見習いと職人
「ご、ごめんなさい。知り合いがここにいると思ったんだけど…。」
「なんだ客か。あたしはガラス職人のサライナだ。よろしく。」
「サライナねぇ!こっちは私の兄のタルカで私はリディーって言うのよろしく。」
「でどんなガラスがお好みかな?」
「えっと、液体を入れても漏れにくくてかわいいデザインのやつ!」
「かわいいのか…こんなのは?」
サライナが見せてくれたのは、香水の瓶のようなデザインでしたの方が丸く膨らんでおり、キャップのところにリボンがつけられていた。
(うわー、すてき!かわうぃーねって古いか。)
「あとはこんなのも人気だぞ。」
そこが四角くなっていて、キャップにつきのマークが描かれているものも見せてくれた。
「これもいいね。」
「そうだろ!ここは職人街一の腕前だからな!すべて俺が作ったんだ。」とサライナは自信たっぷりにそう言った。
「こらサライナ何をやっとるか。」
「げ親父…。」
「あら、リディーちゃんとタルカ君こんなところにいたの?」
「あっ、ハマカさん。」
「サライナがとんだ失礼を。こら、したぱのくせに。」
「職人さんじゃなくて?」
「とんでもない。こいつはまだ見習いです。」
「見習い?」
「ええ、このできでは商品を作る職人とは呼べません。こんなものをつくって満足していては…。」
(えっ、でも見習いって…さっき見せた品物は良くできていたけど。)
「この工房で誰よりも努力して、誰よりも練習しているその努力を認めてくれてもいいだろう。」とサライナは目のはしに涙をためてそう言った。
「だからお前はダメなんだ。シライナにもおよばない。」
「いつも、死んだ兄貴ばかり…もうこんな工房出てってやる。」といってサライナは工房を飛び出していってしまった。
私はサライナを追いかけた、タルカは私の行動を読んでいたのか私についてきた。
サライナは泣きながら職人街を出口の方へと向かっている。途中小さな噴水のある池へとさしかかるとサライナを見失ってしまった。
(どこ?ここまではわかったんだけど。)
キョロキョロと周りを見回しながらタルカと一緒に探すと、タルカから合図があった。
「リディーこっちにいる。」
「わかったわ。」
古いベンチに体育ずわりのような格好で腰を下ろしながら泣いているサライナを発見した。
「どうしたの……いきなり。」
「おれ、おれ、とうちゃんにみどめられようど頑張っでぎだんだ。なのに…。なのに…。」と泣きながらしゃべるサライナの頭を撫でながら優しく抱き締めた。
「お父様もわかっていると思うわ。あなたの頑張りを。」