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お父様の執務室ー異国と契約書ー

カタフが到着するのを待っていたとき「領主様、お話をしたいのですがよろしいでしょうか?」とナラクが口を開いた。



「構わぬ。」

「本の件はわかりましたが、この老いぼれを呼び出したのはなぜでしょうか?」

「それは、そなたが先の本に使われている文字を読むことができると聞いたからかだ。」



(そう、誰から習ったか聞きたいと言うとことだろう…。)



「あの言葉は確か…幼い頃に教えていただいたと伺ったのですけど…。」

「ええ、私の故郷に冒険者がやって来たときに教えていただきました。」

「そなたの故郷とは?」

「ここから国境を越えた隣国のイズナーレにある辺境の村でございます。」



(確か…イダートの東隣にある国の名前だ…。ナラクじいさんはいわば外国人というわけか…。)



「イズナーレかぁ…我が領地とは関係がないからなぁ…」とお父様は考えこんだ。

(どのように言語を知ったか、そして、あの本がどこで書かれたか知ることができないと…。)

そんなことを話しているとカタフが本を持ってやって来た。



「こちらでございます。」

「助かる。ではキール、契約書を用意してくれ。」とお父様はキールに合図を送った

「こちらです。」とキールが文書のかかれた紙を持ってきた。

お父様は書面の内容を確認して、ナティーへと渡した。

「文書はこれでよいか?」

「はい」とナティーは静かに頷き、首もとから印鑑のような物を取り出した。



「では、確認印とサインを。」と言ってキールがペンを出すとすらすらとサインをして印をおした。そして、契約書に印が押されているのを確認してからキールがお父様に書類を渡す。

「キール、ペンを。」と言ってお父様がナティーと同じようにサインと印鑑を押した。その時、机にあった紙がいきなり動きだし、青白い光を放った。



(も…もえている?)私はその光景に思わず目を瞬かせる。

「そうか、お前は初めてだったな。」

「…?」

「これは、魔紙でな魔木からつくられる。そして、それをこの魔石から作られた印によって封をすることで契約が完了するというわけだ。」

「でも、燃え…。」



「これは、契約書を誰かに見られないようにする魔術がかけれていてな…契約書だけが燃えるようになっているんだよ。それに、新たな魔紙に、契約書に書かれている番号と契約者の血を1滴たらすと内容が浮かびあがる仕組みになっている。次期領主候補のお前もじきに必要になる作業だ。」



「そうなんですね。」

(知らなかった…。)

「旦那様、本日の内容は以上かと…。」

「そうだったな。今日は呼び出してすまなかった。」と言ってお父様はキールに客を送らせるよう指示をだした。

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