第30.5話 おまけ回 甘いケーキで説得大作戦
前回は地の文、今回は会話のみでの展開になります。
お菓子を隠し持っていた事が露見して泣きじゃくり心を閉ざしたアルマ。
ピヨヒコは用意されていた三種のケーキを活用して説得に挑むのだった。
「待たせた、状況は?」
「あ、勇者様、遅いですよー」
「すまない、こちらもちょっと立て込んでて」
「オ、ピヨヒコも来たのか」
「ああ、ついでに秘密兵器も持ってきたぞ」
「秘密ケーキ?」
「ネム、スゴいな、正解だ」
「わーい、当たったー♪」
「話し合いで解決出来たらそれに越したことはないんだけど……何かアルマの周りの空気が淀んでない?」
「さっきからこんな感じなんですよ、部屋の隅っこで体育座りでずっと俯いてて、慰めようと声を掛けてたんですが聞いてくれなくて、私こんな気落ちしたアルマさんを見るのは初めてです……」
「メアリーもアルマと知り合いとは言ってたけど、エマさんもアルマの事は知ってる感じなんだな」
「ええ、もちろんよく知ってますよ、何てったって、とても優秀な魔術師ですから幼い頃からよくこの図書室には顔を出していたので、私からすると妹のような感じですね」
「そうなのか?」
「勉強熱心だしもの覚えも早いし、順応性もあって優しい子なのですが……それがこんな事になるなんて、私こんな悲しそうなアルマさんを見たくなかったです」
「元はと言えば俺がお菓子の事で問い詰めてしまったからだが、てか何かアルマの周囲にうっすらバリアみたいなのが見えるんだけど? 淀んだ空気かと思ったら、明らかに目に見える変な”空気の幕”みたいのが覆ってない!?」
「ですね、それで私達もお手上げ状態なんですよ」
「もしかして魔法?」
「ええ、風魔法のカームホールですね」
「カームホール?」
「普通は周囲に音が漏れないように風で遮断して、ひそひそ話をするのに使ったりもするんですが、アルマさんは自分の回りに使う事で外部の音を遮断してるようで、こちらが話し掛けても聞こえてないみたいで全く反応してくれないんですよ」
「ええ、お菓子1つでそこまでするの!?」
「消音にする事で相手の詠唱を妨げたりする事も出来るんですが、こんな応用方法もあったんですね、耳栓代わりにもなるし静かに読書したい時には良さそうです、流石はアルマさんです」
「褒めても本人に聞こえてないんじゃ……」
「ですね、まあアルマさん甘いものが好きですから、それを勇者様に咎められたのできっとショックを受けたんですよ、マルクス様にも協力を強要されてましたし、アルマさんが可哀想です」
「いや、俺としては別に咎めたつもりなんて全然ないんだが……」
「お互いに問題あるとは思いますけど……どうします、勇者様?」
「仕方ない、秘密ケーキを使おう」
「あ、それは……成る程それならアルマさんも反応するかも知れないですね」
「オ、秘密ヘーキを使うのか?」
「ケーキ?」
「ああ、これならアルマもきっと反応してくれると思う」
「苺のショートケーキですか、シンプルだけど王道って感じで良いですよね、私も風のバリアが解けたらケーキの美味しさをアピールしますね」
「それは助かるよ、それじゃあ"甘いケーキで説得大作戦"開始だ」
「「「おー」」」
「アルマー、聞こえるか?」
「……」
「アルマさーん」
「……」
「うーん、呼び掛けても反応しないか……」
「……」
「目の前で手を振ってみたりもしたのですが見向きもしないんですよね」
「俺様とネムも呼び掛けたんだが無視されたゾ」
「自分の殻に閉じ籠って心を閉ざしてる状態なのかもな」
「ああ、分かります、分かります、私にも経験ありますよ」
「どうするんダ、ピヨヒコ?」
「秘密"ケーキ"の出番~?」
「ピクッ」
「あっ、今なんか一瞬、反応しませんでした?」
「もしかしてケーキって単語に反応したのか?」
「バニラの甘い匂いもしてましたから、それで風魔法を少し弱めたのかもですね」
「よし、それならアルマ、これを見ろ」
「!!」
「お、反応した!? あ、でもまた顔を背けて俯いてる」
「でも明らかにケーキを見てますよね、体育座りしながら顔を俯けつつも、視線はケーキをこっそり見てます」
「え、あ、本当だ、何か物欲しそうな顔でケーキに注目してる」
「じぃ……」
「ほら、アルマ、食べていいよ、甘くて美味しいケーキだよ」
「うー……」
「何か唸ってなイカ?」
「ケーキを食べたい欲求に抗ってる感じですよね」
「食べたいなら遠慮しないで食べれば良いのに、何で抵抗行動するかなぁ」
「口を閉じて抵抗してますね、視線はケーキに注目してるのに……」
「ほーら、ほーら、甘くて美味しいケーキだぞぉ~」
「!!」
サッ、ササッ
「ピヨヒコがフォークで掬ったケーキを大袈裟に左右に振ると、反応してアルマも顔を動かしてるな、何か見てて面白いゾ」
「アルマはそんなに甘いのが好きなの?」
「そうだな、でも反応はするけど餌に食いついてくれないな」
「でもさっきよりも更に風のバリアが弱まってる気もしますよ、それでも口は固く閉ざしてますが……何か猫ちゃんみたいで見てると少し癒されますね」
「うーん、仕方がない、このままではらちが明かないし強硬手段に出るか」
「強硬手段ですか?」
「ああ、皆も協力してくれ……ごにょごにょ」
「……?」
「それじゃあ頼んだぞ、ネム、ブックル、エマさん」
「ん、わかったー」
「少し可哀想な気もしますが、わかりました」
「まずは俺様だな、トリャァ!」
バサッ
「もがっ!?」
「アルマさんゴメンなさい、本当はこんな事したくないんですがまた逃げられると困るのでちょっと動けないようにさせて貰いますね」
ガシッ
「うひゃい!?」
「よし、ブックル、オッケーだ、取り敢えず離れてくれ」
「オオッ、俺様が顔に張り付いてページで目隠しした間に司書の姉チャンが後ろに回って腕を抑えて拘束して逃げられないようにシタのか、考えたな」
「う、うぅ~!!」
「あ、ダメですよ、暴れないでくださいアルマさん、そんなに両足をばたつかせたら危ないですよ、スカートの中が見えちゃいますよ! それにそんな抵抗されると私もスカートなので危険です!!」
「ふぇ!?」
「ブックル、見えそうになったら本で隠してくれ」
「オオ、任せろ!」
「ほら、アルマ、美味しいケーキだぞ、あーん」
「……っ」
「ほーら、遠慮しないで食べてもいいんだぞー」
「んー!!」
「拘束されてるのに口を硬く閉ざして抵抗してます、強情ですね」
「うーん、仕方ないネム、頼む」
「あいあいー」
「?」
こちょこちょこちょ、こしょこしょこしょ
「はひゃ!? ちょっ、あははは、ネムちゃん、や、止めて」
「今だ、こいつを食らえー!!」
「んむっ!?」
「食べた? それなら擽るのは止めるねー」
「オオ、ネムが脇の下とか首筋をくすぐって無理やり口を開かせたのか、ネムの羽はこそばゆいから擽りには最適かもダナ」
「ブックル、さっきから分かりやすく解説してくれて助かるよ」
「んっ、んくっ……ん、あむ、むぐむぐ」
「だ、大丈夫なんですかこれ? 何か少し如何わしい感じに見えるんですけど? そんな無理やりお口に突っ込むなんて大胆です、見ててちょっと恥ずかしい気分になりますね……ドキドキ、あ、でも何か幸せそうな顔をしてますよ」
「ケーキが美味しいのか顔が少し緩んでるな」
「そんなに美味しいの~?」
「お、アルマを覆ってた風のバリアが解けたんじゃなイカ?」
「確かに、今がチャンスだ、一気に畳み掛けよう」
「ぷはっ、や、嫌です、聞きたくありません、エマさんも離してください」
「アルマ、さっきはゴメン、俺が言い過ぎた、お菓子の事でそんなに責めるつもりなんて無かったんだ、許してくれ!」
「……っ」
「このケーキは食後のデザートで用意されていたやつなんだが、この苺のショートケーキはもちろんアルマのだけど、お詫びの気持ちを込めて、俺のぶんのケーキも差し出すよ、だから機嫌を治してくれ」
「え? そ、それは……い、いいんですか?」
「勿論だよ、しかもそれだけじゃないぞ、マルクスも言い過ぎたと反省して自分のぶんを差し出すと言ってくれたんだ」
「そ、そうなんですか? で、でも私だけ3つも……そんな、貰えないですよ」
「確かに一人で3つとなると周りの視線も気になるとは思うが、しかしその3つのケーキが全部種類が違うとしたらどうかな?」
「さ、三種類!?」
「そうですよアルマさん、用意したデザートのケーキは三種類あって、今アルマさんが一口食べた苺のショートケーキ以外にも甘くてほんのり苦いビターな大人の味のチョコレートケーキに、甘い栗をふんだんに使ったマロンクリームのモンブランまであるんですよ、アルマさん甘栗とかも好きでしたよね? とっても美味しいですよー」
「……ゴクリッ」
「俺とマルクスのを含めれば全部のケーキを味わえるんだぞ」
「うっ、で、でも……んむっ!?」
「ほら、取り敢えずもう一口食べて、冷静になって話し合おう」
「あむ、ん、もぐもぐ……」
「取り敢えず落ち着いて一旦話を聞いてくれないか? 誤解とかもあると思うんだよ、話を聞いてくれるならこの拘束も解くからさ」
「……わ、分かりました」
「良かった……エマさんありがとう、拘束を解いてくれるか」
「分かりました、アルマさん、こんな無理やり拘束してゴメンなさい」
「ネムとブックルも協力ありがとな」
「大丈夫だよー」
「何かあっという間に釣られたな、ケーキってのはスゴいんダナー」
「甘味好きにとってケーキは特別な食べ物ですからね、抗えないですよ」
「……っ」
「ゴホンッ」
「あ、すみません、どうぞ、私達は大人しく聞いていますので」
「まず弁解するけど、別に俺はアルマの事を問い詰めて咎めるつもりであんな事を言った訳じゃないんだ、それは誤解しないで欲しい」
「……」
「食事前もアルマに対してデリカシーに欠けた発言をして責め立てる感じになってしまったけど、配慮が足りなかった、本当にゴメン!」
「……いえ、私の方こそ、勇者様の言う通りで、それで動揺して、皆の前であんなにみっともなく泣きじゃくって、うう……」
「だ、大丈夫だから、それにほら、俺は全然気にしてないから」
「それでも私は、一緒に初めてパーティーを組んだ時も勇者様が空腹状態でデバフになってたのに、お菓子を持ってたのにそれを黙っていて、本当にごめんなさい」
「いや、あれは俺の自己管理が出来てなかったのが悪いんだし、アルマは全然悪くないから、それにお菓子の事だってまだ会ったばかりでお互いそこまで打ち解けてなかったから云いずらかったのもあるだろ? ファーラビットが相手ならデバフの状態でも問題なかったし、アルマが気にする事ないよ」
「……いえ、でも私は勇者様が指摘した通り、本当は持っていたお菓子を独り占めしたくて、それで言い出せなかったんだと思います、魔女の森のクエストの帰りでも私のお腹が鳴って、恥ずかしかったのに、その恥ずかしさよりもお菓子を所持してる事を勇者様に知られたくなくて、それで我慢して、意地汚くて……」
「そ、それは、でも自分で買って……あ、違った、あ、しまった!」
「!!」
「いや、その、自分で所持してたお菓子なんだから、どうするかはアルマが決めれば良い事なんだから、俺にそんな気を使う必要なんて無いから別に隠さなくても、自由に食べたい時に食べて貰っても構わないと言うか……」
「知ってたんですね、勇者様も……所持してたお菓子が私が買ったものじゃなくて本当はマルクス様から戴いたものだって……私もそれを知られたくなくて、それで耐えきれなくなってあんな、泣いてその場から逃げ出すように……うう、ごめん、なさいぃ……」
「さっきマルクスにその話は聞いたよ、俺もマルクスの態度に引っ掛かってたから気になってたし、それで問い詰めたら教えてくれた」
「本当はマルクス様も、勇者様と一緒に冒険の息抜きにお菓子を食べるようにと、それこそ空腹デバフになった時の用心の為にわざわざ買って渡してくれたのに……それを私は自分の私欲の為に、ごめんなさい、私はそんな罪深くて、愚かな人間なんです、勇者様の側に居る資格なんて無い、意地汚い女なんです!」
「別に資格がないとは思わないけど……でも、そうだな、そうかもな」
「!!」
「確かにアルマはお菓子の事を隠してたし、正直、面倒くさい奴だとは思った」
「……うぅ」
「え、ちょっと勇者様? 説得するんじゃなかったんですか!?」
「いや待て、きっとピヨヒコには何か考えがあるんダゼ」
「私は、私は……ぐすん」
「むー、アルマ、また泣いてるの?」
「でもアルマはネムが俺にお菓子をくれたのを見て良心が痛んだんだよな? その事に罪悪感を感じて、それで今そんなに自分の事を責めて自己嫌悪になってるんだよな、そうだろ?」
「……!!」
「それだけ俺の事も考えてくれてるって事なんじゃないか? もし本当にアルマが自分勝手にお菓子を独り占めして、意地汚いだけのヤツなら、そもそもそんな風に泣いたり悩んだりしないと俺は思うんだ、アルマは仲間の事も考えられる優しい心を持ってるからこそ悩んだり苦しんだり、それで罪の意識を感じてるんだよな? 俺はそう思うんだが、どうだろう?」
「……それは」
「それにマルクスも罪悪感を引き摺ってると何れはパーティー内の歪みにも繋がりアルマ自身も悩む事になるから、自責の念を感じているならそれを見直す切っ掛けを与えたくて、それであんな意地悪な事をしたと言っていたよ、それに俺が誘導される感じでアルマの事を問い詰めてしまったけど……その話を聞いて俺もそのままアルマがお菓子の事を隠し通してズルズルと打ち明けられなくてずっと苦しむよりは良いとは思った」
「……」
「俺もアルマに打ち明けてない事はあったし、別に隠し事をするなとは言わないけど、悩んで苦しむくらいなら俺で良ければ話は聞くし、相談にも乗るから、だからもうそんなに自分の事を責めるのは止めて欲しい」
「……勇者様」
「と言うか、お菓子の事で何時までもそんなにクヨクヨ悩むな!!」
「ふぇ!?」
「それに何度も謝り過ぎだから、アルマが反省してるのはもう伝わっているから、もう謝らなくていいよ、いいな!!」
「ご、ごめんなさい……あ」
「それに甘いお菓子が好きならそれはもうアルマの"個性"なんだからそれを自分で否定するな!!」
「ひゃい!!」
「食べたい時は堂々と食べればいいし、コソコソ食べたいならそれでも俺は構わないけど、別にそんなに気を使って悩む必要はないからアルマの好きにしろ!!」
「……っ」
「と、取り敢えず仲間にそこまで遠慮する必要なんてないから、あまり気にするな分かったか、返事は!!」
「は、はい!」
「よし、これで解決だな!!」
「おー♪」
「なかなかヤるな、響いたゼ」
「話を強引に纏めちゃいましたけど、良いんですかこれ? まあ何か少し男らしくてカッコ良かったですけど」
「だって、長々と話してたってグダりそうだし、それに今回はどちらにも非がある感じだから、どっちかが折れないと解決しないし、アルマがそれでも納得出来ないなら自分なりに今後はどうすればいいかを考えて決めれば良いと思うし、反省してるならコソコソ1人で隠れてお菓子を食べなければ良いし、こっそり食べたい気分なら別にそれでも俺は問題ないし、甘味が好きなら好きでそれを否定するつもりはないし、咎める事でもないし、それにそもそも俺がとやかく指示を出す事じゃない気がするんだもん!!」
「た、確かにそうですけど、何か長文にすると内容は同じでも全然カッコよく無いですねー……」
「ゲフン、アルマもそれで良いよな?」
「……わ、わかりました」
「アルマは甘いケーキが好き?」
「え? ええ、そう、ですね……」
「だったらネムのケーキもあげるー」
「!!」
「ネム、それは流石に……」
「だってアルマはお菓子を食べたかったからこんなに悩んでたんでしょ?」
「……っ」
「ま、まあそうだけど、まだ幼いネムにまでケーキを貰ったら……」
「すみません、ネムちゃんの気持ちは嬉しいですけど、それは貰えないです」
「ん、わかったー」
「お、ナンダあっさり引き下がったな?」
「だったら一緒にケーキ食べよ♪」
「!!」
「そ、そうですよ、せっかくの美味しいデザート何ですから、仲良く楽しく食べましょう、ね、アルマさん、ほら涙を拭いて」
「……はい」
「俺もアルマを問い詰めた事を反省したし、今後は言葉には気を付けるよ」
「いえ、私の方こそ、本当にごめんなさ……んむ!?」
「またそんな唐突に、スゴい事しますね、勇者様」
「俺様に真似できない事を平然とこなす、そこに痺れるゼ」
「憧れるのー?」
「イヤ、別に憧れはしないな」
「んぐ、もぐもぐ……ぷはっ、ひ、酷いですよ勇者様、そんなに何度も、無理やり口の中に押し込まないでください!!」
「いや、だって物欲しそうにずっとケーキを見てるから、それにまた謝ろうとしてたし、ほらほら」
サッ、ササッ
「オ、アルマがまたピヨヒコの持ってるケーキに釘付けになってるな」
「猫じゃらしに釣られる猫ちゃんみたいですよね、何か可愛いです」
「ほーら、着いておいで、テーブルには甘くて美味しいケーキがまだあと2つあるんだよ、それにアルマの好きな、甘い栗を使ったモンブランもあるよ~」
「……ゴクリッ」
「あ、アルマが立ったー」
「オオ、今度こそ解決だな」
「勇者様に誘導されてフラフラとテーブルの方に歩いて行ってますね、私達も行きますか、アルマさんが納得したかは何とも言えないですが、立ち直って良かったですね」
「ソウダナ、まあアルマの意外な一面を知ることは出来タナ」
「……茶番はこれで終わり?」
「ネ、ネムちゃん、それは思ってても言っちゃダメですよー」
「そうなの?」
「アルマには聞こえなかったみたいダナ、危なかったゼ」
「お、どうやら説得に成功したようだね……フフッ、それにしても君達は仲が良いパーティーだね、良いことだ」
「何かぞろぞろと歩いてカルガモの行進みたいですよね」
「ぷふ、と、コホン、勇者様、皆さんもお疲れ様です、食後のティータイムの用意が出来ていますので、其々のテーブルの席にお座りください」
「メアリーさん、デザートを用意してくれてありがとう、助かったよ」
「いえ、お役に立てたなら良かったです、アルマさんも立ち直れたなら良かったです、ケーキに合う美味しい紅茶も用意しましたのでゆっくり楽しんでくださいね」
「ありがとうございます、メアリー……皆さんにも、ご迷惑をお掛けしました」
「ふむ、それじゃあ落ち着いたようだし、食後のティータイムを楽しみながら話の続きをしようか」
「ああ、そうだな……」
こうして"甘いケーキで説得大作戦"は成功して事なきを得たのだった。




