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窓際社員の俺にナポレオンが憑依したので、戦略で会社を帝国にします 〜営業最下位から始まる皇帝のビジネス戦争〜  作者: ズッキー
覚醒編

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【第8話】社長との戦争

本社ビル最上階。


社長室の前で、鈴木柚留は立っていた。

廊下の窓から東京の街が見える。


営業部長が腕時計を見た。


「緊張してるか?」


柚留は少し笑った。


「正直、してます」


部長は軽く笑う。


「まあ、社長に呼ばれる営業なんてそういないからな」


コンコン。

部長がドアをノックする。


「失礼します」


ドアが開いた。

広い部屋だった。


大きな窓。

重厚なデスク。


そしてその向こうに座る男。

花咲化粧品の社長だった。


鋭い目をした男。

社長はゆっくり言った。


「君が鈴木くんか」


柚留は頭を下げる。


「はい」


部屋には他にも人がいた。


マーケティング部長。

商品開発部長。

営業本部長。


重い空気だった。

社長が言う。


「座ってくれ」


柚留は椅子に座った。


そのとき。

頭の中でナポレオンが言った。


『いい部屋だ』


柚留は心の中で聞く。


「そうですか?」


『権力の匂いがする』


社長が一枚の紙を持ち上げた。


売上データ。

「花咲クリーム」


社長は続ける。


「正直に言おう」

「この商品は会社の主力ではない」


商品部長が小さく頷く。

社長は言った。


「だが」

「今週、急に売れ始めた」


社長の目が柚留を見る。


「理由を聞こう」


部屋が静かになる。

柚留は少しだけ考えた。


そのとき。

ナポレオンが言う。


『簡単だ』

『戦争の話をしろ』


柚留は顔を上げた。


「市場は戦場です」


役員たちが少し驚いた顔をする。

柚留は続けた。


「ですが、この商品は戦っていませんでした」



マーケ部長が聞く。

「戦っていない?」


柚留は言う。


「はい」

「ただ棚に置かれていただけです」


社長が腕を組む。

柚留は続ける。


「商品が悪いわけではありません」

「ただ」

「買う理由がありませんでした」


商品部長が呟く。


「理由……」


柚留は言った。


「だから作りました」

「買う理由を」


マーケ部長が言う。


「SNSのことか?」


柚留は頷く。


「はい」


社長がスマホを机に置いた。

画面には投稿。


「正直すぎるPOP」


いいね数。

1万3000


社長は言った。


「これだな」


柚留は答える。


「はい」


社長は聞く。


「計算してやったのか?」


柚留は少し考えた。


「半分です」


社長が笑う。


「半分?」


柚留は言った。


「もう半分は人です」


役員たちが顔を上げる。


「店主が本当に売りたい商品」

「それが伝わると」

「人は興味を持ちます」


マーケ部長が腕を組む。


「信頼か」


柚留は頷いた。


そのとき。

マーケ部長が言った。


「ですが社長」


空気が変わる。


「このやり方を全国でやるのは危険です」


社長が視線を向ける。

マーケ部長は続ける。


「SNSは再現性が低い」

「偶然バズっただけかもしれない」

「会社の戦略としては不安定です」


商品部長も小さく頷く。

部屋の空気が重くなる。


そのとき。

ナポレオンが言った。


『敵が出てきたな』


柚留は心の中で言う。


「はい」


ナポレオンが笑う。


『戦争らしくなってきた』


社長は柚留を見た。


「鈴木くん」

「君はどう思う?」


柚留は少しだけ考えた。

そして言った。


「再現できます」


部屋が静まり返る。

マーケ部長が言う。


「本当に?」


柚留は答える。


「はい」

「SNSが目的ではありません」


役員たちが顔を上げる。

柚留は続ける。


「目的は」

「話題です」


社長の目が光る。


「話題?」


柚留は頷く。


「話題は作れます」


沈黙。

社長は数秒考えた。

そして笑った。


「面白い」


社長は椅子に背を預ける。


「鈴木くん」

「やってみるか?」


柚留の心臓が強く打つ。


「何をですか?」


社長は言った。


「全国だ」


部屋が静まり返る。

マーケ部長が言う。


「社長、それは――」


社長は手で止めた。


「条件付きだ」


社長は柚留を見る。


「三ヶ月」

「全国の店で同じ結果を出せ」


柚留は息を止めた。

社長は続ける。


「成功したら」

「君を営業企画に引き上げる」


営業部長が驚く。

だが社長は最後に言った。


「だが」

「失敗した場合」


柚留は静かに聞いた。

社長は言う。


「今回の件は」

「ただの偶然だったことになる」


マーケ部長が頷く。

社長は続ける。


「その場合」

「君は今まで通り」

「普通の営業に戻る」


沈黙。

ナポレオンが笑った。


『悪くない条件だ』


柚留は小さく頷いた。

そして言った。


「やります」


社長の目が光る。


「いいだろう」


社長は立ち上がった。


「戦争開始だ」


こうして。

鈴木柚留の戦いは

全国規模の戦争へ変わった。

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