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仕事と見合い

それからは、父の薦める令嬢と何人かあったが、皆同じことを言って去っていっていってしまった。



「私は、あなたにとって必要ない存在なのでしょう…。」

「そんなことは…。」

(なんで皆同じことを言うんだ?私は…。)



そんなお見合いが続き、父はこれで最後のお見合いだと言って日時がかかれた紙を渡してきた。

(これで最後のお見合い…なんか…複雑な気分だ。)

「場所は…我が家…昼食を食べながらかぁ…。」

私は、父が指定した日時に客人である令嬢を迎えた。



「ようこそお越しくださいました。タルカと申します。」

「お初にお目にかかります。キャピュレット家三女、アマーリアと申します。」



アマーリアは貴族の令嬢という言葉がピッタリの見た目だった。金色に輝く髪に薄いブルーの瞳、服も上質なキャラコでできたものをみにまとっていた。



「では、中にお入りください。」

俺は使用人に食事の支度をするように目配せをしながら、アマーリアを食堂へと案内した。

「本日は、簡単なランチを考えております。」

「それは、楽しみです。」

(笑顔が…イレーヌ様ににている。)



私たちは食事をとりながら、学園のことや領内のことなど色々な話をした。特に、アマーリアは他領の貴族令嬢と言うこともあり、違う点も多く話がはずんだ。



「そうでしたの。私の住むリュークリナには、そのような風習はありませんからここに来るときに見かけて少し驚きました。」

「そうなのですね。」

「ところで、タルカ様は学園を卒業されたらどうなさるおつもりで?」

「それは…」

(仕事の話をすると…また…。)



「父のあとを継ぎたいと考えています。今の主であるイレーヌ様にお仕えするつもりです。」

「そうなのですね!イレーヌ様とはどのようなお人なのですか?」

「それは…一言で言うと勇気のある人です。」

「勇気…?イレーヌ様は…女性ではなくて?」

「ええ、でも…」俺は、今までみてきたイレーヌのすべてを包み隠さずに話した。



(いつもこの話になると、相手はあきれていなくてなってしまう。まるで俺の気持ちを見透かしたような目をしながら。)

「タルカ様は、主人とその仕事を愛していらっしゃるのね。」(えっ、今までの反応と少しちが…)



「何かきにさわるようなことを言ってしまったかしら?」

「いえ、でも今まで方と反応が違って…。」

「それは、きっとイレーヌ様に嫉妬したのでは?」

「嫉妬ですか?」

「ええ、だってイレーヌ様のことを話すときだけタルカ様の表情が明るく朗らかに見えます。」

「そんなこと…。」

(俺は、イレーヌのことを…)

「私の父もそうですの、領主に拾っていただいた身だからと毎日遅くまで仕事をしていて…でも領主のことを話すときはいつも笑顔で…。」



(そう…俺は新しい道を作ろうとするイレーヌに憧れて。)


「私もそんな父が誇りで、父のような人と結婚をしたいと…。」そう言いながらアマーリアは静かに微笑んだ。

(っ…なんだこのいとおしい気持ちは…。イレーヌとは違うドキドキだ。)



「あ、あのアマーリ…」といいかけた時、コンコンとノックの音がした。

「失礼致します。アマーリア様お時間でこざいます。」

「ありがとう爺。」

「あっ、あの…次もお会いできますか。」

「ええ、ぜひ。」と彼女は微笑みながら帰りの馬車に乗った。



彼女の乗った馬車は蹄の音をたてながらどんどんと小さくなっていく。

(…またあの笑顔を…)俺は小さくなる馬車をずっとみていた。



「タルカ様、もうすぐお父上様がお帰りです。ご主人様から、今日の話を聞きたいので書斎で待つようにと伝言を承っておりますので、館の中にお入りください。」

「ああ、わかった。」



(次はいつ会えるだろうか?…見合いのあとこんなに気持ちがソワソワするのははじめてだ。父上に次の日取りを確認してもらおう。)とわたしはウキウキしながら父の書斎へと向かった。




今回は、お見合いの話を書きました。タルカの思いとアマーリアとの出会い…恋っていいですね。次の話からまた市場の話に戻ります。次回は少し投稿する日程が伸びます。楽しみにしてくださっている読者の方(がいると信じて…。)すみません。7月の終わり頃にアップ予定です。お楽しみ!

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