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探索魔法

「いったい何があったんだ?」

「それは…」とわたしはいきさつを話した。

「…また厄介なことを…はぁー」

「ごっごごめんなさい…。でもほうっておけなくて…。」

「そんな、しょぼくれた顔をするな…。」とタルカは優しく私の頭を撫でた。そして、盗みをしようとした男の子の肩をぽんと叩いた。



「なんか、言うことはないか?」

「なんのこと…。」

「お礼ぐらい言えよ。」

「嫌だね。その子が勝手にやったんだ。」

「そうだとしても、ありがとうだろう?」

「お礼なんて…」と言ったとたんにタルカが男の子の頭を下に押し付けた。



「お礼を言うことは大切だぞ。」

(タルカ…すごい笑顔だけど目が笑っていない。)

「嫌だね。」と言いながら男の子のはタルカの足にけりを入れた。

「うわ」と言いながらタルカは姿勢を崩ししりもちをついた。

「バーカ」と言いながら去って行く男の子を見ながらわたしはタルカをおこした。




「大丈夫?」

「ええ、彼の足あたってませんから。」

「…どういうこと?」

「ああ、騎士団から習うんですよ回避術…知りませんでしたか?」

「ええ、そんな訓練があるなんて…知らなかったわ。それより…。」

「気になるんですね彼のこと…。」

「えっ、あ、はい?す、好きとかそう言うわけじゃ…。」

「はぁー、そう言う気になるではなくて…」

(…ですよね。)

「…相談なんだけど…。」

「…わかりました。調べますね。」

「えっ、なんでわかったの?」

「少し考えればわかります。」



(うわー、思考読まれてるよ…。)

「でも…探すなんてことできるの?」

「ええ、探索の魔法を使えば…でもその前にハマカさんに言わないと…。」とタルカはちらっと後ろをみた。



(ハマカさんが走ってる…ごごめんなさいハマカさん。)

「リディーちゃん突然走り出すからびっくりしたわ…どうしたの?」

「実は…」とわたしはいきさつを話した。

「そうだったのね。わかったわふたてに別れましょう。」というとハマカはポケットから杖と紙を取り出し「ステル」と唱えた。



(うわー、すごい地図になった。)

「ねぇ、タルカ…。」

「ああ、転写の呪文さ。ハマカさんの頭の中にあるものを転写したんだよ。」

「これでよし、この地図を使って、マークのあるところにいるから。」

「ありがとうございます。」

「じゃあ、またあとでね!」

「はい。」とわたしとタルカははハマカさんと別れた。



「それで、どうするの?」

「探索の魔法はいくつかありますが、俺が使えるのは初級のものです。」

「どういうやつ?」

「人探しの魔法。」

(へぇー、そんな魔法があるんだ。)

「この魔法は、魔力と杖の他に探している人との結び付きが大切になってくるんです。」

「結び付き?」

「ええ、例えば髪の毛とか血とかその人の一部ですね。」

「へぇー、でも髪の毛って持ってないよね。」

「…先ほど3本ほど失敬しました。」



(先ほどって…さっきの行動タルカらしくはないと思ったけど…。)

「本当は血とかの方がより結び付きが強く探しやすいのですが。」と言いながらタルカは杖を取り出した。

「ルアーシュルム」と呪文を唱えると髪の毛は急に緑色の光をまといながら、むくむくと動き出しあっという間にどこかに飛んで行ってしまった。



「こっちだそうです。」とタルカは髪の毛が飛んで言った方角に向けて走り出した。

「ちょっ、待ってよお~。」とわたしは先をいくタルカの背中を追いかけた。


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