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海に、月が昇る ~シェリーの追憶~  作者: 時澤菫
太陽王子と月光令嬢
8/22

7 幕間


侯爵がいなくなると、イザベラは趣味である刺繍に取りかかった。


「お嬢様、もうお休みになられたほうがよろしいかと。」

ドーラは心配そうに彼女を見るが、イザベラは首を振った。


「今日は疲れているけど、寝られそうにないの。それに披露宴のことをあまり思い出したくないから、こうやって何かに夢中になるのがいいのよ。」


「そうおっしゃるなら、ここにホットティーを置いておきますね。」


ドーラが温かいカップを置いて部屋を退室するなり、イザベラはベッドの上で姿勢を崩した。


「思っていたよりも自分は緊張していたようね。肩が痛いわ。…ここだけ縫ってからドーラも言うように休もうかしら。」


すぐに深い眠りに落ちて、翌朝、これほどよく眠れた人は自分以外いないのでは、とイザベラは思うほどであった。









春の温かい風が城内の草花を揺らしている。その様子をニコニコしながら見ているのは、ブリストル王国の宰相であるアルミロだ。


「もう春ですね、殿下。」


前国王の頃から長く務めている彼は、ランヴァルドを自分の子のように思っていた。


「あまり気が進まないがそろそろ陽炎祭だな。あれは、俺も出席しなきゃしけないのか?」


「当たり前です。即位する前も出ていたでしょう。」


「父上は出てないときもあったよな。」


「それは、国務で隣国に行かれていたときですよ。普通は参加するもんです。」


「…そうか。」



ランヴァルドは初めて城の庭に目を向けると、アルミロの言うとおり春が訪れていることを感じた。


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