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東の棟

「お母様…魔導バックってどこにありますか?」

「魔導バック?」

「魔法で要領の拡張をさせたバックのことではないでしょうか奥様。」

「ああ、あのバックならあすこかしら?」

「あすこ?」と母は一番左側にある棟をさした。




一番左側にある棟は一度探検と称して城を歩き方まわった時に入ったぐらいだ。

(ほとんど物置小屋みたいだったぐらいの印象なのよね…。)



「でも何に使うです?」

「お母様が旅行の準備をしなさいと…。」と私はため息をついた。

(あの棟暗くて狭いし…怖いのよね。)

「イレーヌ様私がとってきますので…。」とシャレアンテが申し訳なさそうな顔でこちらをみた。

「いいのです。シャレアンテ…あのバックはシャレアンテが持つには少し大きすぎますし。」




私達は朝食を済ませると、シャレアンテと一緒に棟へとむかった。

(東の棟は人通りも少ないし階段を何個も上らないといけないから……あまり人が寄り付かないのよね。)

「やっとついた。」

古ぼけた棟は埃ぽくてクモの巣も張っていた。

「シャレアンテ鍵を開けてもらえる?」

「はい。」とシャレアンテは私の前に出て鍵穴に鍵をさしてまわした。




「あれ?」

「どうかしたの?」

「すでに開いているんです。」

「本当に?」

「ええ。」

「では、使用人の誰かが開けたのね。」

(ここはほぼ物置だからとられて困るものもないし…。大丈夫でしょ!)と私は扉を開けた。




中は外と同じように埃ぽくて物が乱雑におかれていた。

「さて、バックはどこに?それにしても埃ぽい……。」

テーブルの上には埃の塊ができていた。

魔導バックはキャリーケースのようなサイズのバックで魔法で荷物がたくさんはいるように拡張されている。王都で買った学用品をいれるのにはうってつけだ。



「シャレアンテも探してくれないかしら。」

「はい。」

私達は二人で魔導バックを探した。

「これは…。」

「何?バックあったの?」

「いえ…これをみてください。」

「よくできた絵。」

(まるで前世の写真みたい。) 

「でもこれって。」

「奥様の若い頃ではないですか。」

「えっ、お母様の?」

(確かに面影が………小さくてかわいいかも。)

「ええ、髪の毛の色がそくっりです。」

「確かに、お母様にもこんな時期があったのね……じゃあ真ん中はロジエール?」

「ええ、腰に下げている剣が同じです。」

「ここは、タルカのお母様がいて…他にも何人かいるみたいだけど…知らない人も多いわね。」

「そうですね。僕も見たことがない人が多いです。」と二人で絵をみていると、下からアルセーラの声がした。





「イレーヌ様ここにいらっしゃったのですね…奥様がレッスン室でお待ちです。」

「えっ、でもバックを…。」

「大丈夫です、お嬢様。僕が探しておきますから。」とシャレアンテは胸を張ってそう答えた。

「……では小さな従者にお願いしましょう。」

「わかりました。」

「参りましょう。アルセーラ。」

私達は部屋を出て棟から本館へと続く階段を下っていった。



(ここの階段ちょっと急で長いのよね!)

「そう言えばお母様は…おっと!」

「……大丈夫ですか、お嬢様?」

「ええ、ここの階段が一段壊れてるわ。」

(金具が壊れている………登りは一段飛ばして登ってたから気がつかなかったわ。)

「ここの建物は古いので……普段は誰も来ませんし気をつけてください。」

「ええ、そうね。あちこちクモの巣や埃だらけだったから…気をつけないと。後で誰かに修理をお願いしないとね。」

「では、私の方から伝えておきますから。」

「本当に!?アルセーラありがとう。」

「いえ、これも仕事ですから。」

(やっぱり親子ね…普段着タルカがいってることと同じこといってる。)

思わず私はクスっと笑ってしまった。




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