表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

チラチラ

作者: タマネギ

雑草の小さな花に、

シジミ蝶がとまった。


さっきまで、シジミ蝶は、

草刈りをしているぼくの周りを、

チラチラ飛びまわっていたのに、

どうやら、

あまり見られることのない、

花にとまって、

蜜を吸うことにしたみたいだ。


ぼくはこれまで、

シジミ蝶を、じっと見たことがない。

いつも心の中で、

なんや、シジミやん、の一言を、

発するだけだった。


目の前のシジミ蝶は、

さっきからピクリとも動かない。

もうそろそろ、チラチラ、

飛び回るんじゃないかという、

ぼくの予想に反して、

ひたすら目立たない

小さな花にとまっている。


シジミ蝶さん、死んでしもたん?

それとも、寝てるん?


ぼくは、わりとまじめに、

そんなことを考えた。


そして、ぼくがそろそろ、

家に戻ろうとしたとき、

別のシジミ蝶がチラチラ現れて、

とまっていたシジミ蝶の周りを

飛び始めた。


「ごめん、ごめん、待った?」


「ぜんぜーん、今来たとこ」


まるで、

待ち合わせでもしていたかのように、

とまっていたシジミ蝶も

チラチラ飛び始めた。


そうか、待ち合わせなんや。


シジミ蝶達は、

しばらく、庭を散策しては、

カップルで仲良く、

秋の空に消えていった。

ぼくは、また一つ、

自然に気づくことができて、

嬉しくなった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ