彼との話し合い
久しぶりの投稿です。楽しんで読んでもらえると嬉しいです。
「頼む。」
「分かったわ。すべて話してくれたようだし………………ロジエール、シビアに連絡してください。」
「じゃあ………………。」
「ええ、ソフィアの保護を約束しましょう。」
「姫様、まずはオルバーン様の許可を………………」
「ロジエール………………私は彼に約束したのです。何かあれば私を頼りなさいと………………それに、彼の過去を知った者として彼女を保護しなければなりません。」と言ったらロジエールは「やっぱりあいつみたいだ。」と言いながら部屋を出ていった。
「ありがとう。」と彼は嬉しそうに頭を下げた。
「………………彼女のことは………………名目上使用人として雇入れたいと思います………………。」
「なぁっ………………彼女を使用人として雇うというのか………………?」と彼は机を叩き睨みつけた。
「………………。」
(彼の言いたいことは分かるでも………………。)
「なんで?俺は……………。」
「あなたの言い分もわかります。ですが、彼女を客人として迎えれない理由がいくつかあるのです………………。」
(実際、彼女を客人で迎え入れるとすると、お母様たちに言い訳ができないし………現実的ではない。)
「お前のような身分なら………………。」
「これだけはどうしようもできません。わかってください。」と私は大きなため息をついた。
どこかのご令嬢だと嘘をつけばお母様のことだ、身なりやふるまいからすぐ分かるだろう。
「そもそも、客人として迎え入れた場合彼女はなぜ自分がと怪しみ調べようとするのではないですか?」
「くっ………………。」と彼は手にぐっと力を入れた。
「それに、彼女が働くことで使用人として衣食住は保証しますし、わずかですが給金も出せます………………。」
(実際に、お金がなければ何もできない。私は、自由に動かせるお金を持ち合わせていないし………………でも………………使用人なら家から給金が………………。)
「その給金をためて、騒動が静まったあと他の街に出ていくことも、商売をする事もできます。」といいながら私は、アレクセイの手を握り問いかけるように「実際、お金がすべてではありませんが、お金がなければ何もできません。あなたはそれを知っているのではないですか?」といった。
(彼らはそれを身をもて知っているから…………私の言っている意味がわかるはず………………。)
彼は少し考え込むと諦めたように「わかった………………彼女を連れてこよう。」と少し力なさげに答えた。
「それから…………彼女を匿うのは構いませんがあなたもここで働きなさい。」
「………………俺はいい。俺のことを哀れと思うのなら………………そっとしておいてほしい。」
「それは違います。」
(おそらく、彼女はここまでお世話をしてくれたアレクセイが消えたとなれば探そうとするはず………………。そんな中で強盗団に出会うのは最悪の事態になりかねない。)
「彼女のことを思うのならば、あなたはここにいるべきです。」とアレクセイと話している間に部屋の扉の向こうからノックする音と声が聞こえた。