雨音未来とドリームランド
「ねぇねぇ、お姉ちゃん!! 次は観覧車に乗ろうよ♪」
雨音未来は彼女の妹に手を引かれるがままついて行った。
「ちょっとぉ……そんなに走らなくても観覧車は逃げないわよ~??」
「いいのいいのっ♪」
二人の少女は裏野ドリームランドの中を元気よく駆けていた。
「お姉ちゃん、この観覧車ゆっくりだねぇ~」
「そうね、でもそのほうがいいじゃん。」
「……?? 何で……??」
「ドリームランドのいろんなところをゆっくり見れるからよ。」
「確かにっ!! あたしこの観覧車好きぃ~!!!」
当時から裏野ドリームランドでは事故がたまに起こっていた。
と、言ってもたいした事故ではない。
観覧車が途中で止まってしまったり、ジェットコースターが止まったり……
また、子供がたびたび消える。と言った噂が流れることもまれにあった。
しかしいずれも人が死ぬことはいっさいなかった。
ところが……
ギィィィィィィィッ!!!!
かなり老朽化した乗りかごが突然大きく揺れはじめた。
そこには、雨音姉妹が乗っていた。
「お姉ちゃん!! どうしたんだろう!?」
「わからない……私にしっかり摑まっているのよ!!」
「うんっ!!」
観覧車の頂上で揺れる雨音姉妹の乗るかごは次第にゆれ幅が大きくなって行った。
刹那……
ガッシャァァァァァァンッ!!!!!!
かごがぴったり頂上に来たとき、ついに乗りかごが観覧車本体から外れて真逆さまに落ちて行った。
「おねぇぇちゃぁぁぁぁぁぁんっ!!!!!」
彼女の叫びは雨音未来へと届くことなく虚空へと消え去った。
雨音未来はかごの破片を頭に受け、気絶した。
運のいいことにその破片がぶつかった勢いで広場に叩き落されることだけは免れ、観覧車の軸へと色々なところにぶつかりながら少しずつ落ちていった。
しかし、彼女の妹は運悪く風に流され観覧車の前に広がる広場へ叩き落された。
即死だった。
二人は幼いころに両親をなくしていたので、雨音未来は唯一の家族を失った。
そして、彼女は怒り狂った。
いまさらなんですけど、何で雨音未来だけみんな『雨音未来』ってフルネームで呼ぶのですか??




