竹中平蔵氏の「正社員をなくせばいい」発言は自己擁護しているだけ
筆者:
本日は当エッセイをご覧いただきありがとうございます。
今回は竹中平蔵氏のガチアンチの1人である僕が、竹中氏のⅩのポストが非常に不快だったのでその対抗策の理論について解説していこうと思います。
◇生産性の低い社員は「小泉政権の犠牲者」
質問者:
筆者さんは小泉政権が2000年代に氷河期世代を公務員として救っていれば少子化問題も大幅改善されたのに、むしろ派遣の規制緩和そして、派遣業パソナの社長になられた竹中さんを敵視していますよね……。
筆者:
敵視しているつもりは無いですけど、小泉政権の失敗を他に「責任転嫁」している状況が非常に不快です。
どういう理論で行けば対抗できるのかを解説したいのです。
まずどういう投稿を竹中氏がされたのかについて、こちらの10月7日の投稿 https://h1.nu/1A8lw を引用しておきます。
『「正社員をなくせばいい」私がなぜそう考えるのか。
世間ではいまだに「非正規が増えたのは竹中のせいだ」といった的外れな批判が繰り返されている。
だが、働き手のうち派遣はわずか2〜3%にすぎず、客観的なファクトすら見ようとしない感情論にすぎない。
真の病巣は、1979年の判例以来、何があってもクビを切られない「正社員」という世界でも異常な特権構造にある。
人件費が完全に固定費化してしまったからこそ、企業は非正規の働き手を都合のいい調整弁として搾取せざるを得ず、過酷な「雇用の二重構造」が固定化してしまったのだ。
正社員の既得権益を守り続けたツケを非正規に押し付け、日本全体の賃金と生産性を沈没させている残酷な真実を、なぜ政治もメディアも直視しないのか。
この国を覆う雇用の欺瞞に、私は強い危機感を覚えている。』
と言った内容でした。
まず「派遣が2〜3%だから」というのはそうなのかもしれませんが、大臣や議員退任後には人材派遣会社最大手のパソナ会長になり派遣の促進の旗頭をしていたわけです。
そして、「非正規雇用」というのは派遣業だけにとどまりません。契約社員やアルバイト、嘱託と言った様々な形態があるわけです。
質問者:
筆者:
派遣業だけでなくこういった他の非正規を含めた場合は、
男性の非正規の割合は96年以前の7%台から小泉政権時には10%台に、小泉政権の更なる規制緩和以降は20%台と急激に上昇していきました。
※女性の場合は主婦のパートがあるため主な収入源でない可能性もあるために比較対象としないものとします。
しかも「正社員は何があってもクビにならない」のは論理の飛躍でしょう。
日本はそう言った解雇禁止国家ではなく、「合理性も相当性もない解雇が出来ない」という事に過ぎません。
また、「窓際に追いやる」「子会社へ出向」「僻地に左遷」など様々な方法で社員のやる気を阻害させ「退職を促す」ことも出来るわけです。
「会社にしがみついている奴が生産性を下げている」とよく言いますが、年齢が高いほど転職をしても給料が上がる確率は39%と低いんです。
https://career.nikkei.com/feature-job/income/003573/
しかも小泉政権に見放された氷河期世代で正社員として何とか就職出来た方が「しがみついている」形なわけです。
彼らは極端にリスクを恐れ、どんなに低い待遇になろうとも大企業に所属し収入の安定化を図ろうとしているのです。
そのために「小泉政権の被害者が生産性を下げている」と言う話なんですよ。
質問者:
つまり、自分が大臣としていた政権の失敗を堂々と他人に擦り付けているということですか……。ある意味凄いですね……。
◇ジョブ型雇用にしたら更に大企業が有利になる可能性が大
筆者:
竹中氏はそれと気づかせないように責任転嫁にかけては天才的ですからね。
そして7日の投稿があまりにも炎上したのでさらに竹中氏は10月12日にも投稿してまた大炎上しました。 https://x.com/19takehiro/status/2109497532388700388
『前回の「正社員をなくせ」という発言に多大な反響をいただいたが、一部の切り取りや感情論による見当違いな批判にはもはや議論の体をなしていないと断ぜざるを得ず、この国が抱える思考停止の根深さを痛感してしまう。
私が一貫して主張しているのは、正社員の権利を単に奪うことではない。
正規と非正規という、この歪んだ「二重構造そのもの」を解体せよということだ。
1979年の東京高裁判例以降、正社員を過剰に保護しすぎた結果、企業はその重荷を避けるために非正規社員を調整弁として増やし続けてきた。
若者の就職難は、上の世代の正社員が守られすぎたことによる弊害だ。
この過度な保護(既得権)こそが、格差を固定化させた元凶だ。
当然ながら、解雇を野放図に自由化せよと言っているのではない。
大企業の組合だけが守られ中小企業が泣き寝入りする不条理を正すためにも、OECD諸国で標準となっている明確な金銭解決ルールを法制化すべきだ。
職務を明確にするジョブ型へと舵を切り、給付付き税額控除などの強固なセーフティネットを整備することで、正社員も理不尽な残業や転勤から解放され、誰もが公正に働ける土台が整う。
正社員の既得権を聖域視したまま財政をばらまいても、日本経済が再生することは絶対にない。』
とこのように今度は「思考停止」だの言って「ジョブ型雇用」を前面に押し出しているんです。
質問者:
ジョブ型雇用と言うのはアメリカで採用されている雇用形態ですよね。
筆者:
そもそも、日本人の社員が給料が低く、「生産性が沈没」とまで言われてしまっているのは「社員が無能」だからではありません。
給料を支払えるかどうかは物価と企業の匙加減であり有能かどうかは関係ないんです。例えば欧米のマックは日本のマックの2倍の時給ですが、日本人店員の2倍、欧米のマックの店員が働いていることはあり得ません。
つまり、日本の社員が生産性が低いのは、支払う側の企業がキチンと社員を評価していないからに他ならないんです。
それは小泉政権下で続いたデフレ経済に他なりません。企業が給料を支払う力や習慣を失い、それが今も延長線上に繋がっているからです。
実際に利益が人件費に回る労働分配率は51年ぶりの低水準となっています。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO90074280W5A710C2EP0000/
海外で儲けているから~という言い訳が付いてくるわけですが、は言うが日本で儲けた金を「トランプ関税」を代表格として他国に投資しているので日本への投資が進んでいない側面もあります。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO98531170R00C26A9EP0000/
本来であれば日本人の給料を上げなければ増税ぐらいしても良いわけですが、実際は他国へ投資することをトランプ関税や他国とのODAとして政府が旗振り役になっているわけですから、始末に負えません。
質問者:
企業の利益を他国に投資してたらそりゃ賃上げできませんよね……。
筆者:
日本にジョブ型雇用がほとんど浸透していないのでどうなるかは分かりませんが、日本がアメリカのような雇用の流動性や、ジョブ型雇用を採用すればもっと大企業が配当金やら外国投資に精を出し、余ったお金は社員に払わなくなる可能性の方が高いという事だと思います。
竹中氏は正直なところ極めて非常に危険な提案をしているという事です。
質問者:
正規社員の割合が減れば給料が減ると考える方が妥当ですしね……。それが更に自由になったのであれば更に減ってしまいそうな予感しかしませんよね……。
◇「竹中式給付付き税額控除」は危険度マックス!
筆者:
ジョブ型雇用で給料が増えるのは極僅かの方でしかないと思いますね。\
更に2つ目の投稿にある竹中平蔵氏の提案している「給付付き税額控除」というのは今国会で議論されていることと「次元」が違います。
竹中氏の2020年8月に刊行した著書『ポストコロナの「日本改造計画」』によりますと、「生活保護の生活扶助分、児童手当、基礎年金などを廃止すること」を財源としています。https://www.moneypost.jp/712415
質問者:
一本化されるということなら、まだ大丈夫なのでは無いのですか?
筆者:
ところがことはそんなに甘い話ではありません。
厚生年金は給料から天引きされた年金保険料が報酬比例部分の年金額に反映され、厚労省のモデル年金の受給額は夫婦(妻は国民年金)で標準の納付であれば約22万円となります。
しかし、年金が廃止されてベーシックインカムに置き換えられると、夫婦でベーシックインカム2人分の14万円しかもらえないことになります。
質問者:
竹中さんのプランだと1家庭当たり8万円も減るんですか!?
筆者:
ちなみに1人分でも厚生年金分がほとんど貰えないのと同じですから悲惨ですよ……。
食品の消費減税の後に来るのが「竹中氏流給付付き税額控除」であれば最早、高齢者は貧困に陥り「刑務所の方がマシ」とまで判断するかもしれません。
僕は年金制度は自己積立制度、任意加入にするなど抜本的に改革が必要だと思いますが、それでも今受給権がある人の金額は維持するべきだと考えます。
それこそ国が制度を作った責任として返済不要の国債で賄うべきでしょう。
国が作った失敗制度で「次世代へのツケ」や「年金大幅減額」とか主張するのは間違っています。
質問者:
竹中さんは「年金大幅減額」の方を提案をしようという事ですか……。
筆者:
竹中氏は落ち着いた口調で知識がない方であれば何となく納得させられてしまいそうな雰囲気があると思います。
しかし、小泉政権や竹中氏が政治的失敗を犯したことは紛れもない事実ですから、知識を持っていれば確実に撃破できるんです。
ということで、今後も竹中氏の発言の欺瞞を竹中氏が表舞台に存在する限り潰していこうと思いますのでよろしければご覧ください。




