夏目蒼史の名推理
どうやら最近また霊力が上がったようだ。
周りの人間にも幽霊の声を聞かせることができるらしい。
「出して、出して」って言ってるやつは元からほかの人間にも声が聞こえていたみたいなのだが、夢にも乗りかごの外で踊る幽霊の姿と声が感じられるらしい。
「蒼史……あれ、何なの……?? 幽霊?? 最近、蒼史と一緒にいるとたまにそれっぽいものが見えるけど……なんで……??」
と、そんなことはどうでもいい。
今は、やつに捕らわれた雨音未来の魂の方が先だ。
「お姉ちゃんは何して遊びたい??」
肉体を離れたので今は一種の幽霊になったというわけだが、青白い幽霊になって尚雨音未来は顔を土気色に染めている。
「わ、私にさわらないで……お願いだから……触らないで……」
やつは雨音未来の魂をもてあそぶ手を止め言った。
「私はかまわないけれど……そしたらお姉ちゃんはそのまま天に昇っちゃうよ??」
「あなたじゃなくて……牧田さんのほうよ……!!」
雨音未来は少々ヒステリックになって言った。
「私の肉体をいじくりまわして面白いの!? こんなときにあなたはいつも何を考えているの!?」
まさか雨音未来が肉体と言う言葉を使うとは思っていなかった。
「まさか……雨音未来は最初から見えるのか……??」
「…………」
そう言うことか……
どうやら、僕が一番この状況を飲み込めていなかったようだ……
「ところで雨音未来。君は一人暮らしだったよな……??」
ここにきて新しい発想がきたので、今回は少し短めですがお許しください。
次話が楽しみぃぃぃぃっ!!(僕だけ……)
この話、一応ホラーですからね??(笑)