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「帝都はどうだった?」
「相変わらずでした。またたっぷりと依頼書が積んでありましたよ」
「貯める前にこっちに運べばよいものを・・・・・・」
「お偉いさんは大切なベルちゃんを呼び寄せる良い口実にしてるんだろうよ。何か面白そうな依頼はあるかな~」
ニールは先ほど鞄から取り出された紙の束を一掴みし、片手で魚を器用に食べながら目を通している。
「なんだよこの依頼書嘆願がもう半年も前じゃないか」
「帝都の役人は仕事が遅いからな」
半年前の魔物襲撃など、今から出向いても無駄なんじゃないのかと、魔王はワインのお代わりを注ぎながら考える。
まぁジャルなんかは長いこと幅を利かせていたようだから、そんな依頼を中心に潰していっているのだろう。
デザートがそろそろ出てくるかと魔王が厨房の方に視線を投げかけていると、乱暴に扉が開かれた。
「失礼します!ヘンリー中佐、ロートン小佐大変です!!」
「どうかしましたか?」
「見回りに出ていたベアリング隊がネスターの一団に遭遇・・・・・・囲まれています」
「なんだって!?」
勢い良く立ち上がる3人。
そのまま入ってきた兵士を先頭に食堂を出て行く。一瞬贈れて魔王もその後に続いて食堂を出た。
食堂の外では砦中が混乱に包まれていた。
先ほどニールのいた広間も一層篝火が炊かれ昼間のように明るい。兵士たちが右に左にと武器を手に動き回っている。
「ヒューグラー大佐」
「おおベルナルドにゼノ、戻っておったか。帰宅早々申し訳ないがこの騒ぎだ
」
ベルナルド達は広間の中央あたりでテーブルを囲み集まっている集団に合流した。
白髭を蓄えた壮年の男がここの責任者らしい。他に3人の男が卓を囲んでいる。誰もが軍人らしい逞しい肉体と険しい表情を浮かべている。




