観覧車は回る。
ギィィィ……ギギギギギギギギギギ……
相変わらず観覧車はゆっくりと揺れながら回っている。
ギィィィィ……
「これはこれでいい肝試しだな……」
この沈黙に耐えかねて僕はつぶやいた。
「うん……蒼史……怖い……」
夢さん、当たってますよ……
あと、目をぬらして僕を見上げるのやめてもらえませんか……??
そんな馬鹿らしいことを考えていた矢先のことだった。
「…して……ここ…ら…して……」
僕は普段から幽霊の声は聞きなれているので何てことなかったが夢と雨音未来にはかなりこたえたようだ。
ギシシィィッ!!
二人が驚いて暴れたので乗りかごが大きく揺れた。
「誰っ!? 誰がしゃべったの!?」
さすがの風紀委員もこのあせりようだ。
「蒼史……」
「あぁ……やつが現れた……」
「……ぜんぜんかっこよくないけど、この声はその子の物なんだよね……??」
「……あ、あぁ……」
『やつ』の正体は見たことなかったがやっぱりダサかったらしい……
「あなたたちもあたしをここから出してくれないの……?? じゃあ、一緒に遊びましょ♪」
その『声』は楽しそうな声色で言った。
まるで、新しいおもちゃを買ってもらった子供のようだった。
「ねぇ、ねぇ、一人で座ってるそこのお姉さん♪ 名前はなんて言うの??」
名前を聞かれた雨音未来は土気色の顔で頭を振るのが限界な様だ。
変わりに僕が答えた。
「俺は夏目蒼史。君の名前を教えてもらえないか……??」
「夏目蒼史……夏目蒼史!? お前があの……!? こんなひ弱そうなガキ一匹をあいつらは始末できないのか……あいつらは同業者としての恥さらしだな……」
「……君は……いくつなの……??」
僕はこみ上げてくる怒りをこらえ、たずねた。
「歳……?? あたしも、ついに人間に馬鹿にされるようになったのか……あたしに歳などない。しいて言うならば……ゼロであり無限だ。」
「と、言うことは……君は死んでいるんだな……??」
幽霊などの声を聞いたことなどなく、幽霊を見たことない者にとってはどんなに恐ろしいのだろうか……
ちらりと雨音未来の方を見ると、さらにひどく顔を土気色に……いや、今度は顔を真っ青にしてガタガタと震えていた。
「おい、雨音未来。大丈夫か……??」
聞いても返事がなかった。
それもそのはず……
「そいつの命は私が預からさせてもらうわ。」
なんかいまいちな感じですすんで参りました。
いまいちですな……
まったく恐怖を感じません!!