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あるゲーム作者の呟き

一応長編作品になる予定なので、楽しんで読んでくださると嬉しいです。最初に、冴えない男性サラリーマンが登場しましたが、主人公はうら若き乙女です。(注意:イケメンサラリーマンの転生ものではありません。)


こんにちは。俺は渡川満。30歳独身のイケメンサラリーマンだ。今は、theゲームっていう会社の社員をやっている。何でここでサラリーマンが出てくるんだとかこれは異世界ものでしょというツコミはとりあえず全文読んでからにしてくれ。俺が勤めるゲーム会社は規模で言うと中よりの小で、作れるゲームの種類もそんなに多くない。



(あのとき、一次面接でミスしなければ、大手に…)と思いながら働くこと8年俺は色々なゲームを作ってきた。例えば、美少女釣りゲーム「釣りに恋して」やギャグ狙いの鼻毛抜きゲーム「鼻血ブー」なんかだ。内容はまぁ…美少女が釣りをするだけのゲームや鼻毛を抜いて血が出たらアウトっていうゲームだ。



(美少女って釣りゲーだから手元しか映らないし、鼻血って)と提案した社長のセンスをどうしても疑いたくなる。そして、また半年前にも社長から呼び出しがあった。



「失礼します。渡川です。社長入ってもよろしいですか?」

「ああ、待っていたよ。入ってくれ。」

「いやー忙しい中悪いね…。」

(社長の相手…これも仕事ですから。)

「いえ。それで、ご用件とは?」

「渡川くん、最近は乙女ゲームって言うのがあるらしいじゃないか…。」

「はぁ…まぁそうすね。」

(ゲームの世界にいて乙女ゲーを知らなかったことにドン引き…)

「それでだ渡川くん…実はわが社もそろそろ乙女ゲームに参入しようと思っているんだ。その企画開発を君に任せたい。どうかな?」



(普通こう言う場合はビックプロジェクトっていうんだけど、この社長の場合…孫から聞いた情報を思い付きで製品にする…ってこともあるから…。それに…。)

「すいません。俺実は今作っているモンスターを討伐するゲームに力をいれたいんですよね。」

(もともと、ゲーム業界に入ったのもこれがきっかけだったし…。)

「うん、それは分かっているんだ。だから、那間君をそのチームにいれるから…頼むよ。」



(うっ…この人押しが強いって言うことで有名だし。下手するとうんと言うまで押してくるかも…。)

「わかりました。構成案は少し待ってもらいますがよろしいですか?」

「おお、やってくれるか!ありがとう期待しているよ。」

「では失礼します。」



それから俺は、簡単な作りのありきたりな学園恋愛ゲームの企画書を作り上司に提案した。すると上司から、「社長も君に無理強いしたと思った見たいで企画案を考えていただいたらしいんだ。これ…よろしく頼むよ。」といって渡された企画書は紙ぺら一枚という簡単なものだった。そこには、人生ゲーム×乙女ゲーという斬新な…そして人気がでな…あまり売れな…在庫が残りそうな企画が載っていた。



「嘘ですよね、これ?」

(あのじいさん、乙女ゲーを正月のパーティーゲームか何かと勘違いしてないか?)

「社長は本気のようだ。この案で頼むといわれて。」

「それはもうこの企画でいけと同じですよね?」

「私からは以上だ。」(あ、この人逃げた…ズルっ)



仕方がないから俺は折衷案という形で、学園乙女ゲームと人生ゲームを掛け合わせたゲーム「ラブライフ」を作成して売り出した。社長の肝煎りという言うこともあり予算もそこそこあったので、けっこう細部にまでこだわることができて自分的には満足できたと思うし。



(以外といいゲームになったな…社長の無茶ぶりもたまには…。)と思いながら「ラブライフ」を乙女ゲー好きの妹の美咲に渡した。



「なにこれ?」

「うちの新作ゲーム!お前好きだろ乙女ゲー。」

「うんまぁ…。」

「プレイして感想聞かせてくれよ。」

「…わかった…時間あるしいいよ。」といって俺は妹にソフトを渡した。




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