大馬鹿貴族を懲らしめましょう そして旅立つ一人のアンデット
書けました。前回のステータス確認出来ましたか?
そういえば後書きに少しだけ言葉を追加しました。
後書きって何って思った方へ、最後に書いてるステータスを書いてる場所が後書きです。
ここは前書きです。
さてと、ここからサイチの物語はどう進んでゆくかな?
こいつかぁ。ベギィド達がキレてた相手は。
うんキレて良いよこれは。
「あ!ベギィドさんお帰りなさい!早かったですね」
と思ってたら受付嬢参上。
「にしてもこんなに早く帰って来たのは不思議ですが」
「きっと依頼に失敗したんでしょうねぇ!これはAランク失格ですなぁ!!」
あこいつ思ったよりうぜぇ。
必死にランク降格さして来ようとするじゃん。
「いや依頼は終わったぞ」
「は?」
「え!?凄いですね!?ここまで早くあの大軍を倒せるなんて!次の昇給試験に間に合えば…遂にこの街にS級冒険者が誕生!やーん楽しみです~!」
うん。受付嬢さん?テンション変だね。
「マジか…」
「相変わらず強いなぁ…」
「私もいつかミア様みたいな強さを持ちたいなぁ…」
「ベギィドさんの盾って確かミスリル製だよな?」
「あぁそうだぜ」
「俺も盾使いの端くれとして憧れてんだよなぁ…」
「てかよく珍しいや普通の役職であそこまで強くなったなぁ」
「俺らが元々先輩だったのに冒険者になってたったの二週間で抜かされたっけなぁ」
「あぁ。あの衝撃は忘れてねぇよ。凄かったなぁ」
周りの机で食事を取ってる人が口々にそう喋る。
「と言ってももっと正確に言えば依頼は終わったが俺らが倒した訳では無いのだがな」
「え?」
「ん?」
おバカ貴族(←決定事項のあだ名)と受付嬢が不思議がる。
「俺らは確かに今回の依頼のアンデットの集団の所には着いたがそこにはアンデット達の死体と武器を持ったこちらのサイチさんが居たんだ」
『どうも。サイチです』
素早く紙を出し素早く文字を書き見せる。
「えっと…なんで紙で会話を?」
「私達が聞いた話だと元々腕の立つ旅人だったけど大勢の魔物に襲われて顔が醜くなったらしいネ」
「その時喉もとても酷い怪我だったらしく声がおかしくなってしまったらしくてのぉ。それ以来会話はこれで行ってるらしい」
「顔を隠す仮面も呪いが付いてて外せなくなったらしいわ」
『ご説明ありがとう。まぁそうゆう事です』
と締めくくる。
「それじゃ…アンデットの軍団はサイチさんが全滅させたのですか?」
『あぁ。そういえばどのようなアンデットが報告されたんだ?』
俺はベギィドから聞いて知ってるがワザと尋ねる。
おバカ貴族の顔が一瞬曇る。
さぁーてと。反撃と行きますか。ベギィド。
「確か…担当はFランクのヨーデンさんとそのパーティーである皆様ですね」
おバカ貴族の名前判明。まぁ気にしないが。
「あ。ありました。ゾンビが300体とエングールですね」
『ゾンビ300とエングール?おかしいな。ウォリアーゾンビやグールも居たぞ。アンデットキングも居てゾンビも300どころか1000くらい居たが?』
「ブフッ」
ミアが吹いた。そこで吹くとホラ吹いたのにバレちゃうよ。
でも流石にゾンビ1000はホラすぎたか?
「え?え?えぇ?」
受付嬢。俺の発言に大焦りする。
そしておバカ貴族とベギィドと俺を順番に見る。
おバカ貴族は切羽詰まった顔で俺を睨む。
「おいお前!嘘を吐くな!俺はしっかり確認したぞ!それで俺の評判を落とすようにベギィドに指示されたんだな!そんなまやかしの言葉に騙される俺ではないぞ!にしても自分の評判を上げるために嘘を吐かさせるとは!!A級冒険者も地に落ちましたなぁ!!」
と思ったら開き直り平然と嘘を吐く。
何こいつマジで。ゴミじゃん。
てか前から思ってたけど人によってAランクとかA級とか呼び方変わるの何で?
まぁ良いか。それにおバカ貴族。今自分で墓穴を掘ってくれてありがとうございまーす。
『へぇ。これを見ても同じ事を言えるか?』
そう紙に書き今度はインベントリがしっかり見える様に使用しそこから杖と剣と赤と白の包帯を出す。
受付嬢と周りの冒険者が驚愕の表情を浮かべおバカ貴族の顔は先ほどの余裕そうな表情から一気に青ざめる。
そりゃそうだ。だってこれはアンデットキングの杖とウォリアーゾンビの剣とエングールとグールの包帯だからだ。
『自分から墓穴を掘ったな。ベギィド達から聞いたが偶に殺し屋も差し向けるんだっけか?今回は嘘の報告でベギィド達を殺そうとしたのか?』
後ろで必死に笑いを堪えるベギィド達にもしっかり見える様に紙をおバカ貴族に見せた。
それを見た途端にミアは陥落しました。(笑いで)
あまりにも上手くハマったなぁ。このおバカ貴族は。
「…く、くふふ、ははははははは!」
え何こいつ急に笑い出したぞ要注意人物に格上げしてあげようかな?
「はぁ…よりにもよって邪魔が入るとはなぁ…」
その言葉。それは俺の言葉(文字か?)を肯定し逆にこいつに犯罪と言う罪を与えた。
「ヨーデンさん!?てことは本当に嘘の報告を!?冒険者ギルドではそのような事は」
「五月蠅い黙れ!お前ら出てこい!」
おバカ貴族が合図を出すと同時に席から何名かの人物が経ちそこら中に居る冒険者に刃を向ける。
もちろん受付嬢にもだ。
やっぱこうなるか。
「なっ!?」
「万が一を危惧して新手の殺し屋を多く雇い入れといて良かったよ。悪いけどここの奴ら全員死んでもらうよ。勿論ベギィド。お前にもな」
憎悪の顔でベギィドを睨むおバカ貴族。やれやれ。やるしかないか。
「アまり声ハだしたクナいガしかタないカ」
全員の目が俺に集中する。
「な、お前喋れたのか!」
「いツしゃべれ無イと言ッたか?コえが酷いかラしャべらナイだけデしゃベルとキはしゃべルゾ」
「声帯変化」声の性質を自由に変化する。
ゴブリンの声を変化さしてるせいで所々おかしいけど逆にそれが俺の声が酷いって言葉を肯定してくれる。
「だが声を出したところで意味はあるのか?何も出来ないだけだろ!」
「こエが出ないトツカえないんダよ。ドくキ」
俺はDJがディスクを動かす時のような手の形で腕を下向きにクロスしその手から白い煙を放つ。
「あ?なんだこれ————っ!?」
そしてその煙を吸った瞬間、貴族を含めた殺し屋が地面に倒れる。
「ドウだ?ドクきヲすったカんそうハ?」
「ドクき…?まさか「毒気」ですか!?」
正解だ受付嬢。
「毒気」相手に重度の麻痺を与える毒を放出する。必ず技を言わないと発動しない。
ついでにもう一個発動してる。
「えでも確か毒気って味方や自分さえも巻き込む自爆技だよな…?」
「何で俺ら効いてないの?」
「そレはオれが念リきをはツ動しテるからな。おレ自身ハドく耐せイモちだかラな」
加護「念力」周りにある物を操る。生物無機物問わず操れるので割と強いんだが…
距離によってはちゃんと操作出来てないからな。
「たダあつカいがムズかしイからナ。もしカシたらマきぞえヲ食らッてル奴ガいルかもしレン」
「あホントだ!俺の仲間が一人巻き添え食らってる!」
と、ちょっと離れたテーブルで食事を取ってたパーティーが騒ぐ。
『まぁこれで良いだろ』
また紙に文字を書いて答える。何をやったかと言うと毒気の中を歩き麻痺したおバカ貴族と殺し屋を縄で縛り一塊に纏めていた。
「あまた紙に…」
『何か問題があったか?』
「あいやそうゆう訳では」
その後ぼそぼそと小さい声で何か言ったがしっかり聞こえたぞ。
何が「好みすぎる声だったからもうちょっと聴きたかった」だ。
ゲテモノ趣味かお前は。
ってもう良いわ。
「てゆうかよりにもよってギルドマスターが居ない時に事を起こすとは…」
「完全に狙ってたな」
『不在だったのかよギルドのお偉いさん…』
何故不在か聞いたところ何やら冒険者ギルド本部で大事な会議があるそうでそれに出席してるらしい。
『そうか。そういえば俺も少し頼みたい事が』
「!冒険者登録ですか!」
流石受付嬢。感が良い。
『頼めるか?』
「勿論です。てかむしろそっちが本業ですよ!」
ご尤もです。
そして毒気を消し効果が消えて意識が戻って暴れてるおバカ貴族を無視し登録が完了した。
「よし。ところでサイチ。少し良いか?」
『何だ?』
「俺のパーティーに入らないか?」
登録を済ませベギィドが俺に話しかけ出てきた言葉はパーティーに入るか否かだ。
普通の人だったらここで上級冒険者の仲間になる事を喜ぶだろう。
だけど俺は違う。
『悪いけど遠慮しとくよ』
俺の文字に周りの冒険者達が驚きの顔を向ける。
一方提案者のベギィド含めた仲間達は皆俺が何と言うか理解していたみたいな表情をしていた。
「そうか。それじゃここまで一緒に来た仲だ。お別れぐらいは良いか?」
『勿論だ』
◇◇◇
俺とベギィド達は門の外に出て俺が抜けた森とは反対の森に来ていた。
「ナァ」
「何だ?サイチ」
「オレヲホントウ二カンユウシナイノカ?」
「あぁそれネ。多分皆同じ理由ネ」
「そうよ。だってサイチってこの世界を旅したいんでしょ。何も知らないから」
ベギィド達はそう答えた。
「初めてお主の料理を食べた時に思ったんだがお主は異世界人ではなかろうか?」
ドーゴルの発言に思わず首を勢い良く後ろに回してしまう。
「ホッホッホ。当たっておったか。いやなに。別にそれが悪いとは言わんよ」
「あぁ。お前からしたらここはお前の知らない世界。もっと探検したいって普通は思うだろ?」
「だから勧誘して入るって言ったら入れて入らないって言ったら諦める事にしたネ」
ベギィド達は笑顔で答える。そして一言呟いた。
「この世界を楽しんでくれよ。サイチ」
「貴方だったら一人でもやっていけるネ」
「久しぶりに会ったらまた手料理をご馳走してくれ」
「またいつか会いましょうね」
「頑張れよ!」
ベギィド達のそんな別れの言葉を聞き、俺は森に入ってゆく。
...ベギィド達には言わなかったが...
ありがとう。皆。
またいつか会おう。
ゾンビ《名前無し》
レベル:35 必要経験値:17/350
ステータス
HP450(+2195) MP450(+4979)
SP450(+1335) 装甲350(+3119)
俊敏175(+1520) 攻撃525(+3579)
ラック350(+2535)
スキルポイント:36200
ステータスポイント:28900
スキル
「爪攻撃×17」「毒属性付与×15」「毒耐性×15」「暴食」「獲得経験値10倍」「鑑定」「探知」「曲演歌」「ポイント強化」「インベントリ」「不死鳥×2」「単独危機」「ステータス倍加」「水耐性✕9」「打撃耐性11」「初級水魔法:レイン」「色欲×19」「忍」「脂肪×5」「リハーサル」「使い魔使役可」「ホスピタル」「初級回復魔法:リバナクション」「攻撃強化」「夜目×25」「挑発×2」「バルハラム」「範囲攻撃強化」「中級炎魔法:グレンレッカ」「火炎纏い」「初級砂魔法:スカーフレイパ」「覇激砲斬」「木剣生成」「魔力波」「韋駄天」「聴覚強化」「ハッピーフード」「初級岩魔法:ストーンバレット」「視覚強化」「声帯変化」「毒気」
加護
「調理」「念力」
役職
非一般:「料理人」
神話:「粉砕殺人者」
称号
「持久力」「戦闘狂」「爪の戦闘家」「幸せの料理人」
装飾欄
頭:漆黒フード(装甲+6)
顔:孤高の仮面「永遠」(装甲+1)
体:ボロの庶民の服(装甲+0)
腕:ボロの庶民の手袋(装甲+0)
足:ボロの庶民のズボン(装甲+0)
靴:ボロの庶民の靴(装甲+0)
アクセサリ:幻影の指輪
そういえばですがサイチの言った数は正確には500です。でもほとんど燃えたのでサイチが持つスキルは燃えてない死体からしか得られていません。
そしてサイチの一人旅が遂に始まります。
次回は閑話です。




