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門の前で………。

(お母様に見つからないうちに、城へ戻らなければ………。)私はロジエールとともに急いで城へと戻った。城へと戻った私達は、城の前で衛兵が誰かと揉めている光景を目にした。



(なんか騒がしいわね…。うん?あれは……確か…。)




「だから、リディーという人に困ったら会いに来いと言われていたんだ。」

「身分の明かせぬものをこの城にいれることはできないし、リディーという人物はここにはいない。」

揉めていたのは、市場であったアレクセイだった。ボロボロ服を身にまとい、衛兵にすがるように立っていた。





「やっぱり、俺は騙されたんだ。あんな、子供が………。」とアレクセイはした向き涙を流した。





「ロジエール馬車を止めて。」

「どうされたのですか?」

「いいから。」私は門をすぎたところで馬車をとめたさせ、衛兵の方へと足をやった。

「お嬢様………まさか、危険です。」ロジエールは最初こそとめたが、私が首を横にふると彼は黙って腕を離した。



(あのときのよりさらにやせているわ………。)




「レインヘルト、彼を城の中に入れてあげて………。」

「お嬢様………。」

「私の客人ですから。」

「しかし……大変失礼ですが、このような身なり者……お嬢様のお客人とはとても…………。」と彼はとても驚いた。誰が見ても貧民街の住人だと人目でわかる身なりの少年と領主の娘だ。明らかに関わり合う身分でないことは誰でも予想できる。しかも、リディーは私が使う偽名だ。ボロボロの身なりで城に存在しない人物の名前をいう貧民街の少年を、衛兵が通さないのもわかる。



「お嬢様………?誰だお前………。」

「街の市場であったわね。」

「街の市場……お前あのときの。」

「ごめんなさい、事情があり身分を偽らないといけなかったの。」と私は謝罪をしたうえで、「………それより、あなたがこの城に来たということは………何かあったのね。」

彼は最初こそ戸惑いを隠せないといった評定だったが、私の問いかけに少しだけ黙り込み、そしてコクリと頷いた。

「そう……では、ここだと目立つので………私の部屋に参りましょうと。」といって彼と一緒に部屋へと向かった。

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