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1:余命45年
小さい頃からこの街を出て自由に暮らすのが夢でした。
余命45年
これがこの世界に住む人々に与えられた呪いです。
500年ほど前、とある偉大な魔法使いが何を血迷ったのかわかりませんが、世界中の人々にこのような呪いをかけました。
この世界の平均寿命は80歳。
そのことが明るみになった時には世界人口の約2分の1の方々が亡くなっていたそうです。
それからというもの、世界の常識は大きく変わりました。
私の暮らす国では、その早くに訪れる死に対抗するため、効率良く質の良い人材をつくるべく、14歳の年まで子供を施設に預け、教育を受けさせることが義務になっていました。
私はそこでたくさんのことを経験しました。
様々な国の言語、数学、剣や魔法の扱い方から料理の仕方まで、実に多種多様な物事を教えてもらったものです。
そして今日は施設から出る日。
14歳の下冬の月、最終日です。




