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海に、月が昇る ~シェリーの追憶~  作者: 時澤菫
太陽王子と月光令嬢
7/22

6 スチュアート邸宅にて

 

 スチュアート侯爵は、邸宅に帰るとすぐに、娘の部屋へと向かった。

 

 幼い頃に肺炎を起こしてからしばらく臥せっていた彼女が、晴れて今日、社交界に出たのだ。家で祝って二人で話でもしようと考えていたためである。





 ところが、部屋の前にいた護衛が声をかけ、中から姿を現した彼の娘は、出かける前よりも病的に顔色が悪かった。


 「おい、どうしたんだ!そこのお前、医者をすぐに…」


侯爵が入ってくるなり付き人を呼び寄せたので、イザベラは慌ててそれを止めた。


 「お父様!私は大丈夫ですから、呼ぶ必要などありません!」


 「しかしお前、随分元気がなさそうだが…」


 「私は慣れていない社交界を知って、少し疲れただけです。人前も、陛下も苦手です。」


 「そうか…。イザベラ…。では、今日はゆっくり寝るがいい。」



 しょんぼりとした背中を見せて引き返す侯爵をよそに、イザベラはどこかホッとした様子で専属世話人であるドーラを見た。歳が近いこともあり、ドーラとは仲良く、こんなときにも目配せをしてみせている。


 そんな侯爵親子のやりとりの中で、きっとイザベラの最後に言った言葉は侯爵に届いていないだろう、とドーラは思った。







 侯爵は皇室を熱心に敬うよう教育していたためである…。




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