……………。」
その時、コンコンとノックの音がして扉が開いた。
「あれ、あなた……プールスだったかしら何をしているの?」
「あっ、シビアさん。今頼まれた洗濯ものをしている最中です。」
「えっと……そんなお願いをしたかしら……ってあなたイレーヌ様をお見かけしなかったかしら……。」
シビアはキョロキョロと辺りを見回した。
(イレーヌ様……確か領主様の娘さんだ。)
「いえ、ここには私とリディーしか……。」
「リディー……?何を言っているのです。ここにそのような名前の使用人はいません。」
「えっ……でも確かに……」と私は横にいるリディーを見た。(うわ、すごい脂汗……小刻みに震えてるし……まさか。)
「お嬢様。ここで一体何をしているのです!?」
「ごごきげんよう…シビア。」
「……プールスあなたにはこの状況について後で説明を……イレーヌ様、奥様とアルセーラ様がお探しです。早急にレッスン室に行ってくださいませ。」
「は、はい。」と小さく返事をしてイレーヌは走ってレッスン室へと移動した。
シビアから説明を求められた私は「説明…お嬢様…何で使用人?」わけがわからずその場に立ち尽くしてしまった。
イレーヌに巻き込まれたプールス、初日から災難でしたね。次回で一応プールス働こう編(今考えました……少しダサいかな?)は終わります。そして、本編に戻りますのでもう一話お付き合いください。
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