学用品を買いに…。
「そろそろ学用品を揃えなければなりません。」
「がくふぉひんですか?」
「口に食べ物をいれながらしゃべるのをやめなさいイレーヌ。」
「ごふぇんなさい。」
「だから…」
「リディアそろそろ。」とお父様が話をするようにお母様を促すと、お母様は咳払いを師ながら話を続けた。
「うっ、うん、あのですねあなたはもう少ししたら王都の学校に通うのです。」
(そうだった…そこで王子にであって……。どうでもいい王子のことはすっかり忘れてた。)
私はの希望はあくまで領主となること、そのためにいち家臣としての付き合い以外必要ないのだ。
「なので…学用品を買わなければなりません。」
「なぜ王都なのですか…領地にもお店があるではないですか。」
「王都にしかないお店もあるため、王都で買わなければなりません。」
(学園も王都にあるし…当然ちゃあ当然か。まぁ…学園と王都の店の癒着を感じるが………。)
「………と言うことは王都に行くのですか?」
「ええ、もちろん。あくまで入学準備をしにですが……。」
「で、いついくのですか?」
「幸い、タルカがそろそろ休みを終えて学校に戻る時期だと聞いたので…タルカの移動に合わせようかと考えています。」
(そっか、タルカは長期休暇中だったけ……。)
「それまでに馬車で出かける準備を。」
「馬車で出かける準備っていつもタルカは転移魔法で荷物を運びますし…本人も簡易魔方陣で移動してるからそれで…。」
「イレーヌあなたは魔方陣がかけないでしょ?」
(そっか、学園にいっていないから魔方陣で移動できない。)
「だから馬車で移動するんです。」
(ということは…久しぶりの旅)
「旅行なんて、そんな優しいものではありませんよ。」
「でも…お母様、魔方陣を誰かに書いてもらって魔力を流すとかは?」
「そのような方法はとったことがありませんし、第一あなたはまだ魔力の扱いになれてないでしょ。」
母は「まったく」といいながら首を横にふった。
それからはさらに忙しくなった。レッスンをしながら、旅行の準備をしなくてはならないからである。
「えっと、午後が準備で午前がレッスン?逆だったかしら…。」
「お嬢様、午前がバイオリンのお稽古、昼食後にマナー講座、その後荷物の準備です。」
タルカも当然王都にいくための準備があるため、午前中はタルカのいとこのシャレアンテが従者としてついてくれている。
「シャレアンテ、あなたも大変よねその年で仕事なんて。」
「いえ、我が家は領主一族を支えるのが使命ですから。」
(キリッとしているけど…。)
幼さが残るその顔は私の従者というより、小さい子供が頑張って従者になろうとしていると言う言葉がぴったりである。
(精神年齢が20歳をこえているせいか親戚の小さい子ってのいう感覚なのよね。)
「いつもありがとうシャレアンテ。」とわたしはシャレアンテの頭をゆっくりと撫でた。
「いえ。」と少し嬉しそうに笑うシャレアンテの顔に思わずドッキとしてしまった。
(これが俗に言う萌えなのかしら……末恐ろしい子。)