決意
今回で第2章、つまり邂逅編は終了です!
次回からは新しい章に入っていきたいと思います!
ショウ君…
私がそう呼ぶと彼は此方を向く。
彼の顔を見ると心が一杯に満たされてく
私は、市川翔平くんのことが好きだ。
理由なんて無い
何故なら一目惚れだっから…
でも、そんな彼は悲しそうな表情を浮かべて私へ背を向けて歩き出した
私は彼を止めるために必死に走った
待ってショウ君!!
私を置いて行かないで!!
何度呼びかけても彼は此方を向いてくれない
走っても走っても彼との距離が縮まる気がしなかった
このままだと離れ離れになると思った私は
ショウ君!!!!
と言った後に視界が急に暗転した…
「あれ…此処は…」
夏目が目を覚ますと数日前から見たことのある天井を見た。そこは、
(あぁ、ここ王城にある私の部屋だ…)
王城にある夏目の部屋である。
「葵…やっと起きたのね…」
すると突然隣から声が聞こえた為、そちらを向くと、
「秋ちゃん…」
そこには百白秋が側に座っていた。
「私…どうしてここに…」
「あなた、あの迷宮攻略の後、まる3日は寝ていたのよ」
(迷宮攻略……あっ!)
「ショウ君!ショウ君はどこ!?」
夏目は迷宮での出来事を思い出し、百白に市川の所在を確認した。
しかし、
「それは…その…」
「っ!!!」
彼女の返答で大体把握してしまった。
(ショウ君は…もう…)
そんな悲しい気持ちになっていた夏目に、百白はこんなことを話し始めた。
「私達は葵が眠っている間にあの迷宮に行ってきたの。
そこには広場の中央に大きな穴が空いてるだけで彼の痕跡は何も残ってなかったの」
「えっ?それって…」
その言葉を聞いて葵は一縷の希望をもって百白に問いかける。
「彼は死んでないかもしれないということよ。でも、下の階層に居る筈だから戦えるメンバーは下層攻略の為に訓練をしているわ」
「そっか……
なら、ショウ君はまだ生きてるかもしれないんだね?」
「そういうこと。
少しは元気でた?」
「秋ちゃん……ありがと!
私、今よりももっと強くなって必ずショウ君を迎えに行くから!」
翔平がまだ生きてるかもしれない…
そう思えるだけで夏目は体の底からエネルギーが溢れてくるような感覚になった。
そんな葵を微笑みながら百白は見つめていた。
(必ず助けに行くからね!)
そう言って夏目は皆が行っている訓練へと参加するのだった。
所変わって王宮内のとある一室では、
(どうして奴は死んでないかもしれないってなってんだよ!)
1人の人間……というか、中村秀喜が勇者パーティが伝えてきた結果を聞いて以来、彼は自室に籠っている。
(あの時確実に死んだはずなのに、何で生きてるかもしれないってことになってんだよ!)
コロセ
そんな言葉が不意に頭の中をよぎった。
コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ……
彼の中を負の感情が呑み込んでいく。
(そうだな、奴は俺の手で殺してやらないとな…)
その時の中村の顔は形容し難いほど狂った顔をしていたという。
冒頭は夢落ちで終わりましたね〜
健気な葵とそれに寄り添う秋の友情はとても素晴らしいです!
それに比べて中村は……
(´Д`)ハァ…ってなります。
次回からは新章に突入していきます!
お楽しみに!
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