邂逅
お待たせしました!
何とか書き終わったので載せていきたいとおもいます!
PVが2万件を突破しました!ありがとうございます!
遂に邪神が登場します!
(何処だここ?)
意識を失った筈の俺は全く見覚えの無い祠の前に立っていた。
周りは竹林で囲まれており、目の前にある祠だけが異様な存在感を醸し出していた。
(この祠………何とも奇妙な感じがする)
その祠は俺を安心させるような恐怖させるような、何とも言えない不思議な感覚にさせる。
祠の奥には何処かに通じる大きな獣道があった。
俺はその道を興味本位で進んでいく。
周りは全て笹の葉で覆われている道を暫く進んでいると拓けた場所に出たが、急に日の光を浴びた為に暫くは目を開く事が出来なかった。
(ッ!!眩しい!)
数秒後、ようやく目が慣れてくると目の前にはとんでもない光景が広がっていた。
とても人間では創りだすことのできないであろう程綺麗に整えられた庭、一転の曇も見られない程の綺麗な小川、赤を基調とした立派な屋敷。そのどれもがまるで黄金比のように綺麗な調和のとれた形となって存在していた。
(こんな景色見たことない……)
俺自身もあまりの綺麗な景色に感動をしていた。
『此方へ来るがよい』
するといきなり屋敷の方から女性の声が聞こえてきた。
(屋敷から聞こえたけど一体誰なんだろう……)
翔平は疑問に思ったが、考えても仕方がないと思い、屋敷へと歩いていった。
少し歩いて中へと入ると1人の美女が腰掛けていた。絹のような流れる黒髪に澄んだ黒目、メリ張りのしっかりとした体。何より彼女の着ている和服がとてつもない相乗効果を生み出していた。
そのあまりの美しさに一時言葉を失う翔平だったが、
『そこへ腰をかけなさい』
「はい」
彼女が目の前に座る様言ったので、その言葉に従った。
『さてと、まずは私の庭園へよく来てくれたわね』
「その前に質問良いですか?」
『何かしら?』
「何で自分はこんな所に居るんでしょう」
『あら、説明して無かったわね
此処は私アーリマンの屋敷です』
「アーリマン?聞いたことないな」
『あら、そうだったの。まぁ、お主には【邪神】と言った方が分かりやすかったかしら?』
「邪神!?」
彼女からとんでもないことを聞いてしまった翔平は警戒心を最大にして臨戦態勢をとった。
『そう構えないでおくれよ。私は君が思う程悪い神ではないのだよ』
(まぁ、ここでどう足掻いた所で神である彼女に敵うわけないか)
「……」
少しだけ警戒心を解いた俺を見てそっと胸を撫で下ろす邪神アーリマン。
『さて、先程の続きを説明しようかの
そなたはエルシア大迷宮?じゃったかの?
そこでベヒモスと共に落ちていくのが見えたので此処へ連れてきたと言う訳だ』
「ベヒモス……
あ!俺さっきまであいつと闘ってたんだった!ってことは此処はあの世か!?」
『落ち着け。まだお主は死んではおらぬ』
「はぁ〜、良かった〜」
そっと胸を撫で下ろす翔平だったが…
『だが、実際はそう美味い話でもないんじゃよ』
アーリマンの一声で撫で下ろす手を止めた。
「え?どうゆうこと?」
『実はそなたらの世界の時間を止めてお主と話しているのだが、落ちた先が少々問題があっての…』
「さらっと今凄いことを言ったよね」
『そんな事はどうでも良いのだよ…
話の続きなのだが、今お主が潜っておるダンジョンは100層構造になっておるんだがの…』
「うん…」
『お主が落ちている先はその更に下に存在する凶悪ダンジョンなのだよ』
「なんだってー!」
『仮に、落下の衝撃に耐えられたとしても其処に存在する魔物によって一瞬で食い殺されてしまうのだよ』
「ハハハ……なら結局俺は死ぬのか…」
『そこで提案なのだが…
お主、私の継承者になってくれんかの?』
「どういうこと?」
『代々邪神は100万年毎に入れ代わりをしておるのだよ。今日はまさしくその日なんだ』
「そんなこと言われたって…
急に神になれと言われても…」
『そんなに狼狽えることはない。邪神は創造神、破壊神と並ぶ3強柱の1つだ。寿命など無くなるし他者を圧倒する力を得られるぞ?それに基本的な仕事など皆無だから好きに過ごすといい。』
「でも…」
『それに、お主が今落ちているダンジョンは更に下へ100層続いており、最下層にある転送陣を使わないと外に出ることはできんぞ?それにこのまま断るとお主は確実に死ぬことになる』
「………分かった。引き受けるよ」
アーリマンの有無も言わさない正論で翔平は折れた。
『そうと決まれば早速やろうかの。お主を留めておくのもそろそろ限界が近いようじゃし』
「分かった。なら、早くしてくれ。
俺はどうすればいい?」
『お主は目を閉じたまま心を開いてくれればよい』
翔平はアーリマンの言われた通りにする。
すると、
(!!!これは!!)
とんでもないエネルギーが体に流れ込んできた。暫く耐えていた翔平だったが、遂に耐えきれず意識を失った。
『やっと終わった。では彼をもとの場所へ返すとしますか』
そういったアーリマンは翔平を元の場所へ返す準備を始めていった。
お気づきの方もいると思いますが、「」と『』はそれぞれ「翔平」、『アーリマン』のセリフとなっております。
それと、活動報告において魔法詠唱を募集しておりますので良ければそちらも読んで下さい。
次回は11月4日の19時に更新予定です。
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