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窓際社員の俺にナポレオンが憑依したので、戦略で会社を帝国にします 〜営業最下位から始まる皇帝のビジネス戦争〜  作者: ズッキー
覚醒編

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【第9話】皇帝の作戦

本社ビルを出たとき。

柚留はまだ現実感がなかった。


夜の東京。

ビルの灯りが並んでいる。


「三ヶ月で全国……」


思わず呟いた。


ナポレオンが言う。


『震えているな』


柚留は苦笑する。


「当たり前です」

「全国ですよ」

「営業人生で一番大きい話です」


ナポレオンは静かに言った。


『違う』


柚留は聞く。


「何がです?」


ナポレオンは言う。


『これは小さい戦争だ』


柚留は思わず笑った。


「皇帝のスケールは違いますね」


ナポレオンが続けた。


『問題は別だ』


柚留は歩きながら聞く。


「何です?」


ナポレオンは言った。


『お前は勘違いしている』


柚留は立ち止まる。


「勘違い?」


『全国で戦う必要はない』


柚留は眉をひそめた。


「でも社長は」

「全国で結果を出せと」


ナポレオンは言った。


『だからお前は負ける』


柚留の心臓が止まりそうになる。


「……え?」


ナポレオンは続けた。


『戦争の基本を教えよう』


柚留は黙って聞く。

ナポレオンの声が低く響いた。


『兵を分けるな』

『集中させろ』


柚留は目を見開く。


「集中?」


ナポレオンは言う。


『戦場を一つに絞れ』

『そして』

『そこに全軍を突っ込め』


柚留の頭の中で何かが繋がった。


「なるほど……」


ナポレオンは続ける。


『全国で勝とうとするな』

『一つの場所で圧倒的に勝て』


柚留はスマホを取り出した。

地図アプリ。

東京。


「一つの場所……」


ナポレオンが言う。


『噂は広がる』

『勝利も広がる』


柚留は呟く。


「つまり」

「まず一つの街を制圧する」


ナポレオンが笑う。


『そうだ』

『都市を落とせ』

『そうすれば国は落ちる』


柚留の目が輝く。


「商店街……」

「いや」

「もっと大きい場所」


ナポレオンは言う。


『どこだ?』


柚留はスマホを見る。

ある場所を拡大する。


そこには―

ドラッグストアが密集していた。


美容店。

化粧品店。

大型店舗。


柚留は言った。


「ここです」


ナポレオンが聞く。


『どこだ?』


柚留は答えた。


「吉祥寺」


東京でも有名な商業エリア。

若い女性が多い街。

化粧品店が多い街。


ナポレオンが笑う。


『いい戦場だ』


柚留の頭の中で

戦略が形になっていく。


「吉祥寺の店を全部回る」

「全部に同じ戦略を仕掛ける」

「話題を一気に作る」


ナポレオンは言う。


『違う』


柚留は止まる。


「違う?」


ナポレオンが言った。


『全部ではない』

『最も強い店を落とせ』


柚留の背筋がゾクッとした。


「……なるほど」


ナポレオンの声が低く響く。


『王を倒せ』

『そうすれば兵は崩れる』


柚留はスマホを見つめる。


吉祥寺のドラッグストア。

その中で一番大きい店。

コスメプラザ吉祥寺店。

SNSでも有名な店だった。


柚留は小さく笑った。


「面白い」 


ナポレオンが言う。


『何がだ』


柚留は言った。


「戦争になってきました」


ナポレオンが笑った。


『最初からそうだ』


柚留は空を見上げた。

東京の夜空。

胸が高鳴っている。


「やりましょう」


ナポレオンが答える。


『よし』

『都市攻略だ』


こうして。

鈴木柚留の―

最初の都市攻略戦

が始まった。

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