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一 出会い

参考・引用・元ネタ

彡(゜)(゜)「ワイはアドルフ・ヒトラー。将来の大芸術家や」(5ch)

アドルフ・ヒトラーの青春(三交社)

ボクはアウグスト・クビツェク

家具職人の息子だ


父「お疲れさん ほれ今月の給料だ」

ク「ありがとう」

父「またオペラを見に行くのか?」

ク「う うん」

父「そうか…まぁ余った時間で何をするかはお前の自由だ」


毎日、機械的に作業をする毎日

父さんはボクが跡を継げるように熱心に仕事を教えてくれる

でもボクの人生、こんなのでいいのかなぁ…

楽しみと言えば貰ったお金でオペラを見に行くこと

ま、小遣い程度だから立ち見しかできないんだけどね

あの柱の下が秘密の特等席なんだ

あれ?先客がいる

仕方ない、こっちの壁にもたれながら見るか

今日の演劇は『魔弾の射手』だ


♬♪♪♪


ああ~いい。いい! どんな疲れも癒される

本当に…芸術からは勇気を貰えるよ

あーでも柱が少し邪魔だなぁ

あいつがいなければもっとよく見えたのに

そういえば前もあいつに場所を取られたような…?


ボクはこのライバルを観察した

ひときわ青白く華奢な青年は目を輝かせて舞台に夢中になっている

いつもキチっとした身なりでどこか控え目

明らかにボクよりいいとこの家の子みたいだ


ブー

休憩だ…もう半分か、ずっとこの時間を楽しんでいたいのに

んーでも今日の公演は音楽と演出はいいんだけど……

「歌手が微妙やな」

ク「そうそう! 歌手が台無しにしてるよね」

この一言が〝きっかけ〟だった

一九〇四年の十一月一日。ボクと彼の付き合いが始まった


それからボクたちは公演の度に感想を交わすようになった

ボクは彼の飲み込みの早さに驚かされた

理解力の点では間違いなくボクより優れていた

でも、音楽のセンスではボクの方が優っているように思えた


ボクと彼の話題は舞台のことでいっぱいだった

彼とは恐ろしく意見があい、喜びを覚えた

でも、彼は自分のことを何一つ話さなかった

なのでボクも自分のことを話す理由がなかった


名無しの関係が続いてしばらく

いつもは劇場でさよならしていたのに

その日は違った。僕は彼と一緒に帰ることになった

別れ際、彼は名乗った

「ワイはアドルフ・ヒトラー」と


参考・引用・元ネタ

彡(゜)(゜)「ワイはアドルフ・ヒトラー。将来の大芸術家や」(5ch)

アドルフ・ヒトラーの青春(三交社)

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