悠介
俺の恋人は優しくて逞しく可愛い。
体格も良くてムキムキなのに、初心な所があって、でも頼りになる。
彼に触れてもらいたくてお手入れしてる肌を褒められて嬉しくなっちゃう。
「…悠介は肌綺麗だな」だって!
そのまま触ってくれても良いけど…淳也には刺激強いかな?
まずはキスからだよね?おやすみのキスがファーストキスなんだもん。
「淳也ぁ」
ンッとキス待ちしたら、すごくぎこちない動きで頬を固定されてキスがきた。
ふふっ、離れた途端鼻息聞こえる。
「やっとキス出来たね」
「ああ、そうだな」
「ふふ、嬉しい」
「…悠介」
また顔が近いてくるから目を閉じた。
チュッと音を立てて離れる。
ドキドキが止まらない。
「これからは毎日出来る」
「…うん…♡」
朝、淳也に起こしてもらって、ご飯食べて、洗濯や掃除、仕事の用意、好きな事をして夕飯を作って淳也を待つ。
そんな幸せな日々が続いて、ついに俺も会社に行く日が来た。
*
(男性社員 A)
「本日より配属になりました。佐野 悠介です。よろしくお願いします。『(英語)佐野悠介です。ユスって呼んでください』」
「ちょ、新入社員の佐野さん!超かっこよくない!?」
「流暢な英語だよね?」
「アメリカでウチの入社試験受けたんだって」
きゃいきゃいとはしゃぐ女性社員を尻目に新入社職の佐野を見る。
今時のオシャレ男子とかいうやつか?
ふわふわさせた黒髪。整えた眉と髭の見えないスベスベの肌。ブランド物のスーツを身につけた身体は女子職員が羨むほど細い。
アメリカの大学を受験して通っていたというから根性はありそうだが。
『ユス!久しぶり!』
デカイ声で佐野を抱きしめているのは同じくアメリカ支部から配属されたマイケル・サリヴァン。
『久しぶりだね、マイク!日本はどう?』
『2週間でようやく慣れてきたよ!しかし、君のファミリーネームはハイツリー(高木)じゃなかったか?』
『佐野は夫の名前だよ』
『マジか!?また詳しく話そう!』
やっぱネイティブな早口は聞き取るのも辛いな。
まあ、あんだけ話せるなら戦力になるな。
「おーい、佐野!軽く案内とかするから着いてこい」
「はい!」
*(悠介視点)
働き出すにあたって、俺は淳也と養子縁組して戸籍を揃えて『佐野』姓を名乗る事にした。
両親が離婚して宙ぶらりんだから渡りに船だよね!親権は母が持っていてどちらにせよ高木から変わらないとだったし。
大変だよ!パスポートとか色々!
でも、マンションの表札に『佐野』とだけあるのがなんか、くすぐったい。
*
「佐野さん」
「…あ、はい?」
あー、佐野と呼ばれるのに中々慣れないなぁ
『ユス!ちょっと通訳頼む!』
『えー?今度はなにー?』
「佐野さん、やっぱりアメリカいたから苗字呼びより愛称呼びの方が楽なのかしら?」
「あ!って顔するよね?」
「山田さんが結婚して苗字変わった時みたい」
「…え?」
「…指輪、つけてないよね?」
「男性って付けない方が多くない?」
『ユスのダーリンにはいつ合わせてくれるんだ?ハニーも楽しみにしてるぞ?』
『うーん、次の休みは予定があってね。連休はハネムーン予定だし…」
『Oh!それは邪魔しちゃ悪いな。そうか、ならハニーの誕生日パーティに来てくれよ!来月末の日曜の昼だ!』
『こっちでもするんだね!もちろん行くよ!ジェリーの好きそうなプレゼント見つけなきゃね!料理はどうする?』
『もちろん!ユスのテリヤキチキンをご所望だよ?ハニーはアレにくびったけだからね!』
『アハハ!ジェリーはすごく楽しんでくれるから作りがいがあるよ!あ、他の招待客は?』
『ハニーが友人を三人呼ぶ予定だな。だが、テリヤキは何人前でもいいぞ!』
『Ok!ジェリーのお腹がこんなになるくらい作っていくよ!』
『OH!そうなったらしばらく動けないから枕になってあげないと!』
「サリバーン!」
『おっと、じゃ、また連絡するよ』
『うん、楽しみにしてる』
「佐野さんとサリバンめっちゃ仲良いよねぇ」
「イケメン同士で目の保養よねぇ」
「スキンシップが多いからドキドキしちゃう」
「分かる!てか、サリバンと話す佐野さん可愛い」
「私らとは愛想ようの微笑みだもんね」
「…まさか、相手サリバン!?」
「いやいやいや、そんな安直な」
「…サリバンって同性のパートナーいるって言ってなかった?」
「ハッ!!そうだよ!初っ端の自己紹介でパートナー持ちって言ってたわ!」
「…いや、でも、同じ職場にくる?」
「佐野さんの帰国に合わせて配属変わったんじゃ」
「…」




