表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

57/67

第51話 冒険者カード

 昨夜の漁り行為は諸々バレたけど、報告会も無事に済んだので安堵した。

 土の魔石の件はずっと黙っているのはしんどかったので伝えられて良かった。

 予想外の展開も多かったので、予定通りには進行しないものだと実感した。


「ふむ、それで君達はこれからどうするつもりかね?」

「うーん、取り敢えず仲間の名簿とかも気になるから食事も兼ねて冒険者ギルドに立ち寄るとは思うけど、その後は何か手頃なクエストとかあれば挑む感じかな……それとマルクスが発行してくれた特務クエストもあるからそれを受注するかも?」


「そうか、まあ特務クエストのダンジョンや討伐クエストに挑むつもりなら、その前にネム君の装備もちゃんと買ってあげるといい、それに君の頭装備も壊れたようだし、もし資金が足りなければ”銀行”で必要なぶんは卸せばいいよ」

「……銀行?」


「どうかしたかね?」

「いや、銀行ってなに?」


「ああそうか、記憶を失ったから勇者の任命の儀での事は忘れているんだったね」

「……む?」


 どうやらマルクスの話だと魔王討伐の軍資金としてある程度のゴルドを用意してくれていたらしい。しかし記憶喪失の影響で俺はその事を忘れてしまい、そのまま素寒貧の状態で冒険していたようだ。

 普通に考えたらここまで手厚い支援をしてくれた王国が、命を預ける武器や防具を揃えるのに必要なゴルドだけ用意していないのも少し違和感は感じていたが。


 そう言えば部屋でメアリーと会話していた時にも所持金の話題をした気がする。

 メアリーは銀行の事を知っていたから、後程マルクスに伝えると言ってたのか。


 と言う事は最初に再びお城に訪れた時に、この国の財務大臣に300ゴルドほど貰ったけど、あれは大臣からしたら資金を用意したにも関わらず、しつこく小遣いを催促された感じになるのか……そりゃ怪訝な表情にもなるよな。

 そうとは知らずに俺の方は何度もケチな大臣とか思って疑ってすらいたし。


 ピヨヒコは心の中で、ごめんなさい、と財務大臣のセバスに深く謝罪した。


「何にせよ装備の支度金が貰えるのは助かるよ、四苦八苦してたからな」

「ふむ、それで城内や城下町でも漁り行為を働いていた感じかな、てっきり盗賊の転職条件を満たす為の行動だと思っていたが」


 いや、だからわざわざ掘り返すなよ。アルマとネムの視線が痛いんだよ。


「それにしてもいくらお金が無かったとは言え、王国管理区の貴族の家にまで侵入して盗みを行ったのは不味かったね、被害届を出して訴えて来た者まで居たし」

「!? いや、ちょっと待ってくれ、何だその話!?」


「む、どうしたのかね?」


 何か変だぞ、俺が最初に例の少年に操られた時に漁ったのは”一般居住区”が中心だった筈だからその貴族とやらの窃盗事件は俺の犯行じゃないよな?

 それに家屋には侵入したけど、盗んだのは消耗品の薬草や食材が主だったから、それを道具屋で売って小銭は稼いだけど、ゴルドなどの金品は盗んではいない。


 あ、いや、お城を探索した時に500ゴルド見つけてそれは黙って拝借したけど。


 それと確かに北区の王国管理区には足は運んだけど、区画間を仕切る城壁の関所で門番に止められたから、そもそもその区画には入れなかった筈だ。


 これはどう言う事だ? ピヨヒコはその話をマルクスに伝える事にした。

 もちろんお城で見つけたゴルドの事は伏せて誤魔化した。


「ふむ、想定以上に勇者の悪評が広まっていたから少々不自然には感じていたが、今の君の話を聞く限りだと少し調査する必要はありそうだね」

「えっと、それはつまり、勇者の名を語る”偽物”とかが居る感じか?」


「その可能性は高いね、それにもしかしたらわざと悪事を重ねて、勇者の悪い噂を広めている輩が居るのかもしれないな」

「えぇ!?」


「犯人の目的は分からないが、勇者を讃える者も居れば、それとは逆に勇者の存在を疎ましく感じる者も中には居るからね、それこそ魔王に忠誠を誓う魔族からしたら勇者の天啓を授かった君は言わば眼の上のたんこぶ、忌むべき存在だからね」

「な、なんてこった……」


 俺からしたら魔王は倒すべき相手だから逆もまた然りか、でもまだ犯人が魔王の配下だと決まった訳でもない感じだよな?

 まさか第三王女のレティシアが”勇者の称号”を剥奪する為に罪状を増やそうとして暗躍してるとかじゃないよな!?


 いや、でも例の吟遊詩人に頼んで悪い噂の”火消し”もしてくれていたようだからこの件とは関係ない感じか? 偽物が横行しているのは確かみたいだが……


「ふむ、また何やら考えている様だが、僕なら寧ろこの状況を利用するけどね」

「この状況を利用?」


「犯人を見事に捉える事が出来たら、君が行った今までの漁り行為もそのままその人物に被ってもらえば、悪い噂も払拭されて一気に好転するかもしれないよ?」

「えぇ、そんな事が可能なのか!?」


「もちろんだとも、やられたらやり返す、それが勝負の鉄則だからね、君だって只泣き寝入りするのは嫌だろう?」

「確かに、それはそうだが……」


「なぁに、卑怯な手段を用いた悪党に容赦する必要はないよ、正論だけでは正義を貫く事は出来ないからね、郷に入れば郷に従えだよ、くっくっく」


 何かマルクスの本性がここに来て露見したな、まあその提案は有難いが。

 でもこれあれだよな、また俺の事を試してる感じだよな?


 ピヨヒコは背後の少女に自分の意見を促しつつ、マルクスに対して返答した。


「うーん、有難い提案だけど、実際に漁り行為をしたのも事実ではあるから、肝に銘じつつ冒険を続けるとするよ、誤解があるならそれは解いてもらいたいけど」


「ふむ、了解した、少し試す様な発言をしたが僕としては今後も君を支援していくつもりだから、自他共に認められる”本物の勇者”になれる様に頑張りたまえ」

「あ、やっぱり試してた感じか……」


「あと忘れているようだが、王国管理区の”通行証”も任命の儀の際に許可して渡した筈だから、おそらくは君のストレージを探れば入っているんじゃないかな?」

「え、そうなのか!?」


 促されたのでピヨヒコはストレージを発動して確認してみた。


「そう言われると幾つか身に覚えのないものもあった気がするけど……うーん? 何かそれっぽいカードみたいのはあるようだけど、これか?」


 スポンッ


ピヨヒコはストレージから【通行認証カード】を取り出した。


「それがあれば王都の区画内は全て通行可能になるよ、それに一般の冒険者が使う南区の城門以外からも出入りが可能になるから、そこから続くルートも活用できるので外の探索範囲も格段に増える事だろう」

「そう言えば南門からしかまだ外に出た事がなかったな、大陸の地図は貰ったけどこの周囲には街とか探索エリアもそれなりにある感じなのか?」


「もちろんだよ、職人区から続く東門を道沿いに進めば貴重なミスリルなどが採掘される【ベリル鉱山】に着くし、そこから更に進むと山脈があり麓には町もあるのだが、レッドドラゴンが目撃されたと言われるのもその山脈の火口付近だね」

「ふむふむ」


 ミスリル鉱石か、装備の強化にも繋がるし俺も採掘したいな。

 それにレッドドラゴンか、錆びた剣の強化に魔石が必要だしいつか挑みたいな。


「そして西門から街道を数日進めば【サンマリーナ】という名の、海岸沿いにある漁業が盛んな都市があり、このグランバニラ王国とも交流が深く、魚などの食材を中心に貿易しているよ、他にも珍しい交易品なども色々とあるね」

「ふむふむ」


 魚か、目覚めてから魔物の肉ばかりだったから俺も食べてみたいな。


「港もあるから帆船を用いて大海原を航海して諸外国との交易もしてるし、とある海域にはネプト族の”コミニュティ”があるとの噂も聞いた事はあるね」

「ふむふむ」


 ネプト族か、まだ合った事はないけどマーメイドとかいつか見てみたいな。


「それに北門の先には農作物や果樹などを育てている【農林区画】があり、そこから更に枝分かれしたルートを進むと、資源が豊富な”探索エリア”が幾つかあって、それに伴いこの地域での食材クエストや採集クエストなどの依頼も数多くあるね」

「ふむふむ」


 生きていく為にも作物や穀物を育てる必要はあるよな、農業や林業を営んでいる生産者には心から感謝しよう。余裕が出来たら食材クエストにも挑んでみたいな。


「そして南区のルートだが、ここから続く領土の大半は魔王軍の侵略により占拠されてはいるのだが、それでもその境界域では魔王軍に抗う戦士が集い、防衛戦線を張り巡らせ、激しい攻防が繰り広げられている感じだね」

「ふむふむ」


 南門の街道は俺も少し歩いたが、平原が拓けていて一見すると平和な印象だったけど、やっぱり魔王軍の侵攻に抵抗している感じなんだな。

 攻防戦クエストの説明は聞いたけど、俺もレベルを上げてから参加して、勇者としての実績と功績を残せるように頑張ろう。


「取り敢えずそんなところだね、隣接する町や探索エリアなど詳しく知りたいなら渡した地図を参照するといいよ、クエストによっては遠征が必要な事もあるから、どの程度の日数が掛かるか下調べして準備するといい」

「ふむ……成る程、色々と教えてくれてありがとう」


「少し長くはなったが僕から提供できる情報は今はこんなところだね」

「冒険者としての心構えなどもアドバイスしてもらったし助かったよ」


 魔王の情報を調べに来て、まさかその日の内に魔王と対面するとは思わなかったけど、実際に対峙してみて分かった事も色々あったし収穫は多かったな。


「さて、それじゃ僕もまだ仕事があるのでこれで失礼するよ、偽物の騒動に関してはこちらでも調査はするが、気になるなら君達でも調べてみるといい」

「ああ、分かったそうするよ、あ、あと最後に1つ」


「……何かね?」

「えっと、離席していてこの場に居ないから、そのままお城を立つと暫く会えないかもしれないからエマさんとメアリーにお礼を伝えて貰えるか? 特にメアリーには色々と気を遣ってもらったし世話にもなったからな」


「ああ、了解したよ」

「本当なら直接会ってお礼を云いたいところなんだけど」


「二人とも今は所用で少し手が離せない状況だから僕から伝えておくよ」

「そっか、すまない、それじゃ頼むとするよ、マルクスとシルビアも色々と良くしてくれてありがとう、本当に助かった」


「ああ、任せておきたまえ、君達も自分達のペースで頑張るといい」

「……ペコリッ」


 そう言って挨拶を済ませ、マルクスと秘書のシルビアは図書室を後にした。

 ついシルビアの事も呼び捨てにしてしまったけど、無言で会釈はしてくれた。


 勇者の偽物が居るならマルクスの提案に乗る訳ではないが、俺も独自で捜査して解決に貢献したら、町の人やシルビアからの評価も少しは取り戻せるだろうか?


 まあどうするかは結局のところ背後の少女の判断次第なんだけどな。


     ◇


 ふむふむ……じゃないよ、適当な相槌をどんだけ連投してんだよ。


 何か今回も色々と思考してたみたいだけど、思考スキルは発動してなかったからピヨヒコが何を考えてるのかは分からなかったな、まあ何となくは察したけど。


 それとストレージに最初から入っていた【????】のアイテムが1つ開示されたけど、まだ幾つか名称不明のアイテムがあるんだよね。


 これ最初は何かのバグとかなのかと思ったけど、ストーリーの進展に合わせて、開封されていく感じかな? 記憶を失う前のピヨヒコと何か関係あるキーアイテムとかだとは思うけど、取り敢えずは気にせずにそのまま放置でいいか。


 アイテム欄から選択しても、今は調べたり取り出したりも出来ないみたいだし。


 それにマルクスの説明だと”通行認証カード”があれば、探索エリアも増えるようだから、なんか本格的に冒険が始動した感じはあるな。

 と言うかやれる事が多すぎて少し混乱するけど、メインクエストに関しては例の偽物の勇者の足取りを掴む展開になるようだ。


 確認すると城下町にあるいくつかのスポットに行くと、関連イベントが発生するみたいだけど取り敢えずは暫く保留でもいいかな。

 サブクエとかも色々とあるみたいだから、そっちも遊んでみたいし。


 でも予想した通り、漁り行為をプレイヤーに自発的にさせる事で、それを咎めてシナリオに組み込んでる感じだったけど、展開自体は何か偶発的な感じもするな。

 まあ調べられる壺とか樽とかがあれば、調べるのがプレイヤーの心理だけど。


 庭園に植えてあったハーブだって、調べたらそのままアイテムとして手に入っただけで別に引っこ抜くかどうかの選択肢が出た訳じゃないし、それを咎めるなんてプレイヤー目線からしたら完全に罠だよ。だから私は悪くない!

 

 と言うかマルクスまで退席したんだけど、司書のエマも居なかったから図書室が無人の状態なんだけど無用心過ぎない? 貴重な本とかもあるんでしょ?

 まあゲームだしその辺は適当なのかもしれないけど、でも何か不自然だよな。


 そもそもあの二人は何の用事で離席してたんだろう?

 今までの展開を考えるとまた何かの伏線になってる気もするんだけど。


 マルクスの口振りからしても、普通に休憩しに行ったとかではないよね?

 うーん、現状だと情報が足りてないとは思うけど、一応、覚えておこう。


 あと出来たらこのタイミングで図書室を調べたり、漁ってみたい気もするけど、それをするとピヨヒコがまた五月蝿そうだし、アルマ達も居るから止めておくか。


 と言うか強制的に主人公も廊下に出て、図書室から退室させられたし。

 戻ろうかと思ったら、今はこの場所に用はないな、引き返そう。

 とかピヨヒコの思考メッセージが流れてきて何度か試したが妨害された。


 普通のゲームならよくあるご都合的な仕様なんだけど、これマイクで呼び掛けて主人公を説得する事が出来たら侵入可能になったりもするのかな?

 いや、でも別に試さなくてもいいか、そこまで意地になる事でもないし。


 でもこう言うテンプレ的な仕様があるとやっぱりゲームなんだとは感じるな。


 それに資金の問題も解決したようだから、これで遠征の準備とかも出来そうだ。

 普通は魔物を倒してお金を稼ぐものだけど、貰えるなら有り難く貰っておこう。


 他にも色々と手に入ったし訪問イベントの報酬だと考えればいいか。


 土の魔石は見つかったけど、建国祭イベントでのオークションや特務クエストとやらで”拠点”が手に入るなら、そっち方面でもお金は掛かりそうだから、それらも含めての軍資金なのかもしれないけど……


 取り敢えずは銀行に立ち寄ってから、冒険者ギルドに向かうとしよう。


     ◇


 はぁ、やっと諦めたか、何て往生際が悪い少女だ。


 身体が勝手に図書室に戻ろうとしていたので、気合いで入口のドアを押さえて、今はこの場所に用はないな、引き返そう、と強く念じて抵抗した。きっと無抵抗のままに操られていたら、無人の図書室で漁り行為をしていたに違いない。


 ピヨヒコは今後も同じような事があったら抵抗行動で妨害すると心に決めた。


 図書室から出た後は、そのままアルマに案内されて、銀行に足が向かった。


 〜♪


 各ギルドを管理している【中央区役所】がお城の敷地内にあるのだが、ゴルドを預かる金融機関の【ギルド銀行】もこの場所に併設して建っているようだ。


 アルマに使い方など聞いたけど、どうやらギルドで登録したカードが、そのまま銀行に個人認証されていて、係員に提示する事で利用する事が出来るようだ。


「こんにちは、本日はどのようなご用件でしょうか?」

「あ、えっと預けていたゴルドを卸したいんだけど……」


「はい、それではギルドカードの提示をお願いします」


 ピヨヒコは素直に自分の冒険者カードを取り出し受付の人に手渡した。

 何か事務的な感じだけどスムーズにお金の管理が出来るなら好印象だ。


「残金を確認しました、では必要な額をこちらの用紙に記入して下さい」

「あ、はい」


 口頭で聞いて来ないのは守秘義務とかに配慮してるのかもしれない。


 稼いだゴルドを国で預かり管理してくれるなら安心ではあるよな。

 そこまで治安が悪いイメージはなかったけど、ならず者や野盗による被害もあるとは聞いたし、この王国も広いから場所によりけりなのかもしれない。


 それで確認してみたら、何と30.000ゴルドも預金額があった。


 記憶を無くしてもここ数日で大体の物価は理解したが、かなりの大金だ。

 ピヨヒコは改めてあの財務大臣に心の中で深く謝罪して感謝の念を送った。


 画面の少女の判断で一気に10.000ゴルドもの大金が引き出されて戸惑ったが、卸したお金は直ぐにストレージに収納された。


 装備や消耗品のアイテム類など色々と揃えるのにも必要なお金ではあるが、この少女も例の少年に負けず劣らず、豪胆な性格だと感心した。

 実際は子どもが扱うような金額ではないのだが、全く大したものだ。


 とは言え今後の買い物の際には、俺もなるべく自分の意見は伝えよう。


 大金を持ち歩くのは危険だけど、こういう時にストレージやアイテムボックスがあれば盗まれるリスクも減るし、持ち運びも楽なので魔法は便利だと再認識する。


「はあ、少し緊張した」

「あ、わかります、私も初めて銀行を利用した時は緊張しました」


「城下町にあるお店とかと比べると何か事務的な感じだよな」

「そうですか? でもお金を扱う場所なので、あまり私情を挟むとトラブルの元になり兼ねないので、双方の為にも事務的な方が良いとは思いますけど」


「なるほど、そう言われるとそうかも」

「まあ城下町の方が人情もあって私は好きですけどね」


 確かに、アルマでもやっぱりそう感じるよな。


「それにしてもこのギルドが発行した冒険者カードは便利だよな」

「ええ、そうですね、身分証明書にもなりますし」


 他にも職人ギルドや生産ギルドなど色々あるようだけど、統括してギルドカードとして発行して登録しているようだ。

 そして冒険者のギルドカードは【冒険者カード】と言う名称で統一されている。

 

「レベルが上がったり、クエストを達成するとカードの内容もその度に更新されるみたいだし、何気にすごい技術が組み込まれているんだな」

「登録したギルドカードも名刺と同じで、個人の魔力と同調させる事で詳細な情報を記載してるみたいです、それに取得経験値や次のレベルに必要な経験値も分かるのでレベル上げの目安にもなりますね」


「なるほど、やっぱり魔法が関わっている感じなのか」


 それに確かメアリーの話だと、不名誉な称号まで反映されるようだし……

 このギルドカードって実は”監視社会”の為の画期的なシステムなのでは?


 カルマ値とかまで載ってるようだし、王国がどの程度ギルドカードの個人情報を閲覧して把握しているのかは分からないけど、何かそう意識すると結構怖いな。


 まああまり気にしても既に国に根付いてるようだし、どうにもならないけど。

 もしマルクスが考案したシステムだとしたら、やっぱりあの軍師は侮れないな。


「ふーむ……」


 そう言えば最初にギルドで登録した時はステータスとか確認する前にストレージに収納されたんだよな、レベルが上がった時には取り出されていたけど……

 まあ最初は例の少年に勝手に選ばれた”盗賊”の職業に困惑して、ステータスまで詳しく確認する余裕もなかったしな。


 ピヨヒコは何となく気になり、自分の冒険者カードを改めて確認してみた。


     ⌘


 名前 ピヨヒコ 年齢 16 職業 盗賊 信仰 なし

 レベル 5 HP 108 MP 120 SP 40


 状態 異常(デバフ)・ミゼーアの呪い【知力と精神力が半減(永続)】

 職業補正 俊敏値+10 筋力+3 重量+5


 基礎能力値

 筋力 36(+3) 体力 52 知力 16(−8) 魔力 61

 精神力 30(−15) 器用さ 25 素早さ 32(+10) 魅力 18

 カルマ値 3±7 経験値 812(1000でレベルアップ可)


 装備 制限重量 26(+5)

 メイン武器 鋼のショートソード【攻撃値 40】

  サブ武器 鋼のダガー【攻撃値 33】

  メイン盾 軽鉄のバックラー(損傷)【防御値 15(−8) 物理カット率 30%】


 アウター防具 バンデッドメイル【防御値 27 重量 17】

 インナー装備 冒険者の服【防御値 5 重量 2】

    頭防具 なし

    装飾品 冒険者のマント【湿潤耐性・防御値 3】

        理性の腕輪+1【精神耐性・精神値 22】


 所有スキル

 狙い斬り【技・斬属性】 

 ストレージ【ユニーク】 マジックポット(064/500)【ユニーク】


 盗み聞き 窃盗 気配察知 暗視【パッシブ】


 称号

 見習い勇者 適合者 深淵を覗きし者 窃盗犯(暫定) 覗き魔(暫定)

 時空の観測者 彷徨う者


 貢献度 18

 採集クエスト 1回 討伐クエスト 1回 食材クエスト 0回

 労働クエスト 0回 特務クエスト 0回 攻防戦クエスト 0回


【ループ回数 9回(秘匿事項)】

【ギルド銀行 貯金残高 20.000G(秘匿事項)】


     ⌘


「……なんだこれ!?」

《え、なによこれ?》


 ピヨヒコと桜子は冒険者カードの内容に困惑した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ