身バレしたが呑気に釣りに行く
今日はちょっとほっこり(?)なストーリーです
ん?なんかが現れた気が…
唐突に俺の背後に現れ、しかも何故か割とキレ気味のZ級冒険者ユーラ・ファラットとその仲間に俺は囲まれていた。
「…」
「こっち見なさい」
「見たら顔面に刃物刺されそう」
「私達を何だと思ってるの?」
危険人物共って言ったら切られそう。
とまぁそれは置いといて、こんな人目が多い所で何をまぁ「知り合い」みたいな雰囲気晒してくるんだこのZ級冒険者は。
いきなり真後ろに現れたのは以前の鑑定の時に見たアカネの「空間魔法」なのは分かってる。
ついでに言えば後ろに居るしアカネ。
だがなんで俺の所に転移してきた?
こいつらは俺を殺す気だし俺もこいつらと戦うのはダルい。
それに精神年齢メスガキの杖を破壊してるから俺との戦闘は避けたいハズだ。
考えても思考は答えに辿り着かない。
その時だった。
「アカネ、音」
「あ、はい」
ユーラがアカネに指示を飛ばすと同時に謎の結界が開かれる。
《音源遮断結界発動。結界内の音は結界外に漏れる事はありません。スキル「音律」で効果を無効化出来ます》
(音ねぇ…)
疑問が増えた。
なんで音を封じた?
この結界の大きさ的に入ってるのはアカネやユーラだけじゃない。
俺も、フォルテも、シンシェア姉妹も、なんならオオ達も入ってる。
「なんで他も入れた?お前は俺を敵視してるんじゃなかったのか?魔物って理由で」
「え?」「はい?」←シンシェア姉妹
あそういえばこの二人には初めて言ったな。
「フォルテ、ちょっとこの二人に説明しといて」
「分かりました。二人ともこちらに」
「あ、あぁ…」「えっと…」
二人そろって困惑しすぎだろ。
いや言わなかった俺にも責任あるが。
「んで何の用だユーラ」
「そうね。簡単に言うと…貴方を深く知りに来たわ」
「何の意味があるんだそれに?俺がより倒さなきゃいけない存在っていうのを再確認でもするのか?神託の感で待ち伏せしやがったくせにな」
「…口が達者ね」
「悪いが職業の柄故にな。口に鍵を付けられねぇんだよ」
前世でもしょっちゅうメンバーと言い合ってたからなぁ。
ユーラのおかげか、俺の失われた記憶が少しずつではあるが繋がり始めている。
そして、それのおかげで俺がプロゲーマーとしての仲間が居る事も思い出したしな。
まぁあっちで頑張っているだろうが。
「そう。ところで、その職業って」
「決まってるだろ。俺の立ち位置だよ」
「あらそう。ラファから聞いたら、もう一つあるみたいだけど」
「!!」
俺は席を素早く立つ。
その身から殺気に似た何かを感じさせながら。
「主…食べていいの?」
オラが目を赤くしながら俺の行動に反応し、他の三人も一気に目が赤くなる。
元の姿に戻りかけている。
「…まさかその子供」
「お前のとこの杖使いの杖を喰った奴」
ユーラは「あぁやっぱり」と呆れていた。アカネは食われた所を創造したのか青ざめている。
「それよりも答えろ。ラファは…トラベルテギルドマスターはお前に何を教えた」
「一応言うけど私が彼女の所に行った理由は感よ。貴方とラファが喋ってる光景が見えたからね」
「…神託ってか」
「そう。そこで見た光景でちょっと脅して貴方について聞いたの。あまり信じたくないけれど、私から逃げる時のあの言葉…あれとラファの話で本当の事っていう確信が出たからね」
逃げる時の…あアレか!
そう言えば俺あの時言ったわ!
「二度と戦いたくないから予想してくんな」って!
「あれには人間味が驚く程溢れてたわ。仮面越しでもしかめっ面が分かるほどね」
「…それで深く知りに来たってか?」
「そう。それともう一つ、手伝ってくれない?」
—武力国家トゥーラを倒すために—
ユーラの口から出た言葉は俺を驚かした。
なにせそこは無類の人類至上主義とは少し違う国家至上主義なのだから。
そこが動く理由はただ一つ。
「宣誓布告でもされたか?」
「正解よ。ついでに言えば裏に裏切りのZ級冒険者の姿も見えてる」
「見えてるだけじゃ不確定だよそんなので釣れると思ったか?」
「私の感なら信じるわよね?」
「…あぁそうですか」
確実に手伝わせようとしてくる。
「出発は?」
「一週間後…コクヨウ大陸へ」
その言葉で俺は目を見開く。
「偶然だな…俺はフィリオン王国に行くのが今の目的でな…」
その言葉でユーラは口を歪める。
気味の悪い笑みへと。
「あら…協力してくださるの?」
「ワンチャンスでアラガの顔面殴れるなら喜んで…てかお前「預言者の聖王」なんて呼ばれてるんだろ。仮にも「聖王」がんな顔しちゃダメだろ」
「フフフ…悪いけどこれは私も欲しくて貰ったわけじゃない…宿命なのよ」
…こいつの全身真っ黒スタイルってまさか腹黒って意味か?
んな笑いすら起きないギャグ漫才あるか。思考を振り払え俺。
「ま、それまでのんびりしてたら?奴隷達も戻ってきてるみたいだし」
ユーラが指を指した方向にはこちらに来るフォルテと真っ青な顔をしながらフォルテの後ろに続くシンシェア姉妹が居た。
「…そうさせてもらう。殺し屋とか来させんなよ」
「呼ぶとでも?」
「この世界の人間は殺意で溢れているもんでな。警戒しないといつ背中刺されるか分かったもんじゃない」
どこかのバカ貴族とか、奴隷商とかな。
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「なぁ主様」
「なんだニャーラ」
「もう上抜いて呼び捨て…まぁ良いや。それよりも、私達は今何やってるんですか」
「ピクニック」
「見りゃ分かるわ!!」
ニャーラの怒号に似た何かの声が響き、辺りの鳥が空を飛んでいく。
フォルテ達が戻ってきた後、俺は取り合えずシンシェア姉妹に問い詰められた。
曰く、本当に魔物なのかと。
証拠を見せるために一旦ユーラ達と別れ、どうせならピクニックしようかと少し用意して、そしてここに来て証拠になる眷属三人を呼び出す。
二人とも白めになりかけてたから面白かったわ。
まぁイニーシャが強制気付け薬改め拷問道具で目を覚ましてたが。
その後は皆で食事取ったり、釣りしたりしてる。
「あのですね!この際はっきり言わせてもらいますがこれピクニックに見えないんです!」
「何処がだしっかりサンドイッチ持ってきてるぞ」
「そこじゃなくて!なんで釣りで魚系の魔物を釣りまくってるんですか!!」
あそっち?
それは俺も思ってた。
「どうせ弱いし問題無い。これくらいだったら飯にだって出来るし」
「一般冒険者じゃ絶対無理なモンばっかりですよ!なんでオクトブローに拳で勝てるんですか!」
オクトブローとはA級の魔物である。
掴み技が得意な武闘家タコが俺の一般認識。
「それに!シャークブラッドとウォーターチルドもですよ!いくら何でも釣りの範疇超えてます!」
今話に出たこの二匹もしっかりA級である。
シャークブラッドは血属性魔法も使えるウザいサメ。
ウォーターチルドは見た目がもろ水みたいなのに雷属性魔法を使うクラゲ。
どちらも雑魚過ぎてツマラナイわ。
まぁそれはそうとして核食って普通にスキル貰いました。
だけどウォーターチルドの方は倒した途端マジの水になって食えなかったし。
「出来ればもっと凄いのを釣りたいが…」
「「普通は釣れない事を祈るものですよ!?」
「二人とも、ご主人様はいつもこれです。慣れないと過労死しかねませんよ」
フォルテ、俺の言葉に追撃。
何を言っても無駄な事を理解したのかシンシェア姉妹はうなだれてしまった。
と、その時
「お、なんか掛かった」
「お願い今度は魔物以外で!!」
釣り竿に獲物が食いついた事に気づいた俺とひたすら魔物が釣れないでと願うニャーラ。
そしてたった一分、俺の怪力に持ちこたえたソレは空へ姿を見せる。
そこには真っ白な巨体と八本の脚を持つ巨大な…ネタが居た。
「おぉ!今日一番の大物じゃん」
「「クラーケンだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!???」」
片や笑顔。
片や恐怖の顔を浮かべ空に上がった寿司ネタ…クラーケンを見やる。
「喰いたい」
オオがぼそりと何かを呟いたが俺が「消滅」と言うと「冗談だから真に受けないで!」と猛抗議を食らった。
そして確かあいつはS級の魔物で…場合によってはZ級すら苦戦するらしい。
「丁度良いや…戦力はもう少し上げる予定だったんだ」
俺は自身の思うがままに空中浮遊した。
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サイチ現在レベルレベル:70000
必要経験値:178000000000/35670000
獲得スキル&ステータス&称号
オクトブロー
スキル「ギルタベル」「追撃行動」「掴み攻撃補正」「先読み」「未来予測」「オンラッシュ」
ステータス:本人の意思によりMP+3560以外を獲得放棄。代わりに獲得称号+1
称号「100人抜き」「殺戮者」「強化積み」「武術家」「行動制限」
シャークブラッド
スキル「食らいつき」「怨念」「初級血魔法:スプラットグライド」「死怨」「ホーミング」
ステータス:HP+3405俊敏+55780装甲+4576
称号「サメの意地」「腐食肉」「黄泉送り」「空腹」「海の支配者」
新眷属
クラーケンの「ラーケ」
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暗く暗い洞窟
今日でおさらば
だってようやく地上に上がれた
あぁ、心が弾む
心が躍る
何日もこの日を待ち望んだ
「待ってるっすよ。先輩!」
ある人物に会うために餓えた神話の魔物は洞窟を飛び出した
後の洞窟の名は「フィリオン南西ダンジョン」であった
「神話」が意味する事とは…
それはそれとして彼女、作中で一度登場してます




